BMW:4年前倒しで、2016年に世界販売200万台を目指す

BMW/MINI共用のFFプラットフォームを開発、米・中国で生産能力増強

2012/12/14

要 約

BMW Groupの世界販売

BMW Groupの主要国別販売比率

 BMWは2012年3月に発表した中期目標で、2016年に世界販売200万台を目指すと発表した。従来は2020年に200万台販売という目標を掲げていたので、計画を4年前倒しすることになる。

 BMWの2011年世界販売は過去最高の167万台、2012年通年も過去最高を更新する見込みである。

 販売拡大に寄与しているのが幅広いラインアップの整備で、2012年には最量販モデルの新型3 Series のセダンとワゴン、BMWブランド初の4ドアクーペである6 Series Gran Coupeを発売。2013年には3 Series Coupe/Convertibleの後継車である4 Series Coupe/Convertible、MINIブランドの7つ目のモデルPacemanを投入する。

 200万台販売を達成するためのBMWの方策の一つに、成長が見込まれるプレミアムコンパクトセグメントへの積極的なモデル投入がある。BMWは新開発の前輪駆動用プラットフォームをBMW/MINIの多数モデルに採用し、同セグメントでの競争力を高める方針。また、MINIブランド車の販売拡大も必要で、英国工場の能力増強やオランダのNedCarへの生産委託など生産体制を拡充する。

 地域別では、債務危機等の影響で販売不振の欧州に対し、米国と中国では販売が好調で、2012年1-9月の国別販売比率では中国・米国 (各18%) がドイツ (16%) を上回った。BMWは米国と中国で生産能力を増強し、さらなる販売拡大を図る。また、ブラジルに工場を新設するなど、他の新興国市場でも生産体制を整備する。

 環境対応では、2020年までに95g/kmとする欧州でのCO2排出量規制を達成するため (BMW Groupの現在の平均値は145g/km)、同年までにGroupの排出量を1995年時の半分にするとしている。2013年末には、BMWの電動車両専用サブブランドi の第1号であるコンパクトEV i3 を、2014年初めにはPHVスポーツカー i8を投入する。また、2012年にはトヨタと環境技術に関して協力関係構築の覚書に調印し、リチウムイオン電池、燃料電池車、電動化技術等について共同研究する。

 2012年1-9月の売上高は11.6%増の563.1億Euroで、同期としては過去最高。EBIT (金利・税引前利益) も過去最高で、0.8%増の64億Euro。純利益は2.8%減の39億Euroとなった。2012年通年では、売上高・利益とも前年を超える見込み (2012年9月発表)。

関連レポート:欧州の新型車装備 (1):BMW (2012年9月), 北京モーターショー2012 (4):BMW (2012年6月)

このレポートは有料会員限定です。 残り 7 章
無料会員登録により、期間限定で続きをお読みいただけます。