欧州と韓国自動車メーカーのHEV/EV計画

各社が2011~2013年からHEV/EVの量産を開始、CFRP採用が拡大

2011/08/30

要 約

 以下は、欧州自動車メーカー5社と韓国の現代自動車のHEV(Hybrid Electric Vehicle)、EV(Electric Vehicle)、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、FCEV(Fuel Cell Electric Vehicle)の開発・発売計画の概要である。

 Renaultを除き、各社は既に2車種以上の電動車両を投入しており、新たな電動車両発売を発表している。なかでもBMW、VW、Renaultの3社が、2011~2013年の間に本格的量産を開始する計画。

 BMWは、サブブランド"i"を設立し、2013年からEV" i3"と、PHEV" i8"を量産する。i3とi8は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP、Carbon Fiber Reinforced Plastics)を本格的に採用する。

 VWグループは、Audiブランドで3車種、VWブランドでJetta、Golf、Passatの量販モデルにHEVを設定し、現在欧州ではニッチ市場にとどまるHEV市場を大幅拡大する。EVにおいても、2013年からUp!、Golf、JettaのEVを発売し、マスマーケット商品に育てる方針とされる。

 Renaultは2011年に3車種、2012年に1車種のEVを発売し、2013年にEVを10万台販売する計画。

 Daimlerは、Smart fortwo Electric DriveからS-Class PHEVまで、幅広く電動車両を開発している。様々な走行実験を行い、それぞれの電動車両の市場での受容性を調査・確認している。

 PSAは2011~2012年に、ディーゼルHEVをPeugeot 3008など3車種に搭載する。

 現代自動車は、2011年にHyundai Sonata/Kia OptimaのフルHEVを発売した。

 なお、自動車メーカー同士の提携、または自動車メーカーと部品メーカーの提携が拡大している。BMWとPSAはHEV用部品の開発・生産をする合弁会社を設立した。BMWとDaimlerは、それぞれ専門メーカーとCFRP部品を開発・生産する合弁会社を設立、VWはCarbon Fiber大手のSGL Carbonに8.2%出資した。Daimlerは、EV用モーターの開発・生産でBoschと提携した。

このレポートは有料会員限定です。 残り 6 章
無料会員登録により、期間限定で続きをお読みいただけます。