横浜ゴム (株) 2015年12月期の動向

業績

(単位:百万円)
2015年
12月期
2014年
12月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 629,856 625,245 0.7 -
営業利益 54,536 59,066 (7.7) -
経常利益 49,334 55,803 (11.6) -
当期純利益 36,307 40,502 (10.4) -
タイヤ事業
売上高 500,623 497,572 0.6 -国内新車用タイヤは、自動車生産台数の減少を受け、販売量・売上高ともに前期を下回った。
-国内市販用タイヤの販売は、価格競争の激化や暖冬による冬用タイヤの販売が低調に推移。販売量・売上高ともに前期を下回った。
-海外市販用タイヤは、価格競争が激化するなか、北米が昨年に続き堅調に推移。中国も販売が好調。売上高は前期を上回った。
営業利益 43,037 48,577 (11.4) -

買収

<欧州>
-2016年7月1日付で、オランダのAlliance Tire Group B.V. (ATG) の全株式を取得し、買収を完了したと発表。連結決算には2016年12月期第3四半期(7~9月期)から反映される。ATGを買収することにより、同社の生産財 (B to B) タイヤのラインナップに農業機械用タイヤ、林業機械用タイヤが新たに加わることになる。買収により生産財タイヤ事業の売上高を6割拡大させ、さらに生産効率の改善や共同購買などにより、2019年に営業利益で1500万ドル (約17億円) 増のシナジー効果を目指す。ATGは「ALLIANCE」「GALAXY」「PRIMEX」の3ブランドを展開。中でも農機用タイヤは2大市場である米国と欧州で10%前後のシェアを確保している。

<日本>
-不二精工(岐阜県羽島市)が分社化したタイヤビード製造子会社の全株式を取得し完全子会社化したと発表した。買収額は非公開。タイヤビード専門会社を加えることでビード製造技術を高めて、品質や性能向上を図るとともにコスト競争力を強めていく。(2015年1月8日付日刊自動車新聞より)


業務提携解消

-2016年3月、同社とContinentalは、合弁会社であるヨコハマコンチネンタルタイヤ (YCC) を2016年3月末で解消すると発表。YCCは、日本および韓国の自動車メーカーのグローバル調達に対応するため、2002年に設立された。その間、両社ともそれぞれのグローバル生産ネットワーク網を構築し、対応力を強化してきた。今後は、個々にビジネスを拡大していくことで合意した。 (2016年3月8日付プレスリリースより)


業務提携

-2015年5月、同社と韓国のクムホタイヤは、中国でのタイヤ生産に関する業務提携について協議を開始した。クムホタイヤの中国工場を利用して、横浜ゴムブランドのタイヤを生産する方向で検討している。横浜ゴムとクムホは研究開発に関する戦略的提携を結んでおり、生産に関する業務提携の協議は今回が初めてとなる。今回の協議について横浜ゴムは 「乗用車用や商用車用など生産するタイヤの種類や、生産開始時期は未定」 (広報部) としている。 (2015年5月20日付日刊自動車新聞より)



原材料調達拠点

-2015年4月、シンガポールに現地法人Yokohama Rubber Singapore Pte. Ltd.を設立した。横浜ゴムグループの原材料調達機能をグローバルに効率化することが狙い。日本向けの天然ゴムの調達業務からスタートし、日本以外のグループ海外工場向けにも調達業務を拡大する。天然ゴムに加え、その他の原材料調達も手がける計画。さらに原材料の在庫管理機能を強化し、より安定的・効率的な調達体制を確立する。 (2016年5月14日付プレスリリースより)



受注

-2015年12月期の主な受注:

製品名 搭載モデル
新車装着用 (OE) タイヤ
低燃費タイヤ
BluEarth E51
トヨタ 「Alphard」、「Vellfire」
低燃費タイヤ
BluEarth AE01
スズキ 「Solio」、「Solio Bandit」、ダイハツ 「Tanto」、「Mira e:S」
オールテレーンタイヤ
Geolandar G033
三菱自 「Outlander PHEV」
オールテレーンタイヤ、低燃費タイヤ
Geolander G91、BluEarth E75 (ロシア生産)

