日鍛バルブ株式会社 2008年3月期の動向
ハイライト
業績 | ( 単位:百万円 ) |
2008年 3月期 |
2007年 3月期 |
増減率 (%) | 要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 36,462 | 34,656 | 5.2% | 自動車業界の堅調な成長による需要の増加や海外事業の好調などにより増収 |
営業利益 | 3,806 | 3,879 | (1.9%) | 材料価格の高騰・減価償却費の増加によるコスト上昇や為替の影響等により減益 |
経常利益 | 4,138 | 4,335 | (4.6%) | |
純利益 | 1,972 | 2,273 | (13.2%) | 海外事業の拡大にともなう少数株主利益の増加により減益 |
自動車用部品 | ||||
売上高 | 29,269 | 28,057 | 4.3% | 下記1)参照 |
営業利益 | 3,392 | 3,278 | 3.5% |
要因
1)
モデルチェンジにともなう後継機種へのシフトや北米市場の冷え込みの影響により一部の製品で受注が減少したものの、海外市場の需要拡大にともなう海外向け製品の受注増加や拡販活動による新規受注製品の増加、海外事業の好調などにより、売上高は増収となった。
製品別の業績
・四輪車用エンジンバルブは、モータースポーツ用製品の減少や後継機種へのシフトにより国内生産製品の一部において受注が減少したが、新規製品の立ち上がりや海外向け製品の増加、海外拠点における生産拡大などにより好調に推移。
・自動車用精密鍛造歯車は、国内需要は低調であったものの海外向け製品の増産など受注が増加し増収。
・バルブリフターは、後継機種へのシフトや北米市場の冷え込みによる海外向け製品の低迷、また、好調を持続していた海外生産拠点の鈍化などが影響し減収。
・NT-VCPは、新機種の立ち上がりにより大幅な増収。
開発動向
研究開発費 | ( 単位:百万円 ) |
- | 2008年3月期 | 2007年3月期 | 2006年3月期 |
全体 | 1,194 | 1,007 | 1,004 |
自動車用部品 | N.A | N.A | 452 |
主な研究開発活動
・内燃機関の性能向上に大きな影響を有する動弁系部品の高性能化と軽量化、並びに耐熱合金、新素材の開発も合わせて継続的に取組む
・自動車用駆動部品を主とした、精密鍛造部品の鍛造方法及び鍛造工法改善の開発
・排ガス規制及び燃費改善に対応するNT-VCP(可変バルブタイミング装置)の高性能化、製造方法の改善
開発中の製品
ULV (Ultra Light Valve)
エンジンの軽量化ニーズに応えるため、ULV(ウルトラライトバルブ)の開発に取り組んでいる。
従来の製法の発想を転換し、新工法により成型した次世代のエンジンバルブ。
極限の軽量化により動弁系のフリクション及びNVHの低減とバルブ温度の冷却効率を高める。
ライセンス契約・技術援助契約等(2008年3月現在)
相手会社名 | 国名 | 契約内容 | 契約期間 |
EATON | 米国 | 小型エンジンバルブに関するライセンス契約 | 1996.9.1~2010.12.31 |
EATON | 米国 | 油圧式バルブリフターに関するライセンス契約 | 1996.9.1~2010.12.31 |
EATON EST SPA | イタリア | 一定地域内における自動車用エンジンバルブの販売および生産技術の支援に関する契約 | 1993.10.23から 契約に定める期日まで |
P.T. Federal Nittan Industries | インドネシア | 小型エンジンバルブに関するライセンス契約 | 2005.6.1から 5年間 |
新和精密(株) Shinwa Precision Co., Ltd. |
韓国 | 油圧式バルブリフターに関するライセンス契約 | 2005.8.1から 5年間 |
Nittan (Thailand) Co., Ltd. | タイ | 小型エンジンバルブに関する技術援助契約 | 2003.1.1から 10年間 |
EATON | 米国 | 電磁式連続位相可変機構(NT-VCP)に関するライセンス契約 | 2000.12.18~2007.12.9 |
新和精密(株) Shinwa Precision Co., Ltd. |
韓国 | メカニカルタペットに関するライセンス契約 | 2002.12.5から 10年間 |
設備投資
設備投資費 | ( 単位:百万円 ) |
- | 2008年3月期 | 2007年3月期 | 2006年3月期 |
全体 | 3,233 | 3,647 | 4,777 |
自動車用部品事業 | 2,671 | 2,633 | 4,223 |
自動車用部品事業の投資内訳(2008年3月期) |
( 単位:百万円 ) |
会社 | 投資額 | 投資内容 |
日鍛バルブ | 2,041 | 本社工場再整備による建屋の増設及びエンジンバルブ製造設備の更新・合理化 |
Nittan (Thailand)
Co., Ltd. (タイ) |
266 | エンジンバルブ製造設備の増設等 |
P.T. Federal
Nittan Industries (インドネシア) |
213 | エンジンバルブ製造設備の増設等 |
設備の新設計画(自動車部品事業)
事業所 | 設備の内容 |
投資額 (百万円) |
着手 | 完了予定 |
完成後の 増加能力 |
日鍛バルブ(株) | |||||
本社工場 (神奈川県秦野市) |
エンジンバルブ NT-VCP他 生産設備 |
1,710 | 2008.04 | 2009.03 | 合理化、更新が主な目的であり、生産能力については大きな影響なし。 |
山陽工場 (山口県山陽小野田市) |
エンジンバルブ バルブリフター 生産設備 |
510 | 2008.04 | 2009.03 | |
本社工場 (神奈川県秦野市) |
エンジンバルブ 歯車他 生産設備 |
580 | 2008.04 | 2009.03 | |
P.T. Federal Nittan Industries | |||||
本社工場 (インドネシア) |
エンジンバルブ生産設備 | 450 | 2008.01 | 2008.12 | 生産能力10%増 |
Nittan (Thailand) Co., Ltd. | |||||
本社工場 (タイ) |
エンジンバルブ生産設備 | 350 | 2008.01 | 2008.12 | 合理化、更新が主な目的であり、生産能力については大きな影響なし。 |
新和精密(株) Shinwa Precision Co., Ltd. | |||||
本社工場 (韓国大邱市) |
バルブリフター生産設備 | 290 | 2008.01 | 2008.12 | 合理化、更新が主な目的であり、生産能力については大きな影響なし。 |