PSA:欧州外市場での販売比率を2015年に50%、2020年に2/3に拡大

GMがPSA株を7%取得、包括的な業務提携を締結

2012/06/12

要 約

 PSAの2011年の販売台数は、信用不安の影響で欧州販売が減少し、前年比1.5%減の354.9万台。売上高は、上級モデルの増加により6.9%増の599.1億Euroとなったが、営業利益は26.8%減の13.2億Euro。自動車部門は価格競争の激化、東日本大震災の影響、原材料の高騰などにより、0.9億Euroの営業赤字を計上した (2010年は6.2億Euroの黒字)。

 PSAは今後、欧州外市場での販売拡大、上級モデルや商品力を高めた小型車の投入、調達・固定費の削減、他社との協業等により、業績改善を目指す。

 欧州外市場については、2011年に42%だった販売比率を、2015年までに50%、2020年までに3分の2にまで拡大するとして、新興国事業に注力している。特に中国では、2つの合弁会社(神龍汽車と長安PSA)で生産能力を拡充しており、2015年には合計95万台の年産体制を整備する見通し。

 モデル計画では、Peugeot/Citroenの両ブランドとも上級モデルを投入し、販売構成を改善する。また、2012年には、Peugeotの最量販モデル207の後継車として、車両を大幅軽量化した低燃費の208を投入。4車種のディーゼルハイブリッド車も発売する(ディーゼルハイブリッド車の発売は世界初)。

 PSAは、2011年に16億Euroのマイナスとなったフリーキャッシュフローを改善するため、2012年にはキャッシュ確保の対策を講じる。具体的には、調達・固定費の削減で10億Euro、資産売却により15億Euroを確保するほか、設備投資・R&D費を低減する。

 開発・調達コストの削減のためには、他社との協業も進める。GMとは、2012年2月に資本・業務提携を結ぶことで合意。GMがPSA株の7%を取得し、両社はプラットフォーム・部品・モジュールの共通化や、グローバルな共同部品調達を行う計画。また、BMWとは、2011年10月に電動車両のコンポーネントを開発・生産する合弁会社を設立した。

関連レポートPSA (2011年7月掲載)



新興国市場:中国、中南米、ロシア、インドでの動き

 PSAは、新興国での販売拡大・生産能力拡充を図り、欧州外での販売比率 (2011年は42%) を2015年までに50%、2020年までに3分の2にまで引き上げるとしている。

 中国では、東風汽車と合弁の神龍汽車が第3工場を建設中。2015年の全面稼動時には、神龍汽車の年産能力が3工場合わせて75万台に拡大する。また、長安汽車と合弁の長安PSAでも年産能力20万台の工場を建設しており、2015年にはPSAの中国での年産能力は95万台となる見通し。

 ブラジルでは、2015年までに完成車の年産能力を現行の2倍の30万台、エンジンの年産能力も倍増の40万基に引き上げる。ロシアでは、2012年にPeugeot 508, Citroen DS4を含む6車種を投入し、Peugeot 408のCKD生産も開始する。

 インドについては、2011年2月に再参入の方針を発表し、新工場の建設を計画していたが、2012年1月に計画延期を発表。現在、投資計画の優先度を検討している。

中国:東風汽車との合弁事業 (神龍汽車)

PSAと東風汽車の折半出資の合弁会社、神龍汽車 (Dongfeng Peugeot Citroen Automobile) の2011年販売台数は、前年比7.4%増の40.4万台。2015年の市場シェアの目標は5% (2011年は3.4%)。
新型車投入  C/Dセグメント車の投入:2011年7月にPeugeot の新たなフラッグシップ車である508、10月に中型セダンのPeugeot 308(月販目標6,000台)、2012年3月に中型車 Citroen C4のセダン、5月に同モデルのハッチバックを投入。さらに2012年中に初のSUVを投入予定。
エンジン生産  神龍汽車は2012年5月、湖北省のパワートレイン工場で、PSAが開発した低燃費の EBシリーズエンジン (1.2L 3気筒 直噴ターボエンジン) を生産する工場の建設を開始した。2014年には全面稼動する予定で、年産能力は20万基。
 2012年には3種の新型エンジンを投入する予定。
第3工場  神龍汽車は2011年5月、湖北省武漢市で第3工場の建設を開始。2013年9月の第1期工事完了時の年産能力は15万台、2015年の全面稼動時には30万台となる予定。2015年に3工場を合わせた神龍汽車の年産能力は75万台に拡大する。
販売網  2011年に販売店数が34%増加し、646店となった。

