ElringKlinger AG 2013年12月期の動向

ハイライト

業績	(単位：百万ユーロ)

	2013年 12月期	2012年 12月期	増減率 (%)	要因
全社
売上高	1,175.2	1,127.2	4.3	1)
EBITDA	236.3	215.2	9.8	-
OE部門
売上高	951.0	906.6	4.9	2)

要因
1) 全社
-売上高は、前年比4.3%の増加。新製品の出荷開始と、北米とアジアでの好調な需要が、西欧での低調な市場要因を打ち消し、増収。

2) OE部門
-売上高は、前年比4.9%の増加。新製品の出荷開始と、北米とアジアでの好調な需要が要因として挙げられる。ターボチャージャー用ガスケット、オートマチックトランスミッション部品、シールド部品、軽量化されたプラスチックモジュール等の売上が好調だったほか、排気ガス浄化システムも売上に寄与した。

-E-モビリティー事業： 2013年12月期は8.4百万ユーロ (2012年度は6.6百万ユーロ) の売り上げがあり、前年比27.3%の増加となった。
-2013年11月、BMWの電気自動車向けにリチウムイオン電池用セルコンタクトシステムが出荷開始された。

企業買収

-2013年7月、同社はスイスの排ガス後処理システムメーカーHug Engineeringの株式24.99%を追加取得したと発表した。取得金額は約5.7百万スイスフラン (4.6百万ユーロ)。同社は2011年5月にHug Engineeringの支配権を取得。今回の取引により、現在の所有比率は93.67%となった。Hug Groupは排ガス浄化システムの開発・製造を行っている。ElringKlingerの煤煙低減用コーティング材｢CleanCoat｣をHugのディーゼル粒子フィルターに施し、商用車向けに販売する。

完全子会社化

<韓国>
-2013年2月1日付で、韓国の昌原 (Changwon) 市に位置する合弁会社ElringKlinger Korea Co., Ltd.の株式残り50%を取得し、完全子会社化したと発表。同合弁会社の2012年の売上高は約13百万ユーロ。シリンダーヘッドガスケット、特殊ガスケット、ヒートシールド、プラスチックハウジングモジュールを生産している。 2013年6月、ElringKlinger Korea Co., Ltd.は慶尚北道の亀尾 (Gumi) 市で新工場の起工式を開催。今後5年間で約1,000億ウォンを投資し、エンジンガスケット、シリンダーヘッド等の工場を設立する。2013年中に完成し、2014年初めより量産開始の予定。

<南アフリカ>
-2013年1月1日付で、南アフリカの子会社の持ち株比率を51%から100%に引き上げた。それに伴い社名がElringKlinger South Africa (Pty) Ltd.へ変更された。

開発動向

研究開発費

(単位：百万ユーロ)

	2013年12月期	2012年12月期	2011年12月期
全社	57.1	57.3	49.9
売上に占める割合 (%)	4.9	5.1	4.8

研究開発体制

-2013年は、メタルガスケット、シールド部品やプラスチックハウジングモジュールなどの既存製品を新しいアプリケーションへ向けて改良。また排ガス浄化システムやE-モビリティーにおいては新規の開発が行われ、いくつかは製品化まで漕ぎつけた。

-2013年12月31日現在、研究開発に従事するスタッフは498名 (2012年： 425名)。

-研究開発拠点は、主に欧州のドイツとスイスに集中しているが、アジアからの引き合いの増加に伴い、すでに稼働している長春 (中国) に加え、2013年に蘇州（中国）にR&Dセンターを開設した。

製品開発

排ガス浄化システム
-Hug Engineeringが新たに開発したフィルターシステムが、米カリフォルニア州のCalifornian Air Resources Board (CARB) の認定を受けた。カリフォルニア州では、6.34平方トン以上のすべてのバスおよびトラックは、DPFを付けるよう改造しなければならない。Hug Engineeringのフィルターシステムは、酸化触媒と、ElringKlingerのCleanCoatを施したDPFで構成されている。2013年には1,500台を受注した。