(株) パイオラックス 2014年3月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万円) |
2014年 3月期 |
2013年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 54,712 | 48,476 | 12.9 | -顧客からのニーズを確実に補足し、北米や新興国を中心とした拡販活動を継続的に推進。 |
営業利益 | 7,566 | 5,189 | 45.8 | -一層の合理化を推進。 |
経常利益 | 8,441 | 5,776 | 46.1 | |
当期純利益 | 5,722 | 3,757 | 52.3 | |
自動車関連事業 | ||||
売上高 | 51,413 | 45,577 | 12.8 | -新興国を中心としたグローバル拡販を積極的に推進。 |
営業利益 | 8,052 | 5,775 | 39.4 | - |
拡販
<インド>-インドで現代自動車への販売を拡大する。現代自のインド、トルコ生産車向けに、グローブボックス用開閉機構部品の生産を2014年にも始める。インドではファスナー類を現代自に納入しているが、開閉機構部品を韓国以外で受注したのは初めて。12年6月に稼働したインド生産拠点「パイオラックス インディア」 (チェンナイ市) で開閉機構部品を生産し、グローブボックスのメーカーなどを経由して現代自のインド、トルコ両工場で生産される小型車用に納入する。 (2013年12月19日付日刊自動車新聞より)
<日本>
-日産自動車と三菱自動車が共同開発した新型軽自動車で、三菱自との取引を大幅に拡大した。これまで三菱自との取引はわずかな数量にとどまっていたが、日産との共同開発車とあって積極的な営業活動を展開し、採用品目が広がった。三菱自向けのファスナーはこれまで、競合他社のシェアが高く、取引量が少なかった。今回の新型軽では改めて営業活動を強化した結果、受注品目の拡大とともに、受注額が従来の4、5倍に拡大した。 (2013年6月18日付日刊自動車新聞より)
事業計画
-グローブボックス用開閉機構の軽自動車向けの売上高を2017年3月期に2014年3月期の2倍にあたる年間2億円に引き上げる。独自設計の新製品の採用車種が増える見通し。需要が高まっている軽自動車向けの販売を増やし国内売上高の維持につなげる。新開発した軽自動車用グローブボックスの開閉機構は、ロック機構の位置を従来のボックスの中央から左右に変更し、見栄えや収納を改善した。軽自動車にはこれまでほとんど採用されてこなかったダンパー機構を組み合わせてソフトに開閉できるようにし高級感も引き出した。軽自動車メーカー各社から受注しており、生産量が増えていく見通しだ。 (2014年6月25日付日刊自動車新聞より)-2013年6月、2016年3月期までの中期経営計画を発表した。
骨子は以下の通り、
- 2016年3月期の連結売上高目標は2013年3月期比23.7%増の600億円、営業利益は同38.7%増の72億円。
- 2016年3月期の連結売上高に占める海外比率を2013年3月期の38%から58%に高める。
- 2016年3月期の連結売上高に占める日産圏への依存度を45%に引き下げる。
2015年3月期の業績予想 |
(単位:百万円) |
2015年3月期 (予測) |
2014年3月期 (実績) |
増減率 (%) | |
売上高 | 56,600 | 54,712 | 3.5 |
営業利益 | 6,900 | 7,566 | (8.8) |
経常利益 | 7,500 | 8,441 | (11.1) |
当期純利益 | 4,600 | 5,722 | (19.6) |
>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)
開発動向
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2014年3月期 | 2013年3月期 | 2012年3月期 | |
全社 | 714 | 707 | 605 |
自動車関連 | 426 | 388 | 390 |
研究開発体制
-設計部、各事業部の開発グループ、および子会社の (株) パイオラックスメディカルデバイスの開発部門により推進。研究開発拠点
拠点名 | 所在地 |
横浜テクニカルセンター | 神奈川県横浜市 |
<韓国>