資料:PSA Q1 2012 Sales and Revenue (Presentation), Press Release 2011.10.20, 神龍汽車 Press Release 2012.5.11

中国:長安汽車との合弁事業 (長安PSA)

 PSAと長安汽車の折半出資の合弁会社、長安PSA (Changan PSA Automobiles) は、2011年11月に設立式を開催。初期投資額は、資本金 40億元を含む 84億元 (10.3億Euro) で、現在、広東省深圳市に完成車工場 (年産能力 20万台) とエンジン工場 (同20万基) を建設中。
 長安PSAは、小型商用車と Citroenブランドの DSシリーズの投入に注力する。2012年に DSシリーズの第1号の輸入販売を開始、2013年半ばに第1号の現地生産を開始、2014年末には DSシリーズの 3車種を現地生産、 2車種を輸入販売する計画。市場シェアの目標は 3%。

資料:PSA Full Year Results 2011 (Presentation), Q1 2012 Sales and Revenue (Presentation)

 

中南米:2012年に6車種の新型車を投入

 PSAの中南米市場での 2011年販売台数は、前年比 10.9%増の 32.6万台となったが、2012年 1-3月は 25.3%減。自動車市場の成長率が 2% (ブラジルは 1%) に低下したことや、ブラジルのPorto Real 工場が生産能力増強後、技術的問題により生産再開が遅れたため。2015年の市場シェア目標は 7% (2012年 1-3月は 5.1%)。2011年末の販売店数は 590店 (前年は 568店)。
 中南米市場では、2012年第 1四半期にPeugeot 308を発売。今後、2012年中にさらに 5車種 (Peugeot 508, Citroen C3, DS3, DS4, DS5) を投入し、ラインアップを強化する。
ブラジル:2015年までに完成車の年産能力を30万台、エンジンを40万基に引き上げ
 ブラジルのみの2011年販売台数は、前年比1.2%増の16.8万台であったが、2012年1-3月は24.9%減。
 PSAは、ブラジル市場における成長戦略の一環として、2010-2011年の530百万Euroに続き、2012-2015年にも毎年240百万Euroの設備投資を行うと発表した (2011年10月)。これにより、Porto Real 工場の2015年の年産能力は、現行の約 2倍の完成車 30万台、エンジン 40万基となる。
 PSAは 2012-2015年にブラジルで、Peugeot および Citroenブランドの新モデル 8車種の現地生産・販売を開始する予定。同時期に販売店網も拡大し、2012年の320店から、2015年には480店に増やす計画。

資料:PSA Q1 2012 Sales and Revenue (Presentation), Press Release 2011.10.26

 

ロシア:2011年販売台数は33.9%増の75,000台

 PSAのロシア市場での 2011年販売台数は、前年比 33.9%増の 7.5万台。2012年 1-3月も 22.4%増。2012年1-3月の市場シェアは 3% (前年同期は 2.8%)。
 2011年に Peugeot 308 と Citroen C4 を投入。2012年 3月に Peugeot 508、4月に Citroen DS4 を投入し、同年中にさらに 4車種 (4月にCKD生産を開始したPeugeot 408を含む) を投入。2011年末の販売店数は141店 (前年は128店)。

資料: PSA Q1 2012 Sales and Revenue (Presentation)

 

インド:新工場の建設計画を延期

 PSAは2012年1月、インドでの新工場建設計画を延期すると発表した。2011年の欧州販売急減により、PSAの財務状況が悪化したため、投資の優先順位を調整中としている。PSAは2012年1月開催のDelhi Auto ExpoにPeugeot 508/3008等を出展しており、インド市場を重視していることに変わりはないと述べている。
 PSAは2011年2月、インド市場に再参入すると発表。同年11月に、インド西部の Gujarat州 Sanand で新工場の起工式を開催し、2014年から Peugeotブランド車を生産する予定としていた。投資額は400億ルピー (6.5億Euro) で、年産能力17万台の完成車工場とパワートレイン工場を建設する計画を立てていた。

資料:PSA Press Release 2011.9.1/2011.11.3, Automotive news Europe 2012.1.31

 



