デトロイトモーターショー2017に出展したどのメーカーにも言えることがだが、日韓中のアジアメーカーは米国市場の発展に貢献していることを終始アピールしていた。トヨタは2022年までに100億ドルを米国に投資すると発表した。ホンダは米国で2016年に販売した台数の96%は北米で生産されたと述べた上で、新型モデルに搭載する10速ATをジョージア州タラポーザ(Tallapoosa)工場で生産することを発表した。日産は2016年には100万台以上の車両を米国で生産したこと、1981年より米国に110億ドルの投資を行ってきたことを強調した。モーターショーの後で、現代-起亜(Hyundai-Kia)は、今後5年間で、米国に31億ドルを投資すると発表をした。これまでは主に中国市場に目を向けていた広州汽車(GAC)も、2017年にシリコンバレーに研究開発施設を設立すると発表。
トヨタはLexus UX、日産はVmotion 2.0、Infiniti QX50、広州汽車はEnSpiritと、日中メーカーは、デトロイトでコンセプトモデルを披露した。いずれも今後、量産モデルに適用すべきスタイリングのテーマが表されている。また、アジアのメーカーが出展する量産モデルは共通して、米国市場に焦点を置いたものになっている。例えば、トヨタの新型Camryは、スポーティーなデザインのグリルが印象的だが、幅広い客層を持つこのブランドのイメージとは切り離されている。ホンダのOdysseyは、広い室内で離れて座る乗員同士を「つなぐ」ための、「つながる」機能を紹介した。広州汽車は米国市場への参入を意識して、SUVとクロスオーバーを出展。日産はRogue Sportが米国のコンパクト・クロスオーバー市場でも成功することを期待しての出展であった。起亜はStingerで、これまで伝統的に欧州メーカーが優勢だったセグメントへ進出しようという意欲を見せている。
本レポートはデトロイトモーターショーを取材した3本のレポートの3本目で、トヨタ、日産、広州汽車、起亜、ホンダなどのアジアメーカーが出展したモデルを紹介する。米国および欧州メーカーが出展したモデルを紹介したレポートは掲載済みである。 |
 Toyota Camry XSE Trim |
 起亜 Stinger |
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