Gentherm (旧 Amerigon) 2013年12月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ドル)
  2013年
12月期
2012年
12月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 662.1 555.0 19.3 1)
営業利益 49.6 36.1 37.4 -
温度調整シートシステム
売上高 143.3 132.3 8.3 2)
営業利益 40.5 11.5 252.2 -
W.E.T.
売上高 518.8 422.7 22.7 3)
営業利益 41.8 51.0 (18.0) -

要因
1) 全社売上高
-2013年の売上高は、前年比19.3%増の662.1百万ドル。主にW.E.T.部門の売上増加が牽引。

2) 温度調整シートシステム
-2013年、同部門の売上高は前年比8.3%増の143.3百万ドル。主な要因は、GM 「Cadillac CTX」およびLand Rover 「Range Rover」向け新規事業の開始。その他の要因として、日産 「Pathfinder」、「Infiniti JX」等の2012年に供給を開始したモデル向けの製品増産が挙げられる。

3) W.E.T.
-2013年、同部門の売上高は前年比22.7%増加の518.8百万ドル。北米およびアジアの自動車生産台数が堅調に推移する中で、同社の自動車用ケーブル製品の市場浸透率が高いことが売上高増加に寄与。また、欧州経済が低迷しているにもかかわらず、欧州事業が前年比で17%増と大きな伸びを見せた。

事業再編

W.E.T.の完全子会社化
-2013年10月、W.E.T.にスクイーズアウト (少数株主排除) を適用し、同社を完全子会社化。当面はW.E.T.を独立事業部門とする方針。

受注

-Daimler 「Mercedes-Benz S-Class」の2014年モデルに、新型の電気ヒーター付きアームレストが採用されたと発表。同モデルの「Warmth Comfort」パッケージに、フロントおよびリアシート用のヒーター付きドアアームレストとセンターアームレストが含まれる。ドアパネルに付いているシートヒーター用制御スイッチにより、アームレストの温度調整が可能。(2013年9月10日付プレスリリースより)

-大手北米自動車メーカーが2014年中に販売するモデルに、冷却専用の新型サーマルストレージを供給すると発表。この製品に使用する技術は、同社の温度調整シートシステムをベースに、車の暖房およびエアコンシステムから独立して機能する。(2013年4月18日付プレスリリースより)

-Land Roverの高級SUV 「Range Rover L405」の2013年モデルに、同社の温度調整シートシステムが採用されたと発表。このシステムは、同モデルのフロントおよびリアシートに搭載される予定。(2013年2月26日付プレスリリースより)

受賞

-W.E.T.は、Johnson ControlsよりEuropean Supplier Awardsの銅賞を獲得。

-W.E.T.は、シートモジュールに関してLearより2012年「Supplier of the Year」を受賞。

開発動向

研究開発費

(単位:百万ドル)
  2013年12月期 2012年12月期 2011年12月期
金額 49.9 41.0 29.7

研究開発拠点

-同社は以下拠点に研究開発施設を保有:
  • 米国ミシガン州Northville
  • 米国カリフォルニア州Azusa (先進素材研究も併せて実施)
  • ドイツ Odelzhausen
  • ドイツ Augsburg

研究開発活動

-2013年現在、熱電発電器 (排熱を電気に変換する機器) の製品化に向け、米国エネルギー省 (DOE) と共同プロジェクトを推進している。このプロジェクトは、2005年から2011年にかけて行われた「熱電発電器の自動車適用実現化」プロジェクトの後継プロジェクトとして推進されている。共同パートナーは北米BMW、Ford、Tenneco。プロジェクト費用は14.2百万ドルで、その内の45%はDOEが拠出。

製品開発

熱電発電器
-Tennecoや大手自動車メーカー2社と取り組んでいる共同プロジェクトの一環として熱電発電器 (TEG:Thermoelectric Generator) のプロトタイプを開発し、2013年フランクフルトモーターショーで展示した。TEGは、円筒形のカートリッジを使った熱交換器。カートリッジの片側が排出ガスの熱、もう片側がエンジンクーラントに触れることで温度差が生じ、カートリッジ内の熱電材料から電気エネルギーが発生する。この電流が車両に伝達される仕組みとなる。(2013年9月11日付プレスリリースより)

特許

-2013年12月末現在、同社は432件の特許を保有し、317件の特許を申請している。

設備投資

設備投資額

(単位:百万ドル)
  2013年12月期 2012年12月期 2011年12月期
全社 35.9 26.8 10.6

-2013年の設備投資額は、主に中国深圳市の電子製品生産拠点の設備購入およびリース物件改良費に使用。その他の使途として能力増強、本社ビルの購入、既存設備の更新が挙げられる。

海外投資

<中国>
-2013年後半、中国深圳市に電子製品の生産工場を開設。電子制御ユニットをアジアの顧客向けに供給する。