日産 「X-Trail」、「Teana」

ADVAN A10 ダイハツ 「Cast Sport」
ADVAN A13 三菱自 「Lancer Evolution Final Edition」
ADVAN Sport V105 マツダ 「Roadster」
ADVAN dB、ADVAN A460、YOKOHAMA S70 トヨタ 「Auris」
ADVAN NEOVA AD08R ホンダ 「S660」
北米向けオールシーズンタイヤ
AVID S34
マツダ 「CX-3」 北米向けモデル
YOKOHAMA db E70 トヨタ 「Sienta」
MB (工業品)
ディーゼルターボ用オイル供給ホース GDエンジンを搭載する新型 「Hilux」の一部



中期経営計画

中期経営計画 「GD100 フェーズIV (2015~17年)」
-2015年2月、中期経営計画 「GD100 フェーズIV (2015~17年)」 を発表した。グローバルでの新車装着用 (OE) タイヤの受注を拡大し、20年までにOEタイヤの海外納入比率を現在の35%から70%まで高めていく。3年間で合計1,200億円の設備投資を行い、20年までにタイヤ生産能力を現在より2,100万本増となる年間8,900万本まで拡大する。グローバルでの競争力を高めることで17年末までに売上高7,700億円 (14年比23.2%増)、営業利益800億円 (同35.4%増)、営業利益率10.4% (同1.0ポイント増) を目指す。(2015年2月14日付日刊自動車新聞より)

タイヤ成長戦略

グローバルOE (新車装着) 市場への注力
  1. 低燃費技術により、お客様のさまざまなニーズにお応えし、世界の自動車メーカーからの技術承認取得に努める。2020年12月期に新車装着用 (OE) タイヤの海外納入本数を2014年12月期に比べ約4倍に増やす計画。

    -2020年に新車装着用 (OE) タイヤの生産能力を14年比85%増の年間3700万本まで拡大する。生産全体に占めるOEタイヤ比率も14年の29%から42%に高める。海外ではOEタイヤへの採用実績が補修用タイヤの販売に直結する地域が多い。環境規制が強まる中、同社が強みとする転がり抵抗の低減に関する技術で日系に加えて海外の自動車メーカーへの提案活動を積極化。新車への採用を切り口にタイヤ全体の販売拡大に結びつける考えだ。(2015年5月13日付日刊自動車新聞より)
大需要・得意市場でプレゼンス向上
  1. フェーズⅣでは、特に大需要地である中国・欧州・北米市場、得意市場である日本・ロシアを中心に地産地消を進める。フェーズⅣの期間に総額1,200億円を投じ、全世界のタイヤ年間生産能力を、2014年度末の約6,800万本から2017年度末までに約7,400万本、2020年度末には約8,900万本まで引き上げる計画。

    -2020年までに欧州連合 (EU) 域内にタイヤ生産拠点を設置する方向で検討を始めた。EUに生産拠点を設けるのは初めて。新たに設立する生産拠点は、場所や規模などの詳細は未定としている。工場新設や欧州にある他社の拠点のM&Aを含めて検討し、17年までに決定する。現在、タイヤ生産拠点は日本の他に、米国、中国、ロシア、タイ、フィリピン、ベトナム、インドに設けており、EUへの供給はロシアやフィリピンなどからの輸出で対応している。同社ではタイヤ生産能力を20年までに14年比2,100万本増の年間8,900万本に高める計画を打ち出している。その中で市場規模の大きい欧州での販売強化が不可欠となる。同時に世界的にシェアを拡大するフォルクスワーゲンへの納入実績がない横浜ゴムでは、欧州での事業強化が課題となっている。(2015年4月3日付日刊自動車新聞より)

  2. モータースポーツで高い技術力を訴求
    -新城工場 (愛知県新城市) で18インチ以上のハイインチタイヤを増産。
生産財タイヤ事業の拡大に向けた戦略
  1. 2015年、タイヤ生産財事業本部を設立。

