Tesla:Model 3の生産遅延、高度な生産自動化を推進

2019年にトラックと小型SUVのEV投入を計画

2017/12/26

要約

  Tesla(2017年2月にTesla Motorsから社名変更)は2017年7月に、ベース車価格35,000ドルという手頃な価格(affordable)のEVコンパクトセダンModel 3を発売。量産型のEVを通して、世界の持続可能エネルギーへのシフトを加速させるというTeslaのミッションを達成する上で、重要なステップとなった。受注も順調で、2017年8月時点で約45.5万台に達し、2018年には年50万台を生産する計画だった。

  しかし、Fremont乗用車工場と電池工場Gigafactory 1の生産工程で生じた問題により生産は遅延。週当たりの生産ペースを5,000台とする時期を2017年内から2018年3月末に遅らせた。Teslaはサプライチェーンや生産プロセスに基本的な問題はなく、高度に自動化された生産ラインの一部に障害があるとして、その解消を進めている。

  TeslaはEVラインアップを拡充し、すべての主要セグメントに参入するとしている。2019年には、Teslaにとって初の商用車となるセミトラックトレーラーSemiと、Model 3ベースの新型コンパクトSUV Model Yを投入する計画。2017年11月に概要を発表したSemiは、既にWalmart等の小売りチェーンから複数台を受注している。

  Teslaは2015年10月から、SAE基準でレベル2の自動運転機能を提供する初代AutopilotをModel SとModel Xで利用可能とした。2016年10月からは完全自動運転機能対応のハードウェアを、Model 3を含むTesla車全車に搭載。完全自動運転の実現にはまだ時間がかかるが、初代Autopilotの機能を強化したEnhanced Autopilot(この機能もレベル2)の利用が可能となっている。また、Teslaは自動運転用の半導体の自社開発にも取り組んでいる。

  Teslaの2017年1-9月の販売台数は73,150台で、2017年通年のModel SとModel Xの販売台数は10万台に達する見込み(2017年11月時点での同社予測)。2017年1-9月の売上高は前年同期比79.6%増の84.7億ドルとなったが、研究開発費や設備投資費の増加に加え、Model 3の生産遅延等により、営業損失は4.0億ドルから10.3億ドルへ、純損失は5.5億ドルから14.7億ドルへ拡大した。しかし、2017年第3四半期のModel SとModel Xの受注が過去最高となり、Model 3の受注も増加しているため、Teslaは生産の問題が解決すれば業績は好転するとしている。

Model 3 Model 3
2017年7月に発売した量販車Model 3 (写真:Tesla) Model 3 車両組立ライン
(動画:Tesla Q3 2017 Update Letter)

 


関連レポート:
電動車(xEVs)とリチウムイオン電池の動向(その1) (2017年3月)
Tesla Motors:計画を2年早めて2018年に50万台生産を目指す (2016年10月)

電動車の市場予測について、全世界の国別、モデル別予測データ(~2027年)もご案内しております。



手頃な価格のModel 3を投入、生産ラインの問題で増産計画を延期

  Teslaは2017年7月に、ベース車が35,000ドルという手頃な価格(affordable)のEVコンパクトセダンModel 3の生産・販売を開始した。2006年に発表した同社の中期計画(Part 1)の最終段階、「手頃な価格のEVを開発し、大量生産する」の実現に近づいたと言える。2016年3月31日から受け付けた予約注文も順調で、2017年8月時点で45.5万台に達した。Teslaはそれまでの計画を2年前倒しし、2018年にはModel 3を中心に年産50万台とすることを目標に、生産設備の整備を進めてきた。

 

Model 3の概要

  コンパクトセダン。全長4694mm(Model Sは全長4978mm)。2016年3月31日に予約受付、2017年7月7日に生産を開始。航続距離が310マイルと220マイルの2バージョンがある。バッテリーパックの容量は非公表。
  車内には計器類はなく、ダッシュボード中央に1つのデジタルディスプレイ(15インチタッチスクリーン)のみを搭載。運転に必要な情報の入手や空調のコントロール等はすべてこのディスプレイで行う。

 

