(株) タチエス 2018年3月期の動向
業績
(単位:百万円)
2018年 3月期 |
2017年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
売上高 | 295,470 | 282,525 | 4.6 | -全社の業績は、海外での販売が堅調に推移したことにより増収。 -中国では、既存受注車種の販売が堅調であったことにより増収。 |
営業利益 | 8,663 | 8,859 | (2.2) | -全社の業績は、国内での販売減少等により減益。 -日本では、販売製品構成変化の影響等により減益。 -中南米では、収益改善活動の効果等により増益。 -中国では、既存受注車種の販売が堅調であったことにより増益。 |
経常利益 | 11,934 | 12,337 | (3.3) | |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 8,174 | 7,262 | 12.6 | - |
中期計画「グローバルチームワーク 2020」
-自動運転技術の急速な進歩など多様な技術革新により、自動車業界を取り巻く環境の大きな変貌に対し、シート全体の提案ができ、グローバルで生産できる「グローバル・シート・システム・クリエーター」を目指す。
-3つの目標
- 品質No.1
- 営業利益率7%
- 世界生産シェア7%
-グローバル対応
- 主要地域での開発体制確立
- 生産拠点の拡大・整備
- 部品事業拠点の拡大
<トヨタ紡織との業務提携>
目的 | 両社が保有する知見・ノウハウ・経営資源を相互活用し、競争力向上(グローバル競争力の強化)をよりスピーディーに図ること |
内容 | 既存部品の相互供給、新規部品の開発検討、生産拠点・設備の相互活用 |
進捗 事例 |
|
-競争力ある体質への変革
- 提案力の強化
- モノづくり力の強化
- 変化への俊敏な対応
<フレームのモノづくり競争力強化>
ジェイテクトとタチエスは、富士機工のシート事業をタチエスに移管(子会社TF-METALを新設)するとともに、ジェイテクトが実施する富士機工を完全子会社化するための株式公開買い付け(TOB)にタチエスが応募することで合意。ジェイテクトはステアリング製品事業、タチエスはシート事業をそれぞれ強化するのが目的。
- 2017年:機構部品からシートASSYまで一貫した開発体制を構築
- 2020年:機構および周辺部品の内製化拡大、生産最適化を実施
- 2029年まで:機構からフレームASSYまでの生産を自動化、後工程のシートASSY工程を見据える
受注
日本
- ホンダ クラリティ、N-BOX、フリード
- 日野 プロフィア、レンジャー
- 三菱 エクリプスクロス
米国
- ホンダ MDX、ACCORD
ブラジル
- 日産 KICKS
欧州
- 日産 LEAF
中国
- 日産 NAVARA、TERRA、M50V、KICKS
- 吉利 (Geely) 帝豪
東南アジア
- 日産 NOTE
- 三菱 OUTLANDER
研究開発費
(単位:百万円)
2018年3月期 | 2017年3月期 | 2016年3月期 | |
全社 | 4,647 | 4,130 | 4,274 |
研究開発拠点
タチエス技術・モノづくりセンター | 東京都青梅市 |
アドバンスト・テクノロジー・センター | 東京都青梅市 |
タチエス技術センター愛知 | 愛知県安城市 |
TACHI-S Engineering U.S.A. Inc. | 米国ミシガン州 |
TACHI-S Engineering Europe S.A.R.L. | フランス ヴェリジー・ビラクブレー市 |
福州泰昌汽車座椅開発有限公司 [TACHI-S Engineering China Co., Ltd.] |
中国福州市 |
TACHI-S Engineering Latin America S.A. de C.V. | メキシコ アグアスカリエンテス州 |
TACHI-S Engineering Vietnam Co., Ltd. | ベトナム ホーチミン市 |