  2. 2015年下期に操業開始した米国トラック・バス用タイヤ新工場の稼働により、地産地消を促進するほか、49インチ以上の鉱山・建設車両用大型ラジアルタイヤの開発・拡販に取り組む。

    -米国のタイヤ生産子会社Yokohama Tire Manufacturing Mississippi (YTMM) がトラック・バス用タイヤ工場の開所式を開催したと発表した。同工場の年間生産能力は100万本で、総投資額は3億米ドル。新工場は500エーカー (約200ヘクタール) の土地の一角に建設されており、今後、需要に応じて順次工場拡張を進めていく計画。(2015年10月6日付プレスリリースより)



MB (工業品) 成長戦略

自動車部品ビジネスのグローバル展開
  1. 2015年現在、自動車用ホース・配管の生産拠点を6カ国、自動車窓枠用接着剤の生産拠点を4カ国に設置し、グローバルに事業を展開している。

  2. 地球温暖化への影響が少ない次世代冷媒に対応したカーエアコンホースの開発に成功。欧州向け車両に同ホースを採用したエアコンが搭載されている。

    -カーエアコンの次世代冷媒として欧州で普及が進んでいるHFO-1234yfに対応するカーエアコン用ホース 「AC6B 11」 を開発したと発表。すでに、カーエアコンシステムメーカーに新型ホースを納入しており、主に欧州向け車両に同ホースを採用したエアコンが搭載されている。HFO-1234yfは長期使用により徐々に分解が進むことで酸が発生する性質があるため、従来のホースでは樹脂が腐食するという問題があった。この対策として、ポリアミド樹脂に受酸剤を配合して酸を取り込む設計とし、樹脂の腐食・冷媒の漏えいを防ぐことに成功した。すでにこの技術の特許を取得している。欧州をはじめ、米国でも販売活動を強化していく考え。(2015年4月30日付プレスリリースより)

  3. メキシコのYokohama Industries Americas Mexicoが操業開始し、現地自動車メーカーに納入を開始する。

    -メキシコで自動車用ホースアセンブリー工場の開所式を開催した。同工場は同社グループ初となるメキシコの生産拠点で、全額出資子会社であるYokohama Industries Americas Inc.のメキシコ工場としてアグアスカリエンテス州に設立し、1月から操業している。エアコンホースやトランスミッションオイルクーラーなど自動車用ホースアセンブリーを生産しており、メキシコ国内向けに供給している。(2015年6月2日付日刊自動車新聞より)

  4. Yokohama Rubber (Thailand) Co., Ltd. (タイ) にてディーゼルターボオイル供給ホースを、現地自動車メーカーに納入を開始する。

    -トヨタ自動車が開発したGDエンジンを搭載する新型 「Hilux」 の一部に、ディーゼルターボ用オイル供給ホースが採用されたと発表した。取り付けの自由度を大幅に高められるフレキシブルなテフロンホースを使用している。同社が得意とする金具とホースの組立技術を活用し、開発した。これにより、エンジンレイアウトのコンパクト化によって、取り付け間隔が狭くなっているディーゼルターボ用のオイル配管で、取り付け工数の削減に貢献する。また、製品テストを簡素化できる治具を開発するなどして、製品1個当たりの完成スピードを向上した。2015年2月から長野工場で生産を開始していたが、16年からはタイのYokohama Rubber (Thailand) Co., Ltd.に移管し、量産している。(2016年8月31日付日刊自動車新聞より)



2016年12月期見通し

(単位:百万円)
2016年12月期
(予想)
2015年12月期
(実績)
増減率
(%)
売上高 600,000 629,856 (4.7)
営業利益 38,000 54,536 (30.3)
経常利益 31,000 49,334 (37.2)
親会社株主に帰属する当期純利益 20,000 36,307 (44.9)