モデル計画:上級モデルのCitroen DS5, Peugeot 4008/Citroen C4 Aircrossを投入

 モデル計画では、Peugeot/Citroenの両ブランドとも、これまで比率が低かった上級モデルを投入し、販売構成を改善する方針。2012年には、Citroenの上級モデルであるDSシリーズの第3号、DS5と、三菱RVRベースのOEM供給モデル、SUVのPeugeot 4008/Citroen C4 Aircrossを投入。

 このほか、欧州では激戦区のBセグメントに、Peugeotの最量販車207の後継車として、車両を軽量化して燃費を改善したPeugeot 208を投入。新興国市場向けには、耐熱・耐寒性や悪路走行に優れた小型セダンのPeugeot 301を投入する。4車種のディーゼルハイブリッド車も発売する。

PSA が 2012年に発売する新型車 (Peugeot 208については下表)

モデル 発売年月 概要
*Citroen DS5 2012年1月  中型クロスオーバー。Citroen の上級モデルで、DSシリーズの第3弾。C4のプラットフォームのホイールベースを拡大して使用。1.6L ガソリンエンジンまたは1.6/2.0L ディーゼルエンジンを搭載。ディーゼルハイブリッド Hybrid4 も設定。
*Peugeot 4008/
*Citroen C4 Aircross
2012年
第2四半期
 CセグメントのSUV。三菱 RVR (欧州名 ASX) をベースとするOEM供給モデル。欧州仕様には1.6/1.8Lターボディーゼルエンジンと6速MTを搭載。欧州以外の仕様には、2.0Lガソリンエンジンと5速MTまたはCVTを設定。
Peugeot 301 2012年11月  新興国市場向け小型4ドアセダン。モダンなスタイルに先進的な装備を搭載し、耐熱・耐寒性や悪路走行に優れる。全長4.44m、軸距2.65mで、後席スペースとトランク容量はクラス最大級。1.2L 3気筒ガソリンエンジンのほか、1.6Lのガソリンおよびディーゼルエンジンを搭載。スペインのVigo工場で生産し、トルコを皮切りに、中東欧、ロシア、ウクライナ、ギリシャ、マグレブ、中東、アフリカ、中南米に順次投入する。
資料:PSA Press Release 2012.5.24, PSA Full Year Results 2011 (Presentation), Q1 2012 Sales and Revenue (Presentation)
(注) 1.  * が付いたモデルは、PSAが上級モデルとして投入するモデル。
2. 上記以外に上級モデルに含まれるのは、A, B, C セグメントでは Peugeot 206CC/207CC/308CC/3008/RCZ, Citroen DS3/DS4, D, Eセグメントでは、Peugeot 508/407/607/4007, Citroen C5/C6/DS5/C-Crosser。

 

Bセグメントの中核モデル Peugeot 208 を 2012年 3月に発売

モデルの概要  Peugeot の最量販車207の後継車で、Bセグメントの中核モデル。3ドア・5ドアハッチバック。 車両重量は 207 より 110kg軽量化。全長は 7cm短いが、後席の足元スペースは 5cm、荷室容量は 15L (VDA測定法) 大きい。2010年秋発売の新型 508 が使用する Peugeot の新デザイン言語を採用し、シンプルで流麗なスタイル。
エンジンと
環境性能
 新開発の 1.0/1.2L 3気筒ガソリンエンジン (フランス・Tremery工場で生産) を搭載。1.0L エンジン搭載モデルの欧州複合モード燃費は 4.3L/100km、CO2排出量は 99g/km。ディーゼルエンジンとマイクロハイブリッドシステム e-HDi (アイドリングストップ機構)を組み合わせたモデルでは、欧州複合モード燃費は3.4L/100km、CO2排出量は87g/km。
開発  350百万Euroを投資し、約500人が 4年間かけて開発した。
生産  フランスの Poissy工場に 150百万Euro を投資して、2012年 1月から生産を開始した。立ち上げ時の人員は 700人。さらに Mulhouse工場にも 100百万Euro を投資して、2012年夏から 208 の生産を開始する。
 2013年からは、中東欧市場向けにスロヴァキアの Trnava工場、中南米市場向けにブラジルのPorto Real工場でも生産を開始する予定。
販売目標  2013年に世界で 55万台 (欧州で 42万台) を販売する計画。

資料:PSA Press Release 2012.1.27, Automotive News Europe 2012.5

 

