トヨタ アクア 分解調査 (1)

主要部品サプライヤーと電池関連部品

2012/11/26

要 約

 財団法人埼玉県産業振興公社 次世代自動車支援センター埼玉の主催で、2012年11月6日と7日の2日間、埼玉県北足立郡伊奈町にある埼玉自動車大学校内整備工場においてトヨタの新型ハイブリッド車 アクア(米国名:プリウスc)の車両分解見学会が行われた。

 分解作業は初日にエンジンルームにある昇圧コンバータ付パワーコントロールユニット、ドライブユニット (エンジンおよびハイブリッドトランスアクスル)、後部座席下にある駆動用電池および関連部品を取り外し、翌日にハイブリッドトランスアクスルとPCUを分解、そしてエンジンルーム内のその他部品の取り外しを行った。

 本レポートでは第1弾として主要部品サプライヤーと電池関連部品について紹介する。ドライブユニットと昇圧コンバータ付パワーコントロールユニットについては「トヨタ アクア分解調査(2)」として近く報告する。

関連レポート:
日産リーフ 分解調査 その1 (2012年2月掲載)、
その2
(2012年9月掲載)、
その3 (2012年11月掲載)
新型プリウスの分解実験 (2010年3月掲載)
トヨタ アクア
「東京モーターショー2011」に出展されたトヨタ アクア。
*写真はクリックすると拡大されます。


トヨタ アクアの仕様概要 (詳細はこちら)

車両型式 DAA-NHP10
車体 5人乗り5ドアハッチバック
プラットフォーム ヴィッツ(Yaris)と同様のBプラットフォーム
車両サイズ 全長 3,995 X 全幅 1,695 X 全高 1,445 mm、ホイールベース 2,550mm
車重 車両重量:1,050kg、車両総重量:1,325kg
燃費 35.4km/L (JC08モード)

 

 



主要部品サプライヤー一覧

部品名 サプライヤー
ドライブ
ユニット関連
1.496L 直列4気筒アトキンソンサイクルガソリンエンジン
(最高出力:54kW/74ps、最大トルク:111Nm/11.3kgfm)、
型式:1NZ-FXE
トヨタ (内製)
電動ウォーターポンプ (エンジン冷却用) アイシン精機 (Aisin Seiki)
交流同期 (永久磁石式同期型)モータ
(最高出力:45kW/61ps、最大トルク:169Nm/17.2kgfm)、
型式:1LM
トヨタ (内製)
平角巻き線 (モータおよびジェネレータ用) 古河電気工業 (Furukawa Electric) /
古河マグネットワイヤ (Furukawa Magnet Wire)
モータコア 三井ハイテック (Mitsui High-tec)
駆動モータ用角度センサ (レゾルバ) 多摩川精機 (Tamagawa Seiki)
シフトレバーポジションセンサ パナソニック (Panasonic)
バッテリー
関連
ニッケル水素電池パック プライムアースEVエナジー (Primearth EV Energy)
バッテリーボルテージセンサ
(BMS、バッテリーマネージメントシステム)
デンソー (Denso)
リレー (ハイブリッドバッテリージャンクションブロック)
小型クーリングブロワ トヨタ (内製)
補機バッテリー ジーエス・ユアサ バッテリー (GS Yuasa Battery)
PCU関連 パワーコントロールユニット (PCU) トヨタ (内製)
インバータ
ECU
DC-DCコンバータ 豊田自動織機 (Toyota Industries)
安全関連 ディスクブレーキ アドヴィックス (ADVICS)
ディスクブレーキ用ハーネス 日立電線 (Hitachi Cable)*
エアバッグ用インフレータ ダイセル・セイフティ・システムズ
(Daicel Safety Systems)
ブレーキブースタ用アキュムレータ ニッパツ (NHK Spring)
シートベルト タカタ (Takata)
空調関連 電動コンプレッサ デンソー (Denso)
コンデンサ
ラジエータ、ラジエータファン
内外装関連 コンビネーションメータ
ドアトリム 豊田合成 (Toyoda Gosei)
前方サイドガラス 日本板硝子 (Nippon Sheet Glass)
後方サイドガラス、フロント/リアガラス 旭硝子 (Asahi Glass)
サイドミラー 東海理化 (Tokai Rika)
ヘッドライト 小糸製作所 (Koito)
リアコンビネーションランプ スタンレー電気 (Stanley Electric)
バックドアステー KYB
フロントワイパシステム アスモ (ASMO)
その他 電動パワーステアリング ジェイテクト (JTEKT)
エンジン用エアフィルタエレメント デンソー (Denso)
エンジン用エアフィルタ 豊田合成 (Toyoda Gosei)
排気熱回収器 (オプション) 三五 (Sango)

* 2012年11月に日立金属と経営統合することで基本合意し、2013年4月1日に合併する予定。

 