-2013年7月、韓国子会社Piolax Co., Ltd.は、仁川経済自由区域 (Incheon Free Economic Zone) 内に生産拠点および研究開発拠点を建設する投資契約を締結した。投資額は1,000万米ドルで、2014年の上半期から稼働開始する。
研究開発活動
精密ばね関連-変速機、エンジン補器等に用いられるコイルばね等の廉価材材料開発および採用。
-応力や拳動等の解析技術を駆使した最適設計により、変速機ユニットの小型・軽量化・低コスト化に寄与する製品の量産化。
-変速機ユニットへの組付け作業を容易にした複合ばねの開発拡大。
-客先組立工場との連携を密に取り、客先組立工場の意見と同社製品の最適形状を盛り込んだ商品の開発。
-国内自動車メーカー等との開発拡大と共に、新興国の自動車メーカーとの新たな開発・量産化の拡大。
工業用ファスナー関連
-原価低減、作業性改善、品質向上等の課題を解決するため、薄板から厚板まで使用できる製品、取付け力の低減等による車体への組付作業を容易にした製品、高強度な締結機能を有する製品、廃車後の車体解体作業の作業性向上を考慮した製品などが標準タイプとして新型車よりグローバルで横展開している。
-環境問題へ対応した燃費改善のための軽量化取り組み。
-利便性を向上させた内装部品のネットフック等の開発。
小型ユニット関連
-グローブボックスにおいては、ロックハンドルの機構部の樹脂化、サイドロックの開発、ソフトオープンさせるためのダンパーの開発を実施。この結果、国内全乗用車メーカー、海外でも多くの乗用車メーカーで採用されている。
燃料系関連
-樹脂タンク用バルブとしてロールオーバーバルブ、インレットチェックバルブを中心として性能向上、コスト低減を狙った開発を進め、新規顧客、新規車種への採用が拡大。これに伴い、タイ、中国など海外子会社での生産も拡大。
-金属タンク用バルブとしては、性能向上、コスト低減を狙った標準部品や複合機能部品ならびに各国法規対応の新規部品開発を進め、新規顧客への採用が拡大。
-燃料供給ユニット関係の部品は、2輪車が燃料噴射装置の搭載を増加させているための需要拡大に伴い、採用が増加。
-環境問題に対しては、代替燃料に対応した製品、ハイブリッドに対応した製品を拡大。
その他
-電気自動車 (EV) やハイブリッド車 (HEV) 向け部品について、銅材料や難燃性樹脂材料を用いてバッテリーやモーター関連の構成部品が採用された。
-環境問題に対して、欧州廃車指令、欧州ROHS規制の管理を継続するとともに、日本自動車工業会の環境負荷物質に関する自主規制 (車室内VOCの規制等) に対応した活動を推進。欧州REACH規則に対応する取り組みでは、欧州拠点との連携を図って進めている。
-製品価格の低減として、海外廉価材の採用を検討。金属材料および樹脂材料の機械的性質や性能評価を行い、製品への適用を増やす研究を続けている。
技術導入契約 |
(2014年3月31日現在) |
相手先 | 契約品目 | 契約内容 | 契約期間 |
Norma Germany GmbH (ドイツ) |
自動車用燃料給油関連部品 | 特許実施許諾 | 1995年9月18日から2000年8月17日まで 以後1年毎の契約更新 |
Norma Germany GmbH (ドイツ) |
樹脂製燃料タンク関連部品 | 特許実施許諾 | 上記本契約に追加 |
Norma Germany GmbH (ドイツ) |
樹脂製燃料タンク関連部品 | 特許実施許諾 | 2001年12月13日から2006年12月12日まで 以後1年毎の契約更新 |
技術供与契約 |
(2014年3月31日現在) |
相手先 | 契約品目 | 契約内容 | 契約期間 |
三加産業股份有限公司 [KHK of Taiwan,Inc.] (台湾) |
金属・樹脂ファスナー | 製造技術の援助契約 | 1987年10月6日 から2007年10月5日まで 以後5年毎の契約更新 |
台湾厚木工業股份有限公司 [Taiwan Atsugi Co., Ltd.] (台湾) |
プレッシャースプリング、 トーションスプリング、 バルブスプリング |
自動車クラッチ用プレッシャースプリングおよびトーションスプリング、エンジン用バルブスプリング製造の技術援助契約 | 1978年11月1日 から2003年11月29日まで 以後5年毎の契約更新 |
Piolax Corp. (米国) |
自動車、電子工業などに使う 各種プラスチック精密クリップ、 各種精密スプリング、 関連組み立て部品等 |
ライセンス技術、 エンジニアリング、 およびマーケティング・ サービス契約 |
1993年4月1日から無期限 |