Model 3のバージョン

航続距離 0-60 mph
加速時間
最高時速 充電スピード 価格
ロングレンジバッテリー
搭載車
310マイル 5.1秒 140 mph 急速充電器:30分で170マイル分
家庭(240Vコンセント):1時間で37マイル分
44,000ドル
スタンダードバッテリー
搭載車
220マイル 5.6秒 135 mph 急速充電器:30分で130マイル分
家庭(240Vコンセント):1時間で30マイル分
35,000ドル

 

Model 3の各バージョンの生産計画

2017年 2018年 2019年
初頭 下期
ロングレンジバッテリー
搭載車の生産開始
スタンダードバッテリー
搭載車の生産開始
デュアルモーターの
AWDの生産開始
海外への左ハンドル
仕様車の納車を開始
右ハンドル仕様車
の生産開始

  Model 3は生産工程を自動化するため、Model SやModel Xより部品数が少なく、構造もシンプルに設計されている。Teslaは生産自動化の分野で有数のドイツのエンジニアリング会社や米国の自動化機械メーカーを買収し、生産工程の高度な自動化を進めた。しかし、電池モジュールの組立や車体の溶接工程等で問題が発生し、生産の遅れが出ている。当初の計画では、2017年第3四半期に1,500台を生産するとしていたが、実際は260台にとどまった。2017年11月の発表では、週当たり生産ペースを5,000台とする時期を2017年内から2018年3月末までに遅らせ、週当たり1万台とする時期は、その後に決定するとしている。

 

Model 3の生産に関する問題

生産ライン  第3四半期決算報告によると、Model 3の生産が計画通り増加していないのは、Fremont工場と電池工場(Gigafactory 1)の高度に自動化された生産ラインに問題があるためとしており、サプライチェーンや生産プロセスに基本的な問題はないとしている。
Fremont組立工場  車両組立ラインの自動化が遅れている。シート組立、塗装工場、プレス工場等では週当たり1,000台の生産ペースを上回っているが、車体工場、最終車両組立ラインの生産量は週当たり500台にとどまっている。
電池工場  Gigafactory 1ではパナソニックが電池セルを生産し、Teslaが電池モジュール、バッテリーパックに仕上げる。パナソニックによると、電池セルの生産は順調。
 問題は電池モジュールの組立である。Model 3のバッテリーパックは4つのモジュールから成り、モジュールは複数の電池セルで構成される。モジュールの設計は複雑で、その組立を自動化するのに時間を要した。また、4工程のうちの2工程で、サプライヤーに委託していた部分をTeslaが担当することになり、再設計を余儀なくされたため、生産に遅れが出ている。

 

電池工場Gigafactory 1はPanasonicと共同運営

2017年1月に稼働  2017年1月、パナソニックとTeslaは、総額50億ドルを投資したGigafactory 1で、共同開発した円筒形のリチウムイオン電池セル「2170」の生産を開始した。当初はTeslaの定置用蓄電池 Powerwall/Powerpack向けに生産。同年第2四半期より、Model 3向けに電池セル、モジュール、パック、駆動ユニットの生産を開始。
2018年の目標  Gigafactory 1は完成したセクションから稼働する。現在の床面積は17.6万平方メートル、複数階にわたる稼働面積は45.5万平方メートルだが、これは工場全体が完成した際の30%弱である。2018年にはリチウムイオン電池の世界生産の半分に当たる年間35GWhのセルを生産することを目標としている。

(注)パナソニックとトヨタは2017年12月、EV向けの電池事業で協業を検討すると発表した。パナソニックは既に提携しているTeslaとは円筒形リチウムイオン電池セルを共同開発・生産しているが、トヨタとは角型電池、さらに次世代電池とされる全固体電池の開発に取り組むとしている。

 

生産自動化分野の企業を買収

独エンジニアリング会社  2016年11月、Teslaはドイツ・Prumにあるエンジニアリング会社Grohmann Engineeringを買収し、社名をTesla Grohmann Automationに変更。同社は生産の自動化では世界的企業の一つ。Teslaは4年間でFremont工場の生産性を400%向上させたが、2018年までに年産能力を50万台に拡大するため、今回の買収により一層自動化を進め、生産速度と品質を向上させる。
米自動化機械メーカー  2017年11月、TeslaはModel 3の生産能力を引き上げるため、米国ミネソタ州Brooklyn Parkを拠点とする自動化機械メーカー Perbix を買収したと発表した。Perbixは約3年前からTeslaに機械を納入している。この買収により、Teslaはより多くの部品を自社生産することが可能になる。


