株式会社パイオラックス 2008年3月期の動向

ハイライト

業績 (単位:百万円)
  2008年
3月期
2007年
3月期
増減率
(%)
要因
売上高 48,820 42,418 15.1 -内外で拡販活動を推進するとともに、国内では生産再編を継続し、生産面での能力拡大と体制整備を図った。海外では、増大する需要に対応するため、中国での新工場稼動をはじめ、主にアジアにおいて設備能力拡大を実施し、現地での供給体制を強化。
営業利益 4,074 2,340 74.1 -
経常利益 4,877 3,114 56.6 -
当期純利益 3,281 1,981 65.6 -


受注
-精密ばね関連では、従来の国内カーメーカー等との開発拡大と共に、韓国のカーメーカーとの新たな開発が拡大しつつある。また、タイ、メキシコに続き、中国でも新たな日系メーカーとの開発を終え、量産化を開始。

-グローブボックス用のサイドロック機構は、国内外の主要カーメーカー数社から引き合いが続いており、採用車種が増大する見込み。

-新型ダンパーは、国内向けにとどまらず、欧米韓を中心とした海外メーカーとの開発も増え、シェアが伸張。

-燃料系関連では、金属タンク用インタンク方式のエバポシステムの採用車種及び採用メーカーが拡大中。海外からの採用も増加している。


海外動向
-早ければ2008年度中にも中国で金属部品の生産を開始することを明らかにした。中国での生産台数が拡大している日産やホンダなど日系完成車メーカーからの増産要請に応える。広東省にある工場の増築を検討する。これまでの樹脂部品に加えて金属部品の生産を手がけることで、2010年までに中国での自動車関連部品の売上高を現状の3倍に当たる22億円に引き上げる。金属部品の生産は、新工場の敷地内に新たに生産ラインを増設することで対応する。(2007年12月6日付日刊自動車新聞より)

-米国自動車メーカーとの取引を拡大する。フォード・モーターからピックアップ車用の部品を新たに受注したほかエンジニアの派遣を行い開発部門に直接携わることで提案力を強化し更なる受注獲得を目指す。フォードから新たに受注したのは、2010年に発売予定の新型ピックアップ車の内外装部品を車体に固定するファスナー部品。2009年後半から同社のタイ拠点で生産を開始し、フォードに納入する。また、ゼネラル・モーターズ(GM)向けに納入するグローブボックス用のサイドロック部品についても、生産能力を増強しグローバル市場への納入を加速。2010年度までに、売上高を現状の3倍増に当たる6億円まで引き上げる計画。こうした取り組みにより売上高に占める米メーカーの構成比を、10年をめどに現状の2.5倍程度に当たる7、8%程度まで引き上げていきたい考え。(2008年6月16日付日刊自動車新聞より)

開発動向

開発体制
-2008年3月期の研究開発費は、544百万円

-自動車関連に関わる研究開発費は、427百万円


開発動向
精密ばね関連
-エンジン、変速機等に用いられる圧縮コイルばね等の材料開発。

-ユニットの小型・軽量化に寄与する製品の量産化。

-ユニットへの組付け作業を容易にした複合ばねも開発拡大。

-六価クロムを含有しない表面処理の、ばね材への適用開発を推進。

-欧州REACH規制に対応する活動にも着手。

工業用ファスナー関連
-薄板から厚板まで使用出来る製品、取付け力の低減等による車体への組付作業を容易にした製品、高強度な締結機能を有する製品、廃車後の車体解体作業の作業性向上を考慮した製品などを開発中。

-素材面では車室内の臭いを低減する材料グレードへの転換を積極的に検討し、環境問題や、車の居住性向上にも配慮した製品の開発にも取り組んでいる。

-高強度で利便性を向上させた内装部品のネットフック等の開発も実施中。

小型ユニット関連
-グローブボックス用のサイドロック機構は、2003年1月発売以来採用車種の増加とともに性能向上や作業性改善等を盛り込みながら開発を継続。

-新型ダンパーの開発を推進。

-コンソールボックスリッドや後部荷物室のフロアボードを開閉するためのヒンジ機構部品を開発中。

燃料系関連
-樹脂タンク用バルブとしてはロールオーバーバルブ、インレットチェックバルブを中心に性能向上、コスト低減を狙った開発を実施。


技術導入契約(2008年3月現在)
相手先 契約品目 契約内容 契約期間
Norma Germany GmbH(ドイツ) 自動車用燃料給油関連部品 特許実施許諾 1995年9月18日から2000年8月17日まで
以後1年毎の契約更新
Norma Germany GmbH(ドイツ) 樹脂製燃料
タンク関連部品
特許実施許諾 上記本契約に追加
Norma Germany GmbH(ドイツ) 樹脂製燃料
タンク関連部品
特許実施許諾 2001年12月13日から2006年12月12日まで
以後1年毎の契約更新
注: 2007年5月にラスムッセンGmbHはノーマジャーマニーGmbHに社名変更