-2016年8月10日、2016年12月期連結業績見通しを下方修正すると発表。前回公表値から売上高を520億円マイナスの6千億円、営業利益を170億円減の380億円、最終利益を140億円減の200億円に下方修正した。為替レートが円高に推移したことに加えて、主力のタイヤ事業がロシアや中南米、北米を中心に販売が当初の想定を下回る見込みとなったため。MB事業も需要が低迷していることや、7月に買収完了したオランダのAlliance Tire Group B.V. (ATG) の買収に伴うのれん償却と取得関連費用も織り込んだ。(2016年8月12日付日刊自動車新聞より)

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)


研究開発費

(単位:百万円)
2015年12月期 2014年12月期 2013年12月期
全社 14,221 13,438 12,632
-タイヤ事業 9,996 8,985 8,007
-MB (工業品) 事業 2,666 2,180 2,169
-研究開発本部 1,250 1,349 1,471



研究開発拠点

-基盤技術に関する研究開発は研究本部が、直接製品にかかわる研究開発はタイヤ事業、MB (工業品) 事業、その他の技術部門が担当。

タイヤ事業

拠点名 所在地
RADIC研究開発センター 神奈川県
平塚市
日本
D-PARC
総合タイヤテストコース
茨城県
久慈郡
日本
北海道タイヤテストセンター 北海道
旭川市
日本
Tire Test Center of Asia
総合タイヤテストコース
ラヨーン県
タイ


<日本>
-2016年1月、北海道旭川市に完成した冬用タイヤテストコース 「北海道タイヤテストセンター (Tire Test Center of Hokkaido:TTCH)」 の開所式を行ったと発表。敷地面積は906,462平方メートル。直線が約1kmにおよぶ圧雪路のほか、氷盤路、登坂路、雪上/氷上旋回路、ハンドリング路を備えている。乗用車で時速100km以上のテスト走行ができるほか、トラックやバスについても登坂など様々な路面状況で制動・発進・加速テストができる。(2016年1月26日付プレスリリースより)

<米国>
-2016年8月31日、米ノースカロライナ州にタイヤ研究開発センターを新設し、今月から研究開発活動を開始すると発表した。これに合わせて北米の研究開発スタッフを現状の2倍に拡大し、北米市場に適した新製品の開発を加速する。これまで北米市場向けのタイヤ開発拠点は米国内の複数の州と日本に分散していた。今後は新拠点に集約することで開発体制を強化する。まず消費財タイヤの設計から開始し、その後、生産財タイヤの設計、試験、評価、技術サービス、品質保証に業務範囲を拡大していく。また、研究開発活動の拡大に応じて研究設備などへの追加投資も視野に入れる。(2016年9月1日付日刊自動車新聞より)


共同開発

タイヤ材料構造の新たなシミュレーション技術
-タイヤ材料構造の新たなシミュレーション技術を開発したと発表した。フランスの研究機関と粘弾性シミュレーションに関する新しい計算手法を共同開発することで、仮想ゴム材料モデルの微細構造を自在にコントロールできる技術を開発。これにより従来にない発想でのゴム材料開発が可能となり、燃費性能や安全性、耐久性など背反する性能の両立につなげていく。これまでのタイヤ材料開発のシミュレーション技術では、実在するゴム材料を用いて実験している。今回新たに開発したシミュレーション技術では、仮想的な微細構造を持つゴム材料をモデル化し、微細構造を自在に操るシミュレーションを可能とした。(2015年12月4日付日刊自動車新聞より)

バイオマス (生物資源) からイソプレンを合成
-理化学研究所 (理研)、日本ゼオンとの共同研究により、バイオマス (生物資源) からイソプレンを合成することに成功した。イソプレンは自動車タイヤなどの原料として使われる合成ゴム (ポリイソプレンゴム) の原料として使用される。現在、イソプレンはナフサ熱分解の副生成物として工業的に生産されている。横浜ゴム、理研、日本ゼオンは、2013年からバイオマスから合成ゴムを作りだす共同研究を進めてきた。今後、2020年代前半を目標に実用化を目指す計画。(2015年9月3日付プレスリリースより)

