中国メーカーの欧州販売動向
シェアは10%近く、BYDの販売台数は5倍超
要約
マークラインズの生産/販売台数データによると、2025年上半期(1~6月)の欧州主要国の新車販売台数は合計896.2万台で、前年同期比4.6%減となった。このうち中国メーカーの販売台数は前年同期比2.3%減の87.2万台で、市場全体の9.7%を占めている。ロシアが依然として中国メーカーの最大の輸出先で、前年同期で販売台数は減少したものの、市場シェアは安定している。英国、スペイン、ドイツなど西欧で販売増となり、特にスペインは前年同期比でほぼ倍増となった。パワートレイン別でみると、PHVやHVの増加が顕著である。
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注:欧州主要国には、ロシア、英国、ドイツ、スペイン、イタリア、トルコ、スウェーデン、フランス、ポーランド、オランダ、ベルギー、ノルウェー、オーストリア、ポルトガル、デンマーク、スイス、ギリシャ、チェコ、フィンランド、アイルランド、ルーマニア、ハンガリー、クロアチア、スロバキア、スロベニア、ルクセンブルク、ブルガリア、エストニアが含まれる。
吉利控股集団(以下、吉利)はVolvoブランドの寄与により、中国メーカーの欧州販売台数で首位を維持した。しかし、ロシア市場での落ち込みにより、2024年は前年比14.4%減となった。2位の奇瑞集団(以下、奇瑞)も、前年比12.2%減。販売台数は減少したものの、スペインやトルコでの生産や研究開発センターの建設を積極的に推進している。
ロシア市場に本格参入していない上汽集団(以下、上汽)とBYDは、同国での市場変化の影響が少なく、前年同期比10.5%増、422.0%増と伸びている。BYDは欧州市場への投資を急速に拡大している。同社はハンガリーで欧州本部を設置し、工場の建設を開始するとともに、研究開発プロジェクトも複数展開し、現地化を加速している。
注:本レポートにおける生産/販売台数は、マークラインズデータに基づく。