ドイツ3社の新型車装備:高度な運転支援装備の設定拡大

Volkswagenグループが二次衝突のリスク軽減ブレーキシステムを搭載

2013/11/06

要 約

Audi A8 Audi Matrix LED headlights
Audi A8 Audi Matrix LED headlights

 以下は、Daimler, BMW, Volkswagenが、2012年秋以降に欧州市場で発売した新型乗用車の主要装備の設定概要である。取り上げた新型車は合計12車種で、ブランド別ではMercedes-Benzが3車種、BMWが2車種、MINIが1車種、VWが1車種、SEATが1車種、Skodaが2車種、Audiが2車種である。高級ブランド車は先端技術を数多く搭載し、マスブランドのVW/SEAT/Skodaも先進的な運転支援装備等を設定した。

 走行安定性装備では、運転スタイルや路面状況に応じてサスペンションのダンピング特性を自動調整するAdaptive suspensionの設定が拡大。M-Benz S-Classは世界で初めて、ステレオカメラで前方の路面をモニターするサスペンションを搭載した。燃費向上装備では、高速走行中のアクセルオフ時にエンジンを切り離して惰性走行するCoasting modeの採用が始まった。

 視認性確保では、LEDヘッドライトの採用が拡大。Audi A8は、片側25個のハイビーム用LEDを5グループに分けて配置し、グループ毎に光量を調整するMatrix LED headlightsを採用した。

 衝突安全性装備では、事故の衝撃を感知すると、車両にブレーキをかけて二次衝突を防ぐSecondary collision brake assistがVWグループのモデルに搭載された。

 運転・駐車支援装備では、カメラとレーダーセンサーを併用する高度な装備の設定が拡大。車線逸脱を検知し、自動でステアリング補正を行うActive lane assistや夜間に前方の歩行者や動物を検知し、ヘッドライトを照射するNight vision with marker lightの搭載が拡大した。

 快適・利便性装備では、車内でのインターネット接続機能の採用が3社の新型車に拡大。欧州で2015年10月から搭載が義務化されるEmergency call systemの設定が拡大しつつある。

Daimler, BMW, VW が新型車に設定した主な先進装備 (2012年秋以降に欧州発売した新型車)

走行安定性
(燃費向上を含む)
Adaptive suspension M-Benz GL-Class/S-Class, BMW X5/4 Series Coupe, Audi A8
Coasting mode M-Benz S-Class, BMW X5/4 Series Coupe
視認性確保 LED headlights M-Benz S-Class, BMW X5/4 Series Coupe, SEAT Leon, Audi A8
衝突安全性 Secondary collision brake assist VW Golf, SEAT Leon, Skoda Octavia, Audi A3 Saloon
運転・駐車支援 Active lane assist M-Benz GL-Class/S-Class, BMW X5, VW Golf,
SEAT Leon, Skoda Octavia, Audi A3 Saloon/A8
Night vision with marker light M-Benz S-Class, BMW X5, Audi A8
快適性・利便性 Internet access M-Benz GL-Class/CLA-Class/S-Class, BMW X5/4 Series Coupe,
MINI Paceman, VW Golf, Audi A3 Saloon/A8
Emergency call system M-Benz GL-Class/CLA-Class/S-Class, BMW X5/4 Series Coupe

 
関連レポート: 

ITS世界会議 (2013年10月掲載):
 ・トヨタ・ホンダ・日産の自動運転技術展示(デモ映像あり)
 ・自動運転の現状と将来:ITS世界会議を取材して
フランクフルトモーターショー:
 ・BMW、VW、Daimlerの展示取材 (2013年9月掲載)
新型車装備レポート:
 ・米国の新型車装備 (2013年8月掲載)
 ・日本の新型車装備 (2013年7月掲載)

このレポートは有料会員限定です。 残り 3 章
無料会員登録により、期間限定で続きをお読みいただけます。