(株) ユニバンス 2013年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
2013年
3月期
2012年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 64,184 68,817 (6.7) -
営業利益 287 1,592 (82.0) -売上高の減少および海外拠点強化に伴う先行費用の発生等による。
経常利益 732 1,601 (54.3) -
当期純利益 416 1,479 (71.9) -
ユニット事業
売上高 32,402 36,736 (11.8) -米国向けピックアップトラックおよびSUV用四輪駆動装置の売上高減少による。
営業利益 724 1,447 (50.0) -売上高の減少および海外拠点強化に伴う先行費用の発生等による。
部品事業
売上高 31,441 31,757 (1.0) -CVT用部品の新規受注が増加したものの、AT用部品の減産の影響により減収。
営業利益 (477) 66 - -販売価格の低下、海外拠点強化に伴う先行費用の発生等による。

海外事業

<北米>
-北米でホンダ向けにCVT (無段変速機) 用プーリーの生産を始める。2013年末から米ケンタッキー州の工場で生産し、ホンダの北米生産拠点に納める。これまでホンダとの取引はステアリング部品など小規模に止まっていた。大型で加工費も大きいCVTの主要部品を納入することにより、今後は取引金額が大きく伸びる見通し。(2013年3月29日付日刊自動車新聞より)

-米ケンタッキー州の北米生産拠点で、FF (前輪駆動) 系四輪駆動車用の動力分配装置 (トランスファー) を2013年から生産する。日系メーカーが現地で生産するSUVに搭載されるもので、複数メーカーからの受注も見込み、工場を2倍に拡張して対応する。北米ではバギーや二輪車向けの製品を生産しているが、四輪車用のユニットやその部品を本格的に生産するのは初めて。納入先の現地調達ニーズに対応して現地で生産する。(2012年4月26日付日刊自動車新聞より)

事業再編

-2013年2月、国内生産体制の見直しと組織変更によるグループの事業構造改革の実施を決定したと発表。国内生産体制では、14年度末までに浜松工場 (浜松市南区) の生産を、本社工場および湖西工場 (静岡県湖西市) に移管。また、国内拠点の人員規模の適正化を実施する。自動車生産のグローバル化に伴いグループの海外事業は部品生産が増加する一方、国内事業は生産が減少している。中期経営計画「ビジョン2015」の目標達成に向けて、グローバルでの商品競争力強化と海外拠点の自立化を進めるために、構造改革が不可欠と判断した。

事業方針

-将来の環境対応社を見据えた競争力がある低燃費な製品の開発、多品種少量生産を低コストで行う「ユニバンス流ものつくり」 (UNIVANCE Production Way) の強化と新技術の実用化を推進。グローバル販売戦略を達成するべく、経営資源の効率的な再配置を行い、製品競争力と収益力の向上を目的に以下の施策を実施している。
  • 軽量・低燃費化に対応した競争力のある部品・ユニットビジネスの拡大
  • コア技術を活用した部品の競争力強化とビジネスの拡大
  • 海外3拠点 (北米・インドネシア・タイ) の強化・拡大
  • 国内拠点の再編と経営リソースの最適化
>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
2013年3月期 2012年3月期 2011年3月期
全社 1,371 1,457 1,569
売上高に占める割合 (%) 2.1 2.1 2.6

研究開発体制

-研究開発は商品開発部を中心に実施しており、研究開発スタッフは全95名 (総従業員の約5.5%に相当)。

研究開発活動

1) ユニット事業
-ユニット事業内の全ての事業に共通した同社の開発方針として、以下3つの方針をもとに、コスト競争力の高い製品群、高度な制御技術を駆使した新製品の開発を実施。
  • 高度メカトロニクスによる高機能化の追求
  • 地域別に最適な製品とモノ造りの追求
  • 環境性能とコストの両立
<四輪駆動装置>
-主力商品であるトランスファーユニットは、グローバルに市場が拡大する中、ピックアップトラック、CUV用製品の研究開発に重点を置き、ラインアップ化と軽量・コンパクト化を図る開発、および更なる競争力を高める技術開発に取り組んでいる。
-成長市場である前輪駆動ベースの4WD車用に、トランスファーユニットで培ってきた独自技術を生かした4WDシステムと軽量化・コスト競争力を高めるための研究開発を推進。

<マニュアルトランスミッション (MT)>
-主力製品であるSUVおよび小型、中型商用車向けのトランスミッションは、燃費向上、排ガス規制等の環境対応、エンジンの高出力化対応、およびドライバーへの負担軽減をより一層配慮した自動化のための研究開発に取り組んでいる。
-ハイブリッドおよび電気自動車の様々な車両レイアウトに対応した減速機の研究開発を強化。

2) 部品事業
-軽自動車用ステアリング部品である中間ギアボックス、マニュアルステアリング用ギアボックスの開発に取り組んでいる。
-今後は、さらに製品競争力を高めるために、歯車、動力伝達軸、コンパニオンフランジなどのコア製品を中心に、材料・工法技術、および設計要素技術の研究開発に重点的に取り組んでいく方針。また、海外生産の増加に対し、材料を含めた部品現地化を推進。

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
2013年3月期 2012年3月期 2011年3月期
ユニット事業 1,981 2,301 921
部品事業 2,001 2,676 697
その他 2 74 25
合計 3,986 5,052 1,643

-主に、新規立ち上がりおよび設備の増産投資を実施。

設備の新設計画

(2013年3月31日現在)
計画金額
(百万円)
主な内容・目的
ユニット事業 2,414 機械加工設備、新規立ち上がり等
部品事業 1,927 機械加工設備、新規立ち上がり
その他 3 -
全社 4,346 -