EVラインアップを拡充、セミトラックトレーラーSemiなど商用車も投入

  Teslaは2016年7月に発表した中期計画(Part 2)で、「EVラインアップを拡充し、全ての主要セグメントに参入する」としている。2012年に高級セダンのModel S、2015年秋にModel SベースのSUVのModel Xを発売後、2017年7月に量販車のModel 3を投入。2019年にはModel 3ベースの新型コンパクトSUVのModel Yを投入する計画。2017年11月には、2019年に投入予定のセミトラックトレーラーSemiの概要を発表。エネルギー消費量は1マイル当たり2kWh以下で、ディーゼル車より燃料コストを削減できるとしている。既に小売りチェーン大手のWalmartやMeijerが複数台を予約した。Semiの発表と同時に、2020年に発売予定の新型Roadsterの概要も発表。このほか、ピックアップトラックやバスの投入も検討している。

Semi Semiのキャビン
セミトラックトレーラーSemi を2019年に投入予定
(写真:Tesla)
Semiのキャビン (写真:Tesla)

 

Teslaのモデル計画 (前述のModel 3を除く)

モデル名 発売時期 概要
Model S 2012年  Model Sはプレミアムセダン、Model XはModel SベースのSUV。2017年第2四半期に両モデルともに以下のような品質改善を行った。AWDバージョンの設定、スマートエアサスペンションの搭載、オートステアリングの機能改善、自動ブレーキ機能の向上、自動で直角駐車が可能。
Model X 2015年秋
Semi 2019年  セミトラックトレーラー。2017年11月に発表。Model 3 に搭載されているモーター4基を搭載。容量8万ポンドの積荷を積んだ場合、時速0-60マイルの加速時間は20秒。加速・減速にシフトやクラッチが不要で、回生ブレーキは98%の動的エネルギーをバッテリーに回収する。エネルギー消費量は1マイル当たり2kWh以下で、燃料コストを大幅に削減できるとしている。価格は航続距離が300マイルのバージョンが15万ドル、500マイルのバージョンが18万ドル(競合車種のディーゼル車より1割増し程度とされる)。
 キャビン:運転席が中央にあり、最適な視界を確保。運転席の後部と右側にジャンプシートが設置されている。キャビン内で立つことも可能。運転席の両側に2つのタッチスクリーン画面が設置され、ナビゲーション、死角監視、電子データロギング(車両診断等に必要なデータの記録)等を行うことができる。
 安全性:衝突の衝撃から守るためにバッテリーを補強。重心を低くし、横転を予防。フロントガラスには耐衝撃ガラスを使用。改良したEnhanced Autopilotを搭載し、自動緊急ブレーキ、自動車線維持、車線逸脱警報、ドライブレコーダー等の機能を持つ。1台から数台が先頭のトラックに自動で追従する隊列走行システムも開発している。
Model Y 2019年  新型コンパクトSUV。2017年8月、Model 3 のプラットフォームを使用すると発表した。既存のプラットフォームを使用することにより、2019年にも投入が可能となる。ただし、電気やデータ送受信用のワイヤリングは刷新する予定で、新しい配電システムを使用することにより、1台のModel Yが使用するワイヤの総量は100mとなる計画。Model 3は1,500m、Model SとModel Xは3,000mのワイヤを使用している。
新型
Roadster
2020年  タルガトップのスポーツカー。新型車は後席が増え2+2のレイアウト。四輪駆動。時速0-60マイルの加速時間が1.9秒、0-100マイルが4.2秒。最高速度は時速250マイル。200kWhのバッテリーパックがフル充電、高速道路走行で、航続距離は620マイル。価格はベーシックモデルが20万ドル。
ピックアップ
トラック
未定  Elon Musk CEOは2017年4月に、1年半~2年以内にEVのピックアップトラックを発表すると表明。
バス 未定  Elon Musk CEOは2016年7月に、Master Plan Part 2で言及した「バス」とは、Model Xのプラットフォームを使用する「ミニバス」であると述べている。


