Yuchai Machinery (Guangxi) Group Co., Ltd. [広西玉柴機器集団有限公司] 2011年12月期の動向

ハイライト

業績

- 2011年、同社の販売収入は429.21億元に達し、前年同期比15.86%増となった。そのうち、エンジンの販売台数は71.69万基で、工業用機械は8527基である。
- 同社の2010年の売上額は前年比35.45%増となる368億元を記録した。エンジン販売台数は749,671基となり、前年比11.13%増であった。(2011年1月10日付プレスリリースより)

受注

- 同社は安徽安凱 (Anhui Ankai)がサウジアラビア向けに輸出するスクールバス3,000台のエンジン全量を受注した。安徽安凱が輸出するモデルはHFF6121GZ-4。こ れに搭載される玉柴のエンジンはYC6A260-20。中国製バスのサウジアラビア向け輸出台数としては過去最高となる。玉柴にとっては2011年最大のバス用エンジン輸出契約となる。納入は2回に分けて行う。先ず800台を7月15日までに、次に2,200台を11月までに納入する。(2011年5月 24日付けプレスリリースより)

- 10月25日、子会社「玉柴聯合動力股份有限公司(Yuchai United Power Co., Ltd.)が生産するYC6K10重型エンジンを搭載したトラックU340が集瑞聯合トラック(C & C Truck)の蕪湖工場で初めてラインオフした。 YC6K10は玉柴グループが研究開発した次世代型重型エンジン。今後聯合トラックの80%以上のトラックに玉柴聯合のYC6K10、YC6K12、 YC6K13などYC6Kシリーズエンジンが搭載される予定。(2010年11月2日付プレスリリースより)

合弁会社

- 2011年3月7日、同社は、中国南車股份有限公司(China South Locomotive & Rolling Stock Co., Ltd.)(略称:CSR)、四川南駿汽車集団有限公司と合弁会社「南車玉柴四川発動機股份有限公司(CSR Yuchai Nanjun Engine Co., Ltd.)」を設立した。合弁会社の登録資本金は3億元。総額30億元を投じて四川省資陽市に中国西部地区最大のエンジン生産拠点を建設する。新合弁会社 は、自動車、機関車、船舶、陸上発電機用エンジンを生産する。フル稼働後の生産額は年間100億元を見込む。なお、CSRは中国最大の鉄道車両、軌道設備メーカーで、2010年に玉柴集団と「戦略的提携枠組み合意書」および「合弁意向書」を結んでいる。(2011年3月7日付プレスリリースより)

提携

- 広西玉柴機器集団有限公司の子会社広西玉柴機器股份有限公司は2011年9月19日Honeywellと戦略的長期提携の合意書を結んだ。玉柴は Honeywellからターボチャージャー技術の提供を受け、性能、コストの両面から自社製品の競争力強化を図る。また両社は中国市場向けターボチャージャーの共同開発も行う意向。(2011年9月19日付け各種リリースより)


- 2010年5月26日、同社は青海省の東風汽車系大手販売会社「青海煜展公司(Qinghai Yuzhan Dongfeng Automobile Sales Service Co., Ltd.)」と戦略的提携の合意書を結んだ。青海煜展公司は青海省の重型トラック市場で70%のシェアを持っており、2010年8月より玉柴エンジンを搭載したトラックの販売を行っている。玉柴はこの提携により青海省での販売の更なる強化を狙っている。(2011年5月31日付けプレスリリースより)

- 2010年6月29日同社は桂林市の自動車部品大手「桂林福達集団(Guilin Fuda Group)」(略称:福達)と戦略的提携の合意書を結んだ。福達は主にエンジンクランクシャフト、クラッチ、トラクターなどを生産しているメーカーで、 玉柴の部品調達先の一つ。今回の提携は双方の関係を更に強化し、調達部品の拡大を図るのが狙い。(2010年7月15日付プレスリリースより)

受賞

- 広西玉柴機器集団有限公司の子会社広西玉柴機器股份有限公司は2011年江淮汽車集団バス部門サプライヤー大会において最高賞である「2011年江淮汽車集団バス部門5Aクラスゴールドサプライヤー賞」を受賞した。(2011年8月2日付けプレスリリースより)
- 子会社「広西玉柴動力機械有限公司(Guangxi Yuchai Power Machinery)」は南京Iveco汽車の優秀サプライヤー賞を受賞した。(2011年1月19日付プレスリリースより)
- 同社は東風商用車公司の2010年度ベストサプライヤー賞を受賞した。(2010年12月31日付プレスリリースより)
- 厦門金龍聨合汽車(Xiamen King Long United Automotive)および厦門金龍旅行車(Xiamen Golden Dragon Van)からそれぞれ2009年度優秀サプライヤー賞を受賞した。(2010年3月30日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発施設

名称 詳細
広西玉柴工程研究院(Guangxi Yuchai Engineering Research Institute) - 2007年開業
- 製品エンジニアリング部、電子制御技術部、テストエンジニアリング部、技術管理部で構成され、主に排出ガスの低減、乗用車のディーゼル化に取り組む。
内燃機共同実験室 - 2009年設立
- ディーゼルエンジンの燃焼技術開発及び振動・騒音研究、自動車NVHの研究、吸気系統の研究。
玉柴大連ターボチャージャー技術研究開発センター - 2011年設立
船舶、車両用国産大型ターボチャー ジャーを研究開発

 

新研究所

- 2011年3月17日同社は大連交通大学(Dalian Jiaotong University)と「玉柴大連ターボチャージャー技術研究開発センター」を立ち上げた。知的財産権を所有する、船舶、車両用国産大型ターボチャージャーを共同で研究開発する。(2011年3月18日付けプレスリリースより)