バイオマス (生物資源) からブタジエンを合成
-2015年7月、バイオマス (生物資源) から合成ゴム原料であるブタジエンを作る新技術を東京工業大学と共同開発したと発表。今後量産化に向けた技術開発を進め、2020年代前半の実用化を目指す。石油依存の抑制につながる新技術を活用することで、環境負荷低減に貢献する。共同開発では、植物繊維の主成分である糖のセルロースから直接ブタジエンを合成する触媒の開発に成功した。ブタジエンは、石油精製の副産物として生産されており、自動車タイヤなどで合成ゴム (ブタジエンゴム) の原料として使われている。ブタジエンゴムは合成ゴムの中でもスチレン・ブタジエンゴムに次いで使用量が多く、今回の新技術は化石燃料の使用削減に高い効果が期待としている。(2015年7月31日付日刊自動車新聞より)


研究開発活動

流体音響シミュレーション
-同社研究本部と藤井孝蔵教授 (宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所) らの研究チームは、世界で初めて、限りなく実スケールに近いレベルで路面上を回転するタイヤ周りの空気の渦流れ構造 (乱流) とそこから発生する音響波 (騒音) を捉える流体音響シミュレーション技術の開発に成功。同技術は2016年10月、HPCI (High Performance Computing Infrastructure) 利用研究課題の優秀成果賞を受賞した。

タイヤの新エアロダイナミックス技術
-2015年10月、車両の空気抵抗の低減や浮き上がりを抑制するタイヤ技術を開発したと発表。タイヤの側面にフィンを設けることで、空気抵抗を3%低減することができる。燃費低減につながる技術として今後さらなる開発を進め、早期の実用化を目指す。(2015年10月16日付日刊自動車新聞より)


製品開発

タイヤ事業
-欧州と中国市場向け新車装着用 (OE) タイヤと市販用タイヤのトレッドパターンを共通化する。共通化に向けてタイヤの開発手法を変更し、OEタイヤのトレッドパターンを先行開発した後、市販用タイヤに同じトレッドパターンを採用する。OEタイヤは、車両の目標性能などに応じて開発するため、同じ銘柄のものであっても市販用タイヤとトレッドパターンが異なっていた。中国や欧州市場では、OEタイヤと同じ製品を交換用でも購入したいというニーズが高いため、トレッドパターンを統一することで市販用タイヤの売り上げ拡大につなげていく。(2016年4月28日付日刊自動車新聞より)


設備投資額

(単位:百万円)
2015年12月期 2014年12月期 2013年12月期
全社 50,900 55,300 33,500
-タイヤ事業 45,400 50,500 29,300
-MB (工業品) 事業 4,200 3,500 3,000


2015年12月期の設備投資内容

  • タイヤ事業国内工場:需要の変化に対応して、生産能力を最大限活用するための投資および物流機能の強化、品質向上等のための投資 (140億円)
  • タイヤ事業海外工場:トラック・バス用タイヤ製造設備の新設で、北米において行った投資 (148億円) を中心に、その他中国・フィリピン工場での設備拡張を実施するなど、生産能力の増強を図った。
  • MB (工業品) 事業:各種ホースを中心とした生産能力を増強したほか、品質向上を図り、42億円の設備投資を実施した。


国内投資

タイヤ事業
-2016年2月、愛知県新城市にある新城工場で乗用車用大径タイヤを現在比約2割増産すると発表。約37億円を投資する。2017年6月にラインを立ち上げて、18年4月までにフル生産を可能とする。今回の能力増強では18インチ以上の高性能タイヤを対象とする。同社はメルセデス・ベンツやアウディ向けのOEタイヤとして大径タイヤの納入を増やしており、それに伴い大径タイヤは増産が求められていた。また、大径タイヤはSUV人気やOEタイヤの大径化を背景に世界的に需要が拡大する見通し。利益率が高く価格も下落しにくいため、供給能力を高めて収益性向上を図る。(2016年2月16日付日刊自動車新聞より)