中国に開発・生産拠点を設立

  Teslaは、世界最大の自動車市場であり、EV市場としても有望な中国市場に2014年に参入。2016年には米国からの輸入車を約11,000台販売し、中国はTeslaにとって米国に次ぐ第2番目の市場となった。しかし、中国での価格は輸送費と関税が加わり、米国での価格の1.5倍ほどになる。中国のEV市場でシェア拡大を図るには、現地生産により価格を引き下げる必要があるとして、2017年10月、まず北京に開発拠点を設立した。生産拠点については、上海での現地生産を検討していると報じられている。

 

中国に開発・生産拠点を設立

北京に開発拠点設立   中国国家企業情報公示によると、Teslaは2017年10月18日に北京に「テスラ新能源研発(Tesla New Energy R&D)」を設立した。登録資本金は200万ドル。Teslaの香港法人が全額出資した。新会社の業容は、電気自動車と部品、電池、蓄エネルギー設備、太陽光発電製品技術と情報技術の研究開発など。
上海で現地生産を検討
(報道)
  Teslaは2017年6月、上海市の特区で現地生産することで上海市政府と協議していると報じられた(Detroit News 2017.6.20)。同年10月にはTesla単独で工場を建設するとの報道もある(Wall Street Journal 2017.10.22)。これまで中国政府は、外資系自動車メーカーが現地生産を行う際には、現地企業との合弁設立を求めてきた。しかし、11月の中国政府の発表では、新エネルギー車事業については、試験的に外資持分規制(従来の上限は50%)を緩和するとしている。


完全自動運転対応のハードウェアを搭載、改良型Autopilotが利用可能

  Teslaは、完全自動運転車は安全性を大幅に向上し、燃費の良い走行をすることによってオーナーの所有コストを軽減し、車を所有していない人にはオンデマンドの移動手段を低価格で提供できるものとして、持続可能な未来へのシフトを加速するために重要な役割を担うとしている。

  Tesla車は2014年9月から自動運転のためのハードウェアを搭載していたが、2015年10月にソフトウェアのOTA (Over-The-Air) アップデート(無線による更新)により、レベル2の自動運転機能を提供する初代AutopilotがModel SとModel Xで利用可能となった。

  2016年10月からは完全自動運転機能対応のハードウェアを、Model 3を含むTesla車全車に搭載。同年12月からEnhanced (改良型)Autopilotが利用可能となり、新たに高速道路の乗り継ぎや高速道路から降りることも自動で可能となった。ただしEnhanced Autopilotも、ドライバーが常に車を監視する責任を有するレベル2の自動運転機能であり、完全自動運転機能の有効化の時期は未定である。

  また、Teslaは自動運転用の半導体の自社開発にも取り組んでいる。

 

完全自動運転対応のハードウェア2を搭載、改良型Autopilot利用可能へ

ハードウェア 1  2014年9月~2016年10月に製造された車両に自動運転用のハードウェアを搭載。1台の高精度カメラ、レーダー、12個の超音波センサーを使用。
初代
Autopilot
 2015年10月にソフトウェアのOTAアップデートにより、Autopilot機能が利用可能となった。初代Autopilot機能:自動的に車線内を走行、周囲の交通状況に応じて車のスピードを調整、自動車線変更、自動駐車、スマートフォンやキーを車外から操作して直線前進後退させ、駐車場への出し入れが可能。(レベル2の自動運転機能とされる)
ハードウェア 2  2016年10月から完全自動運転機能対応のハードウェアをModel 3 を含むTesla車全車に搭載。
・8台のサラウンドビューカメラ:車から最長250mまで360度の視界を提供
・アップデートされた12個の超音波センサー:検知範囲が初代の約2倍
・最先端のプロセッシング技術を採用した1台のレーダー
・新型車載コンピュータ:初代の40倍以上の処理能力を持つ
(注:完全自動運転機能の有効化にはソフトウェアの詳細な検証と各国・地域の様々な規制に関する承認が必要で、利用可能な時期は未定。)
Enhanced
(改良型)
Autopilot
 2016年12月にソフトウェアのOTAアップデートによりEnhanced Autopilot機能が利用可能。
・初代Autopilot機能を改良:オートステアリング機能は急なカーブや複雑な道路でも利用可能、車外から操作して車を走らせる場合、直進だけでなく曲がることも可能
・追加機能:高速道路の乗り継ぎ、高速道路から降りることも自動で可能
(注:Enhanced Autopilotは運転支援システムであり、ドライバーは常に責任を持って車の動きを監視する必要があるとしているので、自動運転機能としてはレベル2とみなされる)