分解作業前

分解作業前 分解作業前
分解作業を行う埼玉自動車大学校の学生達が分解前にエンジンルームを確認している。 分解作業前のアクアを車両後方から見た写真。
車両前方から床下を見た写真 車両後方から床下を見た写真
車両前方から床下を見た写真。
左側がエキゾーストパイプ、右側が高圧ケーブル。
車両後方から床下を見た写真。
中央左側にある黒い箱状のものが燃料タンク。

 

 



電池および関連部品の取り外し

「人とくるまのテクノロジー展2012」に出展されたニッケル水素電池パックのカットモデル。

後部座席下のカットモデル ニッケル水素電池のカットモデル
後部座席下のカットモデル。
シート下にはフレームで保護されたニッケル水素電池パックが設置されている。ニッケル水素電池の横に見える赤いカバーが付いているのは12Vの補機バッテリー (詳細は後述)。
ニッケル水素電池のカットモデル。
写真左側にある黒く丸い部品が小型クーリングブロワ。

 

電池および関連部品

取り外す前の電池および関連部品 後部座席下の電池を覆っているカバー
取り外す前の電池および関連部品 後部座席下の電池を覆っているカバー
トランクルームから見た、後部座席の下に搭載されている電池および関連部品 (座席は作業前に外されていた)。
電池パックは後部座席下に収納するため小型化し、現行プリウス比で重量が11kg、体積が20%低減している。
中央にある銀色のケースがニッケル水素電池パック。右側に補機バッテリーがあり、その手前に黒く見えるのが小型排気ダクト。
後部座席下の足元にあるカバー。
現行プリウスはニッケル水素電池パックを後部座席後ろのラゲージスペース下に搭載しているが、アクアは後部座席の下に搭載されている。電池はカバーで覆われており、カバーには小型クーリングブロワの吸入口がある (写真右側の格子状の部位)。

 

ニッケル水素電池パック
ニッケル水素電池パック ニッケル水素電池パック
取り外されたプライムアースEVエナジー製のニッケル水素電池パック。
左の写真の中央にある白いカバーで覆われた黒いケースはハイブリッドバッテリージャンクションブロック (リレー類)。
右の写真の電池左端にある黒い部品はサービスプラググリップ。サービスプラググリップはニッケル水素電池パックとPCUを繋ぐ高圧ケーブルが差し込まれており、高圧ケーブルを抜けば電源を遮断することができる。写真ではカバーで隠れているが、サービスプラググリップの左側にあるカプラー (白い正方形が見える部分)にはバッテリーボルテージセンサがある。
左の写真の電池下にある黒いダクトは小型クーリングブロワから取り込まれた空気の吸入口で、電池内ではモジュール間を下から上に流れる。その後、右の写真の電池上部にある隙間から小型排気ダクトを通じて排出される。

 

小型クーリングブロワ 補機バッテリー/小型排気ダクト
小型クーリングブロワ 補機バッテリー/小型排気ダクト
電池を冷却するために空気を送り込む小型クーリングブロワ。ブロワの左下にある長方形の吹き出し口から空気を電池内に送り込む。
サイズはおおよそ縦 200 X 横 150 X 奥行 150 mm。
車両右側の後部座席下に搭載されている補機バッテリーを上から見た写真。補機バッテリー(12V)はジーエス・ユアサ バッテリー製。
補機バッテリーに並んで小型排気ダクト (写真中央の黒色の部品)が通っており、ニッケル水素電池パックを冷却した空気が排出される。

 

ハイブリッドバッテリージャンクションブロック バッテリーボルテージセンサ
ハイブリッドバッテリージャンクションブロック バッテリーボルテージセンサ
リレーで構成されているデンソー製のハイブリッドバッテリージャンクションブロックの拡大写真。
下の白い部分はレジスタ。黒い部分は左から電流センサ、SMRP (プリチャージリレー)、SMRG (プラス側のメインリレー)、SMRB (マイナス側のメインリレー)の順に並んでいる。
デンソー製のバッテリーボルテージセンサの拡大写真。
ニッケル水素電池パックの右側の写真にあった白いカプラー (コネクター)が正面に見える。

 

カバーを取り外したニッケル水素電池パック
カバーを取り外したニッケル水素電池パック カバーを取り外したニッケル水素電池パック
カバーが取り外されたニッケル水素電池パック。左および右写真ともに、矢印は車両前方を指している。
20個のモジュールが配置されており(現行プリウスのモジュール数は28)、セルは1モジュールにつき6個、計120個が搭載されている。電池パックの中央には温度センサがあり、3つのセンサが両端と中央にあるモジュールの温度を監視している。
電池パックのサイズはおよそ縦 300 X 横 600 X 高さ 100 mm。モジュールの幅は約20mm。現行プリウスと比べると、セルの数は48個少なく、容積は29%小型化されている。

 

 



ラジエータの取り外し

ラジエータ
ラジエータ
デンソー製の、エンジン用とインバータ用一体型ラジエータ。右側にあるファンと写真上部にあるエアコン用コンデンサとともに、フロントグリルの裏側に取り付けられる。

                     <自動車産業ポータル、マークラインズ>