BYD (比亜迪) の事業戦略:EV/PHVのグローバル拡販体制を強化
ダイムラーと共同開発のEVの生産販売を開始
2014/10/27
- 要 約
- BYDの最近の販売状況は伸び悩み
- PHV中国市場シェアは首位、好機到来
- 自動車事業は低収益ながら、営業外収益で黒字を維持
- グローバル自動車事業方針
- BYD自動車新技術
- モデル計画: 現行のEV/PHV乗用車/EV大型バスに加え、EVトラック等追加へ
- EVバス/EVタクシーを公共交通向けにグローバル展開
要 約
本レポートは、EV/PHVの技術で中国自動車メーカーのトップに立つBYD (比亜迪股份有限公司) の自動車事業に関する最新の事業方針、保有している自動車新技術、乗用車ならびに商用車の新車投入計画 (中期モデル計画)の最新動向を報告する。
BYDの自動車販売は伸び悩み
近年、BYDの自動車販売は全体が伸び悩んでいる。2008年、2009年と急成長して2010年には50万台の販売を達成したが、その後50万台前後の販売にとどまり、市場の拡大に追いついていない。
PHV中国市場シェアは首位
一方で、BYDは2014年上半期 (1~6月) において、中国の次世代自動車市場シェア (EV/PHV/FCV合計、LNG/CNG等の代替燃料車を含まない) は約37%に達してトップクラスになっている。うち、PHVセグメント市場では60%超えて首位になっている。
自動車事業は低収益ながら、営業外収益で黒字を維持
2013年の売上高は528億元、営業利益は1.1億元で営業利益率は0.2%だった。しかし、7.8億元の営業外収益があったために、最終損益は7.8億元の黒字になった。
新技術開発とその搭載モデルの投入計画
BYD は次世代の総合自動車技術として 「542 Technology」 を掲げ、EV/PHV 技術を活用し競争力のあるモデルの投入を計画している。
Daimlerと共同で開発した初モデル、EV乗用車の生産販売も開始
BYD とDaimler と折半出資した合弁開発会社 (深圳市) が、共同で開発した初モデル、「騰勢 EV 2box」 EVハッチバックを、BYDの深圳工場で生産を開始。2014年9月から上海を皮切りに (予約) 販売を開始した。
EVで公共交通車両電動化をグローバル展開に加え、PHV/EV拡販を更に加速
独自の車載用二次蓄電池技術やPHV動力システム技術を有するBYDは、タクシーや公共バスなどの公共交通車両の電動化に向けて、ソリューション・ビジネスをグローバル規模で展開中。
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◇2014年北京モーターショー取材: BYDの展示 (2014年5月掲載)
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