 

自動運転用の半導体を自主開発

  2017年12月、TeslaのElon Musk CEOは人工知能(AI)開発者のイベントで自動運転向けの半導体開発を社内でも進めていることを明らかにした。現在は米国の画像処理半導体(GPU)大手のNVIDIAの製品を利用しているが、自社開発の製品を使用することにより、NVIDIAへの依存を減らし、コストを削減するとしている。


2017年1-9月の売上高は80%増の85億ドル、営業損失は10億ドルに拡大

  Teslaの2017年1-9月の生産台数は前年同期比29.5%増の76,462台、販売台数は36.2%増の73,150台。売上高は79.6%増の84.7億ドルとなったが、研究開発費や設備投資費の増加に加え、Model 3の生産遅延等により、営業損失は4.0億ドルから10.3億ドルへ、純損失は5.5億ドルから14.7億ドルへ拡大した。Model 3の投入によりTeslaの認知度が向上し、2017年第3四半期のModel SとModel Xの受注が北米・欧州・アジアで四半期では過去最高となった。Model 3の受注も増加しているため、Teslaは、生産の問題が解決すれば業績は好転するとしている。

Teslaの業績

Teslaの生産・販売台数

(台)

2016年 2016年1-9月 2017年1-9月
生産台数 83,922 59,040 76,462
販売台数 75,890 53,690 73,150
  Model S 50,665 37,965 39,515
Model X 25,225 15,725 33,415
Model 3 - - 220

資料:Tesla Production and Deliveries (Q1 2016-Q3 2017)

 

Teslaの業績

(1,000ドル)

2014年 2015年 2016年 2016年
1-9月
2017年
1-9月
売上高 3,198,356 4,046,025 7,000,132 4,715,501 8,470,502
粗利益 881,671 923,503 1,599,257 1,163,979 1,783,701
営業損益 (186,689) (716,629) (667,340) (400,642) (1,033,945)
純損益 (294,040) (888,663) (773,046) (553,577) (1,469,771)
研究開発費 (464,700) (717,900) (834,408) (588,448) (1,023,436)
設備投資費 (969,885) (1,634,850) (1,280,802) (759,190) (2,628,126)

資料:Tesla Q4 2015/Q4 2016/Q3 2017 Update Letter

 



LMC Automotive販売予測:Teslaの2020年販売は22万台の見込み

LMC Automotive、2017年第3四半期)

Teslaの販売予測

  LMC Automotiveの販売予測(2017年第3四半期)によると、Teslaの2017年世界販売は前年比24.2%増の86,443台の見込み。同年にModel SとModel Xの販売は拡大した。7月末には、手頃な価格のModel 3 コンパクトプレミアムカーの販売を開始。現在、Model 3の生産の問題により、販売が伸び悩んでいるが、生産量が拡大すれば販売も増加する見込み。Teslaは、生産ラインが100%稼働すれば年間50万台のModel 3を生産・販売することが可能だとしている。しかし、LMC Automotiveの予測はそれより保守的で、Teslaの2020年の世界販売は、2017年の約2.5倍の22万台と見込んでいる。

  米国では、Teslaの販売伸び率は2017年も業界平均を上回って拡大し、前年比18.5%増の約5万台に達する見込み。同年には手頃な価格のModel 3を発売。2017年の販売台数はまだ少ないが、手頃な価格と政府の補助金により、Model 3がTeslaの販売を大幅に引き上げる可能性がある。しかし、Teslaの累計販売台数は、補助金枠の上限である20万台にまもなく到達するため、多くの消費者は補助金を利用できなくなる。LMC Automotiveは、予約をした人のうち、Model 3 の価格が予想よりも高くなると知った人は、予約をキャンセルする場合もあると考えている。

