ZF TRW Group (China)
[ZF TRW Group (中国事業)] 2015年12月期の動向

ZFによるTRW買収

-2015年5月、ZFはTRWの買収手続きが完了したと発表。買収価格は12,400百万米ドル。TRWはZFのアクティブ/パッシブセーフティシステム事業部門となる。

新工場

- ZF TRWは、中国江蘇省張家港 (Zhangjiagang, Jiangsu) にブレーキシステムと乗員安全システムの2つの工場を建設し、それぞれ操業を開始したと発表。ブレーキ工場は敷地面積約23,000平方メートル。主に電動パーキングブレーキ (EPB) 統合パーキングブレーキシステム、フロントブレーキキャリパー、バキュームブースターを生産するほか、ハウジング加工、キャリア加工、アクチュエーション加工および組み立てを行う。2016年に750名以上を雇用する計画。乗員安全システム工場は敷地面積約16,000平方メートル。主に運転席エアバッグ、助手席エアバッグ、サイドエアバッグ、カーテンエアバッグを生産するほか、「FS1」および「SPR4」リトラクター、ロックシステム、フードリフターなどの組み立てを行う。2016年末までに500名以上を雇用する計画。(2015年11月2日付け各種リリースより)

株式譲渡

エンジンバルブ事業をFederal-Mogulに売却
-2015年2月、Federal-Mogulにエンジンバルブを扱う全ての完全子会社の売却を完了。売却金額は385百万ドル。今回売却されたエンジンバルブ事業は乗用車、大型車、産業用および船舶用大径エンジン向けにエンジンバルブを扱い、年間売上高は610百万ドル。従業員は5,400名で12カ国において事業を展開してきた。今後、TRWは安全製品に注力し、引き続きアクティブおよびパッシブセーフティシステムの開発・生産拡大に向けた投資を行っていく意向。

受注

-Fiat-Chryslerグループの主要プラットフォーム向けに、拡張性に優れたモジュール式のコラム式電動パワーステアリング (EPS) の供給を開始したと発表。広汽Fiat 「菲翔 Viaggio」への搭載も含まれている。(2014年11月5日付日刊自動車新聞より)

-TRWは、2015年より長城汽車の中型SUV向けにベルトドライブ式電動パワーステアリング (EPS) を供給すると発表。TRWはコスト低減を図るため、アジア太平洋地区に生産拠点を設立している。上海の安亭工場ではこの2年ほどで年産800,000個の生産、組立て設備を完備。ベルトドライブ式EPSは、従来の油圧パワーステアリングに比べ、1kmあたり0.3リットルから0.4リットルの燃費向上、7グラムから8グラムの排出ガス削減を実現するという。(2014年4月22日付け各種リリースより)

開発施設
-TRWのアジア太平洋地域テクニカルセンター

名称 設立年 業容
天合汽車研発 (上海) 有限公司 2004年7月 -アジア太平洋地域の生産拠点および顧客に対する技術サポート。
-黒龍江省黒河に冬季走行試験場を保有。
天合安亭技术中心 2013年 -TRW全製品の研究開発、設計、応用、テスト、検証能力を持つ。


-TRWは、上海市嘉定区安亭に同社最大となるテクニカルセンターを開設したと発表。ブレーキやステアリング関連など主力事業の研究開発や試験部門で構成し、1200人以上のスタッフを配置する予定。自動車市場の拡大が予測される中国市場において開発体制を強化することで、受注拡大に結びつける狙い。同施設は敷地面積が6万6千平方メートルで、同社最大の開発施設となる。ブレーキやステアリング、サスペンション、乗員安全システム、セーフティーエレクトロニクスなど20以上のテストラボで構成し、すべての主要事業を網羅する施設とした。さらに研究開発部門に加えて、エンジニアリングデザインやアプリケーション、試験、検証などの部門も設けるほか、技術サービスや営業部門も設置。充実した顧客サポート体制を構築することで、新規受注につなげていく。(2014年6月17日付日刊自動車新聞より)

製品開発

着火式インフレーター
-TRWは軽量・小型化を実現した新型の着火式インフレーター 「SPI2 EVO」 を発表。このインフレーターは、欧州や中国で販売される超小型車から中型車に搭載されるTRWの小型ルーフレール用エアバッグ向けとなる。このインフレーターは、既存の製品に比べて直径を約5mm小さく、長さを約50mm短くし、約35%の軽量化を実現している。2015年はじめにドイツのLaage拠点、中国・陝西省の西安 (Xi'an) 拠点、米国・アリゾナ州のMesa拠点でこのインフレーターの生産を開始する予定。TRWはすでに自動車メーカー5社から 「SPI2 EVO」 を6件受注している。(2014年12月3日付プレスリリースより)

国内投資

-子会社 「上海天合汽車安全系統有限公司 [Shanghai TRW Automotive Safety Systems Co., Ltd.]」 はOEM向け生産能力増強のため、95.20百万元を投じ上海市嘉定区安亭鎮 (Anting Town, Jiading District, Shanghai) に位置する上海楽浦発展公司 [Shanghai Yuepu Development Co., Ltd.] の工場を賃借すると発表。敷地面積は13,197平方メートル、延べ床面積は11,408平方メートル。年間20万個の各種ステアリングホイールを生産する計画。工場完成後は新たに約400名の人員を雇用する。(2014年10月17日付け各種リリースより)

-2014年5月、子会社 「天合東方 (西安) 安全気嚢気体発生器有限公司 [TRW Dong Fang (Xi'an) Safety Airbag Inflator Co., Ltd.]」 は、100百万元を投じ設備を増設すると発表。同社はSPI2 EVOサイドエアバッグインフレーター技術の導入と生産ライン2本の増設、DI10インフレーター生産ライン1本の増設と関連補助設備の設置を行う。(2014年5月26日付け各種リリースより)