研究開発体制
-新製品の開発および新技術の基礎研究は、主に国内の技術・モノづくりセンターで効率的な開発を行うとともに、米国・欧州の拠点および国内外の技術提携先企業等を通じて、先進技術や周辺技術の積極的な情報収集を実施。
研究開発活動
シートおよびオリジナル機構部品開発
-自動車およびその他乗り物用シート、またシートのリクライニングデバイス、スライドレール、大移動量リフター、床下格納デバイス、RV車用シートのロングスライドレールおよびその付属機構、回転ユニット等の開発をシートシステムとして行い、得意先各社へ採用が進んでいる。
安全性向上技術開発
-サイドエアバック組込シート、乗員感知式スマートエアバック対応シート、頸部障害軽減システム等の開発をシートシステムとして行い、顧客から採用されている。また前後面、側面衝突に対応した安全シート構造の研究開発を行っている。
環境対応技術開発
-各種環境負荷物質の全廃に向けての対応や、自動車の燃費向上のため新材料、新構造技術を織り込んだ超軽量シートの開発等を行い、得意先各社へ提案し採用されている。
福祉車両商品の開発
-操作性、乗降性に優れたヘルパーシートの開発を行い、得意先各社へ提案し採用されている。
原価低減商品の開発
-標準化、共通化を踏まえた低コスト次世代シートを開発し、国内外の得意先各社に採用されている。
生産技術開発
-接着成形シートの改良技術開発、ヘッドレスト、アームレストの一体発泡成形技術開発、シート組立の省力化・自動化技術開発、CAD/CAMによる型製作等を展開。また、多品種少量生産を可能にした混流ラインを開発し、車種数や商品構成の増加に対応している。
シートの研究分野
-より快適なシートの開発を目指し、「座り心地」評価と、あるべきシートの構造方式について自主研究を継続。さらに、短期間での性能、質量、コストのバランスの取れた設計のため、CAE解析を行い開発期間短縮、コストダウン等を貢献。
シートデザインの開発
-将来シートコンセプト、新商品のデザイン開発、コーポレートデザインなどシートを含め同社に関するあらゆる分野のデザイン開発を独自で取組み、得意先各社へ提案し採用されている。
標準フレーム
-多様な車種で共通して使うことができる汎用性の高い標準フレームを独自に開発、得意先各社へ提案し採用されている。
設備投資額
(単位:百万円)
2018年3月期 | 2017年3月期 | 2016年3月期 | |
全社 | 4,644 | 5,064 | 4,440 |
-2018年3月期の地域別設備投資額は以下の通り:
地域 | 主な内容 | 投資金額 (百万円) |
日本 | 新規受注およびモデルチェンジ等に伴う生産対応設備のほか、業務管理システムの構築費用 | 2,129 |
北米 | モデルチェンジ等に伴う生産対応設備の更新 | 464 |
中南米 | 新規受注及びモデルチェンジ等に伴う生産対応設備 | 1,698 |
中国 | 新規受注および生産対応設備 | 338 |
東南アジア | 生産対応設備 | 13 |
主な設備の新設計画
(2018年3月31日現在)
会社名/事業所名 | 設備の内容 | 投資予定総額 (百万円) |
着工 | 完成予定 |
鈴鹿工場 | 自動車座席の製造設備 | 622 | 2018年7月 | 2019年3月 |
愛知工場 | 自動車座席の製造設備 | 263 | 2018年4月 | 2018年11月 |
技術・モノづくりセンター | 業務管理システム構築 | 249 | 2018年5月 | 2019年3月 |
Industria de Asiento Superior S.A. de C.V. | 自動車座席用製造設備 | 625 | 2018年4月 | 2019年4月 |
-メキシコMorelos州Jiutepecに工場を新設する。日産のCivac工場に製品を供給する。同社にとってMorelos州で2番目の生産拠点。Aguascalientes州の2工場とエンジニアリングセンター、Coahuila州の2工場、Jalisco、Zacatecas州の各工場では日産のほかにホンダ、トヨタ、起亜向けの製品を製造している。