 

Honeywellと提携

- 広西玉柴機器集団有限公司の子会社広西玉柴機器股份有限公司は2011年9月19日Honeywellと戦略的長期提携の合意書を結んだ。玉柴は Honeywellからターボチャージャー技術の提供を受け、性能、コストの両面から自社製品の競争力強化を図る。また両社は中国市場向けターボチャージャーの共同開発も行う意向。(2011年9月19日付け各種リリースより)

 

CATARCと提携

- 2011年4月1日同社は、中国汽車技術研究中心(China Automotive Technology & Research Center)(略称:CATARC)と提携の枠組みに関する合意書を結んだ。CATARCは1985年に国家科学技術委員会の承認により設立された国営企業で、中国自動車産業界の技術標準の策定などを行なう機関。(2011年4月2日付けプレスリリースより)

 

製品開発

ユーロVI排ガス基準対応ディーゼルエンジン—玉柴6L-60欧VI試作機を開発
- 広西玉柴機器集団有限公司は2011年6月29日、ユーロⅥ排ガス規制をクリアする中国初の自主開発ディーゼルエンジン玉柴6L-60の試作機を発表した。天津汽車検測中心(Tianjin Automotive Test Center)の検査報告によると、この試作機の窒素酸化物(Nox)排出は307.3mg/kW.h、粒子状物質排出は6.5mg/kW.hであり、いずれもユーロⅥ排ガス規制の値を下回っている。ユーロⅥは2009年に発表された、現在最も厳しい排ガス規制の一つ。EUは2013年からの実施を計画しており、欧州のほとんどのエンジンメーカーは現在製品の開発段階だが、同社は他社に先んじて開発を進めたとしている。また、欧州会社のユーロVI対応エンジンは一般的に射出圧力が220Mpa以上の燃料噴射システムを採用しているが、同試作機は低温燃焼技術を活用し射出圧力に対する要求を低く設定しているという。試作機のコモンレール燃料噴射圧力は最低180Mpaで、中国の規制に対応している。(2011年6月30日付けプレスリリース)

国Ⅴ排ガス基準対応エンジン
- 2010年10月26日、同社が知的財産権を所有する国内初の国Ⅴ排ガス基準対応エンジンを搭載したバス50台が北京八方達公交公司通州分公司 (Beijing Bafangda Passenger Transport Co., Ltd. Tongzhou Branch)により運行を開始した。これはこのバス運行会社が昨年末入札により買い付けた100台のうちの50台で、安徽安凱 (Anhui Ankai)が製造したもの。現在多くのエンジンメーカーが国Ⅳエンジンの投入準備段階にある中で玉柴は先行して国Ⅴ対応エンジンを投入したとしている。(2010年11月2日付プレスリリースより)

設備投資

主な設備投資

プロジェクト 計画詳細 投資
予定額
(百万元)
進捗状況
(2010年)
樹脂製エアフィルターハウジング及びエンドキャップフィルター技術改革プロジェクト 樹脂製エアフィルターハウジング及びエンドキャップフィルターを80万セット増加させる 68 2011年度5000万元を投資する。完工。
第2期技術改革プロジェクト コーティング生産ラインを改善し、年間20万基のディーゼルエンジンを増加する 35.98 2011年度1168万元を投資する。完工。
広西玉柴機器股份有限公司の鋳造センター建設 -0.8-1.2リットルディーゼルエンジンのシリンダーブロック、シリンダーヘッド生産ライン3本
-生産量29万トンを見込む
960 建設開始
(2008年7月)
稼働開始予定
(第1ライン:2009年12月)
(第2ライン:2010年12月)
(第3ライン:2012年12月)

 

中国国内投資

- 2010年7月28日、同社は鋳造センター第2生産ラインの建設に着工した。すでに工場建屋の基礎工事が完了し、設備の買い付けも始まっている。 2010年末から2011年初めに稼働を開始する予定。生産するのはシリンダーキャップが主で、生産能力は約3.8万トン。なお、第1生産ラインは 2010年3月にすでに稼働しており、第2生産ラインが稼働すればアジア最大規模の鋳造品生産拠点となる。(2010年10月13日付プレスリリースよ り)

- 2010年6月24日、子会社「海南玉柴機器有限責任公司(Yuchai Machinery Co., Ltd.(Hainan))」は2,000万元を投じ生産能力増強を行い、新設備の稼働を開始した。2008年7月よりユーロⅢ排ガス基準の適用が義務化されたのにともない、同社ではギアの品質改善及び製品構成の見直しが必要になっていたためこの設備改造に着手した。年間生産高は 5,000万元から1億元に引き上げられる見込み。(2010年7月6日付プレスリリースより)

- 2010年3月12日、同社は鋳造工場の第一期建設工事を終え、第1生産ラインの稼働を開始した。(2010年6月26日付プレスリリースより)

- 同社は広西省柳州市柳東新区にディーゼルエンジン生産拠点を建設することで柳州市と合意書を結んだ。柳州市では自動車産業が近年大きく発展しており、 2009年の自動車生産台数は100万台を突破した。しかし自動車部品、ことにディーゼルエンジン分野はまだ弱く一層の強化が求められている。これに応え玉柴集団は広西聯状集団公司(Guangxi Lianzhuang Group) と共同で総額15億元を投じ新たにディーゼルエンジン工場を建設することになった。完成後の年間生産高は70億元に達する見込み。(2010年3月24日付けプレスリリースより)