Piolax Ltd. (英国) |
自動車、電子工業などに使う 各種プラスチック精密クリップ、 各種精密スプリング、 関連組み立て部品等 |
ライセンス技術、 エンジニアリング、 およびマーケティング・ サービス契約 |
1995年8月8日から無期限 |
Piolax Co., Ltd. (韓国) |
自動車、電子工業などに使う 各種プラスチック精密クリップ、 各種精密スプリング、 関連組み立て部品等 |
ライセンス技術、 エンジニアリング、 およびマーケティング・ サービス契約 |
1996年6月20日 から2006年6月19日まで 以後1年毎の契約更新 |
Piolax (Thailand) Ltd. (タイ) |
自動車、電子工業などに使う 各種プラスチック精密クリップ、 各種精密スプリング、 関連組み立て部品等 |
ライセンス技術、 エンジニアリング、 およびマーケティング・ サービス契約 |
2000年8月10日から無期限 |
東莞百楽仕汽車精密配件有限公司 [Dongguan Piolax Co., Ltd.] (中国) |
自動車、電子工業などに使う 各種プラスチック精密クリップ、 各種精密スプリング、 関連組み立て部品等 |
ライセンス技術、 エンジニアリング、 およびマーケティング・ サービス契約 |
2004年7月1日 から2014年6月30日まで 以後1年毎の契約更新 |
Piolax Mexicana, S.A. de C.V. (メキシコ ヌエボレオン州) |
自動車、電子工業などに使う 各種プラスチック精密クリップ、 各種精密スプリング、 関連組み立て部品等 |
ライセンス技術、 エンジニアリング、 およびマーケティング・ サービス契約 |
2011年1月1日から無期限 |
Piolax India Private Ltd. (インド タミル・ナードゥ州) |
自動車、電子工業などに使う 各種プラスチック精密クリップ、 各種精密スプリング、 関連組み立て部品等 |
ライセンス技術、 エンジニアリング、 およびマーケティング・ サービス契約 |
2010年1月1日から無期限 |
PT. Piolax Indonesia (インドネシア 西ジャワ州) |
自動車、電子工業などに使う 各種プラスチック精密クリップ、 各種精密スプリング、 関連組み立て部品等 |
ライセンス技術、 エンジニアリング、 およびマーケティング・ サービス契約 |
2012年12月1日から無期限 |
設備投資
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2014年3月期 | 2013年3月期 | 2012年3月期 | |
自動車関連 | 5,014 | 3,892 | 3,548 |
海外投資
<韓国>-2013年7月、韓国子会社Piolax Co., Ltd.は、仁川経済自由区域 (Incheon Free Economic Zone) 内に生産拠点および研究開発拠点を建設する投資契約を締結した。投資額は1,000万米ドルで、2014年の上半期から稼働開始する。新工場の延べ床面積は約7,600平方メートルで、現工場の約5,280平方メートルから拡大する。樹脂部品やエアダンパーなどの開閉機構部品を生産する。新工場では、韓国国内の取引先の需要や日本向け輸出の増加に対応する。なお、同子会社は2018年に年間300億ウォンの売上を計画している。
<タイ>
-タイの生産拠点を拡張するため、隣接する土地や建物を取得すると発表した。ASEANを中心に、メーカーからの現地供給要望に対応するため、4番目となる生産拠点の開設を決めた。取得する建物延べ床面積は9,974平方メートルで、取得後の総延べ床面積は現在の2倍以上の約17,000平方メートルとなる。取得予定は2013年6月で、2013年9月までに生産を開始する。 (2013年5月14日付日刊自動車新聞より)
設備の新設計画 (自動車関連) |
(2014年3月31日現在) |
会社名 事業所名 |
設備の内容 | 予定金額 総額 (百万円) |
着手 | 完成予定 | 完成後の増加能力 |
同社 | 生産設備、金型他 | 879 | 2014年 4月 |
2015年 3月 |
更新・合理化が主で増加能力は軽微。 |
国内子会社 | 生産設備、金型他 | 282 | 2014年 4月 |
2015年 3月 |
更新・合理化が主で増加能力は軽微。 |
海外子会社 | 生産設備、金型他 | 4,969 | 2014年 1月 |
2014年 12月 |
多種目の生産であるため増加能力は軽微 |