トヨタ:北米とアジアで拡大、米国で2013年に220万台販売を計画

タイで近い将来に生産能力100万台体制、インドネシアに13兆ルピアを投資

2013/02/26

要 約

 本レポートは、トヨタが今後拡大を見込む北米地域およびアジア(重点地域としてタイとインドネシア)の計画と、トヨタの2012年度4~12月期決算発表での2012年度業績予想の上方修正を報告する。

 トヨタの2012年度連結販売台数は、2011年度の735万台から885万台へ150万台増加する見込みだが、増加分のうち北米で58万台を、中国を除くアジア地域で38万台を実現する見込み。

 
 北米地域では、2012年の米国販売が208万台、シェア14.4%に回復した。2013年は220万台販売を計画。また2012年北米での生産は177万台で過去最高。さらに2014年初めまでに13万台生産能力を増強し、2015年夏からはマツダのメキシコ工場から5万台の小型車の供給を受ける計画。また米国からの輸出を強化しており、2012年に12.4万台を輸出した。

トヨタグループのタイとインドネシアでの販売台数  アジア地域は、ここ数年トヨタの最大かつ最も安定した収益源として貢献している。2012年4~12月期の所在地別営業利益では、アジアが2,863億円で最大。
 タイでは、2012年に2直定時67万台の設備能力で89万台を生産した(過去最高は2010年の63万台)。近い将来に100万台の生産体制を構築すると発表した(2012年11月発表)。2013年央に、現在建設中のゲートウェイ第2工場でタイ国版のエコカーの生産を開始、2015年には次期型IMVを発売する。

 インドネシアでは、2014年に、トヨタが25万台、ダイハツが45万台の生産体制を構築する。今後5年間に、トヨタグループ6社で13兆インドネシアルピア(2013年2月中旬時点の為替レートで1,430億円)を投資すると発表した(2012年11月発表)。

 トヨタグループは、インドネシア政府のLCGC(ローコスト・グリーンカー)政策に合わせて、トヨタは2013年初めから小型車(エティオスベース車とされる)を、ダイハツは2012年末からダイハツ・アイラとトヨタ・アギアを生産する計画であった。しかし2013年2月中旬時点でインドネシア政府の正式発表がなく、本格生産は開始されていない。


 2月に発表した2012年度連結営業利益予想については、2012年11月発表から1,000億円上乗せし、1兆1,500億円とした。また単独決算も、2008年度以来となる営業黒字(1,500億円)の見込み。2013年1~3月期の為替レートを、1ドル84円、1ユーロ110円と慎重な見方をしているので、利益がさらに上乗せされる可能性が高い
(2月中旬時点で、1ドルは90円台前半)。


関連レポート:
トヨタ:販売と収益が本格回復、2013年に991万台販売を計画(2013年1月掲載)
トヨタの海外事業:北米と新興国の生産能力を増強(2012年5月掲載)

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