  Teslaによると、Model 3に対する世界各国からの予約は40万台近くにのぼっているが、LMC Automotiveは、2017~2024年に販売するModel 3の販売台数は274,000台と予測している。これは、前述の価格の問題に加え、Model 3を予約した人の中には、2020年にコンパクトプレミアムSUVのModel Yが発売されると、そちらに移行する人もいるためである。このほかの新型車について、Teslaは2019年に新型Roadster、2021年に電動ピックアップトラックのModel Pを投入する計画。

  米国は、2017年にTeslaの世界販売の55.5%を占め、同社にとって最大市場であるが、今後は欧州・中国での販売が増え、米国の販売比率は徐々に低下するだろう。2020年には、米国の比率が42.4%に減る一方、ドイツは11.3%、ノルウェーは8.8%に増加する見込み。

  中国では、Teslaは上海市にEVの生産拠点を設立する計画を進めている。中国で生産する予定のモデルは、セダンのModel 3と同モデルをベースとしたクロスオーバーのModel Yである。LMC Automotiveの予測では、中国でのTeslaの販売は2017~2019年には年間1万台前後で、2020年には2017年比19.9%増の12,000台に増加する見込み。

 

Teslaの販売予測 (LMC Automotive, 2017年第3四半期)

(台)

COUNTRY 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020
Total 28,066 48,055 69,599 86,443 116,797 188,758 216,472
USA 15,262 25,616 40,515 47,998 73,394 81,076 91,856
Germany 817 1,582 1,908 3,366 3,995 20,932 24,377
Norway 3,990 3,984 3,441 5,734 7,980 17,916 19,105
France 328 708 945 1,242 1,835 10,888 13,287
Netherlands 1,510 1,912 2,167 3,029 4,326 10,011 11,882
China 2,499 3,692 10,399 9,769 9,007 10,080 11,712
UK 717 1,468 2,493 3,696 2,786 7,713 9,010
Belgium 521 820 859 1,254 1,677 4,598 5,463
Canada 786 2,021 2,467 2,689 2,736 3,986 4,920
Switzerland 494 1,548 1,678 2,367 2,754 4,307 4,482
Sweden 267 996 1,128 1,758 2,079 3,402 3,484
Austria 136 492 717 1,055 1,195 3,016 3,406
Spain 15 10 55 222 152 2,137 2,650
Italy 55 134 237 365 395 1,875 2,333
Denmark 460 2,736 177 224 546 1,683 1,825
Korea 0 0 0 146 408 951 1,397
Portugal 0 0 0 0 35 935 1,140
Finland 95 146 121 250 297 852 1,014
Ireland 3 2 8 4 25 387 706
Greece 0 0 0 4 26 461 680
Taiwan 0 0 0 624 521 577 609
Luxembourg 35 33 61 143 96 322 396
Ukraine 8 23 47 78 112 126 140
Czech Republic 20 57 62 81 82 99 106
Mexico 0 0 13 26 37 58 79
Russia 0 0 0 20 45 56 76
Poland 8 21 25 53 44 58 60
Estonia 19 6 11 17 28 52 54
Latvia 3 7 6 11 25 30 37
Hungary 4 7 13 20 24 24 34
Slovenia 13 8 11 13 13 24 28
Lithuania 1 4 8 20 16 17 15
Brazil 0 0 0 4 12 13 13
New Zealand 0 22 24 60 12 12 12
Singapore 0 0 3 0 0 0 0
Source: LMC Automotive "Global Automotive Sales Forecast (Quarter 3, 2017)"
* 国名は一部抜粋のため、各国の合計値は表中のTesla Totalと一致しません。
(注) 1.  データは、小型車(乗用車+車両総重量 6t以下の小型商用車)の数値。
2.  本表の無断転載を禁じます。転載には LMC Automotive 社の許諾が必要になります。
モデル別やパワートレインタイプ別等のより詳細な予測データのご用命、お問い合わせはこちらのページへ


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キーワード
Tesla、テスラ、EV、電池、バッテリー、自動運転、Autopilot、Model 3、Model Y、Semi

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