PSA:2012年上期にディーゼルハイブリッド車を4車種発売

 PSAのディーゼルハイブリッドシステム Hybrid4は、前輪を2.0L 4気筒ターボディーゼルエンジン(最高出力163hp・最大トルク300Nm)で、後輪をモータ(同37hp・200Nm)で駆動する。変速機は6速EGC (Electronically Controlled Gearbox = AMT: Automated Manual Transmission)。三洋電機製のニッケル水素電池を搭載。次の4つの走行モードを選択できる。(1)AUTO:燃費が最適になるようエンジン走行とモータ走行を自動で切り替える (2)ZEV:35-37mphまでモータのみ使用 (3)4WD:エンジンとモータを両方使用する4輪駆動で牽引力を最大限にする (4)SPORT:エンジンとモータを適宜使用してレスポンスを高める。
Peugeot 3008 Hybrid4  世界初のディーゼルハイブリッド車。欧州複合モード燃費は74.4mpg、CO2排出量は99g/km
Peugeot 508 RXH Hybrid4  同 68.9mpg, 107g/km
Peugeot 508 Hybrid4  同 78.0mpg, 95g/km
Citroen DS5 Hybrid4  Citroen ブランド車として初めてHybrid4を設定。同 74.3mpg, 99g/km

資料:Peugeot 英国サイト, Citroen 英国サイト
(注) 上記の "mpg" はマイル/英ガロン。1マイル/英ガロン = 0.8326 マイル/米ガロン。

 

 



フリーキャッシュフローの改善を目指す2012 Action Plan

 PSAは、2011年に、16億Euroのマイナスとなったフリーキャッシュフローを改善するため、2012年は、キャッシュ確保を目的とするAction Planを実施する。具体的には、調達費の削減で4億Euro、固定費の削減で6億Euro、資産売却により15億Euroを確保する。また、インドでの工場建設計画を延期するなど、投資計画の予定を変更し、設備投資・R&D費を削減する。

PSAの2012 Action Plan (2012年2月発表)

コスト削減 2012年のコスト削減計画を 8億Euro(2011年11月発表)から10億Euroに引き上げ
  調達で 4億Euroを削減(既に 80% を達成)
  固定費の削減額を 4億Euroから 6億Euroへ拡大
  (SG&A で 3億Euro、R&D で 1億Euro、生産で 2億Euro)
投資の優先順位を設定 自動車部門の設備投資および R&D費を 2012年に低減
  インドでの新工場建設を延期
  一部の生産能力拡充計画を延期
  収益性の低いプロジェクトを中止
資産売却 2012年に資産売却により15億Euroを確保
  CITER (傘下のレンタカー会社) を売却済み  売却額4.4億Euro (債務の返済に充当)
  パリ本社ビルの売却合意 売却額2.45億Euro
  GEFCO (傘下の物流会社) の株式を売却予定

資料:PSA Q1 2012 Sales and Revenue (Presentation)

 



他社との協業により開発・調達コストを削減

GMと資本・業務提携を締結

 PSAは2012年2月、GMと資本提携を含む長期的・包括的な業務提携を結ぶことで合意した。GMがPSA株の7%を取得する一方、両社は、プラットフォーム・部品・モジュールの共通化や、グローバルな共同部品調達を行う合弁会社の設立について提携。共同プラットフォームを使用した新型車は、2016年までに発売する計画。

PSAとGM:資本・業務提携を締結へ

業務提携  PSAとGMは、2012年2月、長期的包括提携を締結することに合意。主に (1)プラットフォーム・部品・モジュールの共通化、(2)グローバルな共同部品調達を行う合弁会社の設立(両社合計の年間調達額 は約 1,250億ドル) の2点について提携する。共同プロジェクトは2012年末までに開始する予定。
資本提携  業務提携に伴い、PSAは10億Euroを増資し、GMがその一部を引き受けることにより、資本提携も結ぶ。GMはPSAの株式の7%を取得する予定で、Peugeot家に次ぐ第2位の大株主となる。
共同プロジェクト  両社は、共同プラットフォームを使用した新型車の第1号を、2016年までに発売する。2012年3月には5つの作業グループを発足。各作業グループは、(1)大型セダン (2)車室が広い小型車 (3)中南米を中心とする新興国市場向けの小型車 (4)低排出ガスの小型車等のプラットフォームと、(5)DCTギアボックスの共同開発に従事する。
 物流に関しては、PSA傘下のGefcoが、欧州とロシアでGMに物流サービスを提供する。
提携効果  提携によるシナジー効果は、5年以内に、毎年約20億ドル(両社折半する)に上る見込み。

