HELLA KGaA Hueck & Co. 2013年5月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ユーロ)
2013年
5月期
2012年
5月期
 増減率
(%)
要因
全社
売上高 4,999 4,810 3.9 -中国を始めとしたアジアおよび北米・南米の売上高増加が寄与し、過去最高の売上を達成。
EBITDA 576 615 (6.3) -
事業別売上高
照明 1,846 1,865 (1.0) -
電子機器 1,700 1,581 7.5 -

事業提携

-長城汽車 (Great Wall Motors) と、戦略的提携契約を締結。両社はボディエレクトロニクスモジュール、ボディコントロールモジュール、ランプなどに関する提携に注力するとともに、製品の設計・開発および技術交流を行う計画。同社はこれまでに、長城汽車の「Wingle 3」にランプ、「Florid」および「Great Wall C10」に電子アクセルペダル、「Great Wall C50C」に電動バキュームポンプと雨/光センサーを納入している。さらに今後は、高性能部品に使用されるキーレスエントリーシステムやヘッドランプクリーニングシステムなども、長城汽車のセダン、ピックアップ、SUVに採用されることが決定している。(2012年7月6日付プレスリリースより)

合弁事業

-2012年6月、北京汽車 (BAIC) と合弁に向けた契約を締結したと発表。2012年末までに合弁の実現を目指す。今回の提携では、BAIC傘下の北京海納川汽車部件 (BHAP) が、北京に位置するHellaの全額出資子会社Hella Beifang Automotive Lighting Co. Ltd. (HBL) の株式50%を取得し、合弁会社とすることを目的としている。これまでHBLは、商用車メーカー向けの照明・エレクトロニクス部品の生産に特化してきた。今回の提携により、Hellaの開発・生産能力を利用するとともに、乗用車用照明部品のフルサービスプロバイダーとして事業拡大を目指す計画。(2012年6月1日付プレスリリースより)

<Hella Behr Plastic Omnium GmbH (HBPO)>
-2012年、BehrPlastic Omniumとの合弁会社であるHBPOはマレーシアのDRB Hicomと合弁会社を設立し、東南アジア市場に参入。現地顧客向けにフロントエンドモジュールを生産する。

主な受注

-2012年6月に発売されたBMW 「X6」に、同社のキセノンヘッドランプ、テールランプ、インテリアランプ、フォグランプが採用されたと発表。(2012年7月16日付プレスリリースより)

-ドイツのOEMメーカーのカブリオレ向けに、半透過性レンズを用いたトランクリッド統合型LEDリアランプを供給。

-イギリスOEMメーカーのSUV向けに車室内間接照明を供給。照明のカラーは10色から選択が可能。

-インドの大手メーカーと、ボディコントロールモジュールの供給契約を締結。数量は2.7百万ユニットを予定。

受賞

-2013年4月、メキシコ Guadalajaraのヘッドランプおよびリアランプ工場がBMWより「品質賞」を受賞。

-「Volkswagen Group Award 2012」を受賞した。特に、最適な路面照明を提供することで交通安全性を高める「Dynamic Light Assist」機能が評価されたもの。この機能はVolkswagen 「Touareg」に続き、現在は「Tiguan」にも採用されている。(2012年7月30日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発費

(単位:百万ユーロ)
  2013年5月期 2012年5月期 2011年5月期
-照明 176 142 128
-電子機器 257 224 204
-アフターマーケットおよびスペシャルOE 35 22 14
合計 468 388 346
売上高に占める割合 9.4% 8.1% 7.9%
研究開発要員 5,612 4,832 3,882

研究開発拠点

-全世界に15カ所の研究開発拠点を保有。

-2013年5月期、本社があるドイツ Lippstadtに新たに開発センターの建設を開始。

研究開発活動

-2013年5月期の主な研究開発活動:
  • レーザーを使用したヘッドランプの代替光源
  • 自律調整型・フルアダプティブヘッドランプ
  • アニメーションライトを採用したリアランプの試作
  • 新素材の活用

製品開発

低損失LED配列ヘッドランプ (マトリックスLEDヘッドライト)
-低損失LED配列ヘッドランプを開発。マトリックス状に配列されたLEDを光源とし、ハイビーム/ロービーム切替時の点灯・消灯、光量の詳細な調節を可能とする。同製品を搭載した車種は、2013年秋に市場投入される予定。

識別灯
-新型の識別灯「K-LED 2.0」を2013年4月初旬に発売すると発表した。同社製品では初のビーコンで、ドライバーが状況に応じて警告灯の回転か点滅を選択し、スイッチまたはプログラミングによる操作も可能になる。組み込まれた光センサーでアンビエントランプを測定し、このデータにより日中/夜間でビーコンの明るさを自動調節する。(2013年3月28日付プレスリリースより)

モジュラー視覚警告システム (LEDライトモジュール使用)
-新開発のLEDライトモジュール「LM 2」および「LM 4」を搭載したモジュラー視覚警告システム「OWS7」を発表した。従来のハロゲンタイプに比べてエネルギー消費を30%超削減する。また、点滅式の「LM 2」または回転式「LM 4」のLED警告ライトの装着が可能で、両モジュールとも12ボルトと24ボルトに対応。さらに、幅は900ミリから2,000ミリの間で調整できるとともに、警告ライトも様々な色にすることが可能。(2012年6月5日付プレスリリースより)

設備投資

設備投資額

(単位:百万ユーロ)
  2013年5月期 2012年5月期 2011年5月期
合計 541 422 356

海外投資

<中国>
-電子機器部門が中国の福建省廈門 (Xiamen) に新工場を開設すると発表した。自動車用リレーをはじめとするエレクトロニクス部品の開発・生産を行う計画。車両制御システム、ドアロックシステム、電子制御式ウィンドウ、シート制御装置、ライトシステム、エアコン、ABSシステムなど様々な自動車用エレクトロニクス部品に使用されるもの。同社はこれらの部品を、中国国内の自動車メーカーおよび部品メーカー向けに納入している。納入先に含まれるのは、上海VW、一汽大衆 (FAW-Volkswagen)、上海GM、現代、Delphi Automotiveなど。(2012年8月16日付プレスリリースより)

<メキシコ>
-メキシコ西部Irapuatoに工場を新設した。設備投資額は100百万ユーロ超で、設備面積は2.4万平方メートル。年産能力はヘッドランプ1.2百万ユニット、リアランプ2.4百万ユニット。

<ルーマニア>
-電子機器部門のTimisoara工場の製造設備を大幅に増強。