MB (工業品) 事業
-2015年11月、ホース配管事業強化の一環として実施する長野工場 (長野県) 統合に向け、長野豊丘工場で新建屋の鍬入れ式を開催したと発表した。長野工場は現在、金属継ぎ手の生産を長野高森工場、ホースと金属継ぎ手の組み立てを長野豊丘工場で行っている。新建屋は 2016年11月に竣工予定で、ここに長野高森工場の設備を順次移管し2017年2月までに統合を終了させる計画。工場統合のための投資額は、土地取得や新建屋建設などを含めて20億円。 (2015年11月2日付プレスリリースより)


海外投資

タイヤ事業

-北米に乗用車用タイヤの新工場を建設する方向で検討を始めた。今年稼働したトラック・バス (TB) タイヤを生産するミシシッピ工場の敷地内に新設する。自動車需要が好調な北米では、乗用車用タイヤをバージニア州のセーラム工場で現地生産するほか、フィリピンなどからの輸入で対応している。さらなるタイヤ需要の拡大が見込まれる中、工場新設により現地での供給体制を強化することで、最大市場である北米の売り上げ拡大に結びつける。(2015年10月15日付日刊自動車新聞より)

<ロシア>
-ロシアでタイヤ生産に使用する天然ゴム以外の材料の現地調達率を2017年までに現状の約5割から7割まで引き上げる。これまで取引のない現地の材料メーカーなどを新たに開拓することで現地調達率を高める。ロシアでは経済情勢の悪化による通貨安が続いている。輸入材料を現地調達に切り替えていくことで、ロシア工場の競争力を確保し、販売拡大に結びつける。 (2015年6月18日付日刊自動車新聞より)

-2015年1月、ロシアの乗用車用タイヤ工場で新車装着用タイヤの生産を開始したと発表。日産自動車が現地生産するSUV 「X-Trail」 と中型セダン 「Teana」 向けに供給している。同工場で新車装着用タイヤを生産するのは今回が初めてとなる。今回供給するのは 「ジオランダーG91」 (X-Trail) と 「ブルーアースE75」 (Teana) の2製品。 (2015年1月19日付日刊自動車新聞より)

MB (工業品) 事業

-2016年9月、Yokohama Industries Americasがケンタッキー州にあるVersailles工場に5.2百万ドルの設備投資を行うと発表した。同社のホース部門の工場に生産ラインを2本追加する。同工場では、車載エアコンシステム、パワーステアリングシステム、トランスミッションオイルクーラーシステム向けのホースASSYを生産している。 (2016年9月29日付Kentucky Cabinet for Economic Developmentの発表より)


設備の新設計画

(2015年12月31日現在)
事業所
(所在地)
事業 設備内容 投資予定
総額
(百万円)
着手 完了
予定
完成後の
増加能力
平塚製造所
(神奈川県平塚市)
タイヤ 生産設備 5,406 2015年
1月
2016年
12月
-
三重工場
(三重県伊勢市)
タイヤ 生産設備 4,992 2015年
1月
2016年
12月
-
三島工場
(静岡県三島市)
タイヤ 生産設備 3,226 2015年
1月
2016年
12月
-
新城工場
(愛知県新城市)
タイヤ 生産設備 12,639 2015年
1月
2016年
12月
生産能力
20%増加
尾道工場
(広島県尾道市)
タイヤ 生産設備 1,345 2015年
1月
2016年
12月
-
平塚製造所
(神奈川県平塚市)
MB (工業品) 生産設備 4,424 2015年
1月
2016年
12月
-
長野工場
(長野県下伊那市)
MB (工業品) 生産設備 2,372 2015年
1月
2016年
12月
-
蘇州優科豪馬輪胎有限公司
[Suzhou Yokohama Tire Co., Ltd.]
(中国江蘇省)
タイヤ 生産設備・その他の設備 26,500 2013年
7月
2021年
12月
生産能力
600万本/年
Yokohama Tire Philippines, Inc.
(フィリピン クラーク特別経済区)
タイヤ 生産・その他の設備 11,000 2013年
5月
2016年
6月
生産能力
25%増加