資料:PSA Press Release 2012.2.29/2012.3.23

 

BMWとの電動車両事業の合弁会社が操業開始

 PSAとBMWは、2011年10月に電動車両のコンポーネントを開発・生産する合弁会社を設立。まず、ドイツに設置した研究開発センターの操業を開始した。工場はフランスに置き、2015年から生産を開始する計画。

 両社は、これまでにも提携事業を行っており、2002年から4気筒ガソリンエンジンを共同開発して、現在までに180万基を生産。2010年2月には、次世代4気筒エンジンについても共同開発することで合意している。

PSAとBMW:電動車両事業の合弁会社が始動

合弁会社設立  PSAとBMWは、2011年10月、HVおよびEVのコンポーネントを開発・生産する合弁会社 BMW Peugeot Citroen Electrificationを設立し、操業を開始した。両社の投資額は合計1億Euro。高電圧のバッテリー、電気モータ、ジェネレーター、パワーエレクトロニクス、エネルギー管理用ソフトウェアの開発・生産を手掛ける。他社にもハイブリッドシステムを販売する。
R&D Centre  操業を開始した R&D Centre (ドイツ・Munich) は、2011年末までにエンジニアを中心として400人を雇用し、HV/EVのコンポーネントを開発・設計する。
生産拠点  生産拠点はフランス・Mulhouseに置き、2015年から生産を開始する計画。生産立ち上げ時には250人体制とする。

資料:PSA Press Release 2011.10.25

 



2011年の世界販売は1.5%減の355万台、2012年1-3月は14.3%減の79万台

 PSAの2011年販売台数(CKDセット含む)は、前年比1.5%減の354.9万台。信用不安により欧州での販売が6.2%減の206.0万台となったが、中南米では10.9%増、中国では7.4%増、ロシアでは33.9%増。2011年の欧州外における販売は、全体の42%を占めた。

 2012年1-3月の世界販売台数は、前年同期比14.3%減の79.0万台。欧州では、販売の6割を占める南欧市場(フランス以南)が縮小し、20.2%減。ロシアと中国では販売が増加したが、中南米では需要鈍化とブラジル工場での一時生産中止により25.3%減少した。

 モデル別では、2011年に発売した上級モデルのPeugeot 508、Citroen DS4が好調で、販売台数に占める上級モデルの比率は18%に拡大(2010年は13%)。2012年1月に発売した上級モデルCitroen DS5の販売も好調に推移している。

PSA の地域別世界販売台数

(1,000台)
2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2011年
1-3月
2012年
1-3月
欧州 2,542 2,231 2,159 2,195 2,060 575.5 459.4
ロシア 37 59 42 56 75 15.6 19.1
中南米 266 263 232 294 326 69.6 52.0
中国 209 179 272 376 404 102.6 109.1
その他 181 219 141 204 226 50.8 51.9
完成車合計 3,234 2,952 2,846 3,125 3,091 814.1 691.5
CKD合計 195 308 342 477 458 107.3 98.6
世界販売 3,428 3,260 3,188 3,602 3,549 921.4 790.1

資料:PSA Full Year Results 2011 (Presentation), Q1 2012 Sales and Revenue (Presentation)

 

PSA:欧州におけるモデル別販売台数

Peugeot ブランド

(台)
2010年 2011年 2011年
1-3月
2012年
1-3月
107 106,749 85,893 26,876 21,842
206 121,695 84,057 34,807 13,274
207 310,098 245,649 74,115 58,106
208 4,673
308 180,575 155,227 44,376 37,626
3008 117,422 115,896 31,674 27,339
4008 52
5008 71,672 69,954 19,141 14,722
407 29,044 4,886 3,635 104
508 727 85,699 10,951 24,179
807 5,562 6,198 1,707 1,302
4007 5,455 3,566 992 578
RCZ 11,909 15,742 4,795 3,264
iOn 33 1,926 262 393
Bipper 10,827 7,661 2,627 1,373
Partner 40,108 35,496 10,734 8,830
Expert 4,335 5,283 1,330 1,107
その他 2,919 1,772 498 316
Total 1,019,130 924,905 268,520 219,080