技術供与(2008年3月現在)
相手先 契約品目 契約内容 契約期間
三加産業股份有限公司
(台湾)
(Piolax of Taiwan Inc.(Taiwan))
金属・樹脂ファスナー 製造技術援助契約 1987年10月6日から1992年10月5日まで
以後10年毎の契約更新
台湾厚木工業股份有限公司
(台湾)
(Taiwan Houmu Industrial Co., Ltd. (Taiwan))
自動車用クラッチ用プレッシャースプリング及びトーションスプリング、エンジン用バルブスプリング 製造技術援助契約 1978年11月1日から1983年10月31日まで
以後5年毎の契約更新
パイオラックスコーポレーション (米国)
(Piolax Corp.(USA))
自動車、電子工業などに使う各種プラスチック精密スリップ、各種精密スプリング、関連組み立て部品等 ライセンス技術、エンジニアリング、及びマーケティング・サービス契約 1993年4月1日から無期限
パイオラックスリミテッド (英国)
(Piolax Ltd. (UK))
自動車、電子工業などに使う各種プラスチック精密スリップ、各種精密スプリング、関連組み立て部品等 ライセンス技術、エンジニアリング、及びマーケティング・サービス契約 1995年8月8日から無期限
パイオラックス株式会社 (韓国)
(Piolax Co., Ltd. (Korea))
自動車、電子工業などに使う各種プラスチック精密スリップ、各種精密スプリング、関連組み立て部品等 ライセンス技術、エンジニアリング、及びマーケティング・サービス契約 1995年6月20日から2006年6月19日まで
以後1年毎の契約更新
パイオラックス(タイランド)リミテッド (タイ)
(Piolax (Thailand) Ltd. (Thailand))
自動車、電子工業などに使う各種プラスチック精密スリップ、各種精密スプリング、関連組み立て部品等 ライセンス技術、エンジニアリング、及びマーケティング・サービス契約 2000年8月10日から無期限
東莞百楽仕汽車精密配件有限公司 (中国)
(Dongguan Piolax Co., Ltd. (China))
自動車、電子工業などに使う各種プラスチック精密スリップ、各種精密スプリング、関連組み立て部品等 ライセンス技術、エンジニアリング、及びマーケティング・サービス契約 2004年7月1日から2014年6月30日まで
以後1年毎の契約更新

設備投資

設備投資額
-2008年3月期の設備投資は自動車関連部品生産設備を中心に全体で3,567百万円。

-国内関係で2,469百万円、海外関係で1,098百万円。


設備の新設(自動車関連)
会社名
事業所名
所在地 設備の内容 予定金額
総額
(百万円)
着手 完成予定
(株)パイオラックス
横浜テクニカルセンター
横浜市
保土ヶ谷区
設計・開発用設備他 37 2008年4月 2009年3月
金型 391
(株)パイオラックス
真岡工場
栃木県
真岡市
建物等 159 2008年4月 2009年3月
生産設備他 474
金型 593
(株)パイオラックス
富士工場
静岡県
庵原郡
建物等 9 2008年4月 2009年3月
生産設備他 361
金型 85
(株)パイオラックス
九州工場
福岡県
飯塚市
建物等 13 2008年4月 2009年3月
生産設備他 142
金型 38
(株)パイオラックス
メディカルディバイス
横浜市
保土ヶ谷区
建物等 13 2008年4月 2009年3月
生産設備他 56
金型 1
Piolax Corp.
本社・工場
米国
ジョージア州
建物等 4 2008年1月 2008年12月
生産設備他 275
金型 57
Piolax Ltd.
本社・工場
英国
ランカシャー州
生産設備他 55 2008年1月 2008年12月
Piolax Co. Ltd.
(PK韓国)
本社・工場
韓国
仁川広域市
生産設備他 92 2008年1月 2008年12月
金型 65
Piolax (Thailand) Ltd.
工場
タイ
ラヨーン県
建物等 175 2008年1月 2008年12月
生産設備他 115
金型 70
東莞百楽仕汽車精密配件有限公司
(Dongguan Piolax Co., Ltd.)
本社・工場
中国
東莞市
建物等 234 2008年1月 2008年12月
生産設備他 669
金型 190