Citroen ブランド

(台)
2010年 2011年 2011年
1-3月
2012年
1-3月
C1 102,023 82,965 24,468 19,063
C3 230,093 181,868 56,247 43,873
DS3 53,223 72,870 20,075 18,060
C3 Picasso 76,501 65,095 20,804 15,534
Xsara 25,639 5,026 3,161 16
C4 71,519 113,379 33,546 28,725
DS4 113 22,989 290 8,861
C4 Picasso 119,141 104,628 30,825 23,280
C4 Aircross 349
C5 74,679 61,686 17,703 12,048
DS5 5,029
C8 5,435 5,437 1,482 991
C-Crosser 6,972 4,322 1,092 572
C-ZERO 35 1,830 356 312
Nemo 11,949 7,739 2,627 1,111
Berlingo 53,847 46,735 13,459 12,631
その他 12,429 8,062 1,845 1,559
Total 843,598 784,631 227,980 192,014
PSA Total
PSA合計 1,862,730 1,709,540 496,501 411,094
資料:Automotive News Europe 2012.3/2012.5
(注) 1. 対象範囲は欧州29カ国。商用車として登録された車は含まない。
2. PSA 合計には、各ブランドに含まれていないその他モデルが数台含まれている。

 

 



自動車部門は2011年に0.9億Euroの営業赤字、2012年1-3月の売上高は13.7%減

 PSAの2011年売上高は、前年比6.9%増の599.1億Euroとなったが、営業利益は26.8%減の13.2億Euro。上期は1.8%増の11.6億Euroだが、下期は欧州の債務危機の影響で1.6億Euroに急減。自動車部門の売上高は、上級モデルの比率拡大により3.2%増加したが、営業利益は、A/Bセグメントの価格競争激化、市場構成、東日本大震災による部品供給停止、原材料の高騰などにより、0.9億Euroの赤字に転落 (2010年は6.2億Euroの黒字。)

 2012年1-3月の売上高は、前年同期比7.3%減の142.9億Euro。自動車部門は、需要減、市場構成、欧州における価格競争等により、13.7%減の97.2億Euroにとどまった。

 2012年の市場規模について、PSAは、欧州市場 (30カ国) は5%減 (フランスでは10%減)、欧州外市場では中国で7%増、南米で6%増、ロシアで5%増と予測。PSAの通期の業績予測は明らかにしていないが、資産売却等により、純負債は大幅に減少する見込みとしている。

PSA の連結業績

(100万Euro)
2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2011年
1-3月
2012年
1-3月
Sales and
Revenues
製造販売部門
(内数)自動車部門
61,734
45,519
57,190
41,643
50,445
38,265
58,552
41,405
62,682
42,710
16,202
11,262
14,951
9,719
金融部門 1,999 2,088 1,823 1,852 1,902 470 496
その他部門・消去 (5,057) (4,922) (3,851) (4,343) (4,672) (1,258) (1,158)
合計 58,676 54,356 48,417 56,061 59,912 15,414 14,289
Recurring
operating
income
製造販売部門
(内数)自動車部門
1,144
858
(7)
(225)
(1,187)
(1,257)
1,289
621
783
(92)
金融部門 608 557 498 507 532
合計 1,752 550 (689) 1,796 1,315
Net profit 885 (343) (1,161) 1,134 588
Operating
margin
Consolidated 3.0% 1.0% -1.4% 3.2% 2.2%
Automobile 1.9% -0.5% -3.3% 1.5% -0.2%
資料:PSA Full Year Results 2011 (Presentation), Q1 2012 Sales and Revenue (Presentation)
(注) 1. 製造販売部門は、自動車部門のほか、物流会社の Gefco (2011年売上高は 37.82億Euro), 部品製造の Faurecia (同 161.90億Euro) を含む。
2. Recurring operating income は、PSA が2007年から使用している経営指標 (Operating income から Non-recurring operating income を差し引いたもの)。

 

PSA の自動車部門:2011年営業損益の増減要因

(100万Euro)
増減益効果
Operating environment Market demand volume (1,044) 37
Fukushima impact (250)
Input cost (743)
Forex 88
Performance Product mix 331 678
Pricing & product enrichment (506)
Market share & volumes (204)
Production & procurement 557
SG & A (50)
R&D (165)
Other 21
Total (713)

資料:PSA Full Year Results 2011 (Presentation)
(注) 自動車部門の営業損益は、2010年は 621百万Euro の利益、2011年は92百万Euroの損失 で、713百万Euro の減益。

                     <自動車産業ポータル、マークラインズ>