Valeo Group (China) [Valeo Group (中国事業)] 2011年12月期の動向

ハイライト

事業概況
<2011年>

-2011年、Valeo中国の売上高は、前年同期比17%増の7.53億ユーロに達した。Valeo中国自動車部品の生産量も同3%増。(2011年度同社の年鑑より)


-Valeo Groupは、中国での売上高を2015年までに現在の2倍、15億ユーロにする計画。2020年にはその倍の30億ユーロを目指す。この目標の実現のために従業員を2015年までに現在の9,600名から15,000名に増員する。またValeo Group全体の売上に占める中国市場の売上は、2011年の8%を2015年に11%前後まで引き上げる計画。Valeo Groupは1994年に中国に進出して以来中国各地で事業を展開し、現在21の生産拠点と12の研究開発センターを保有している。(2012年5月1日付けプレスリリースより)

受注

-2011年のValeoの受注案件:
中国および米国、欧州からステアリングセンサーを受注
中国自動車メーカーから内装電子製品やリモートアクセス、スタートシステムを受注
中国会社から自動車ボディコントロールの受注。(2011年度同社の年鑑より)

企業買収

-11月9日、Valeo groupは奇瑞汽車の完全化子会社蕪湖奇瑞科技有限公司との間で協議書に調印し、奇瑞科技傘下の蕪湖羅比汽車照明系統有限公司の株式80%を買収し新合弁会社蕪湖法雷奧汽車照明系統有限公司を設立する。この会社はValeo製照明製品の研究・開発および生産を行い、主に奇瑞汽車と中国市場へ提供している。(2011年11月21日付けプレスリリースより)

-Valeoは、RHJ Internationalおよび日産からのナイルス買収手続きが完了したと発表。ナイルスは2011年7月1日付けで、ValeoのComfort and Driving Assistance Business Group(内部制御・内部電子・アクセスメカニズム)に統合される予定。なお、ナイルスの2010年売上は412百万ユーロ(470億円)。生産8拠点に従業員3,900名を抱える。 (2011年6月30日付けプレスリリースより)


長城汽車と戦略的提携契約を締結

-Valeo Groupと長城汽車(Great Wall Motors)は、戦略的提携契約を締結した。ワイパーシステム、ジェネレーター、スターター、クラッチなどに関する協業を強化する。またこれをもとにパ ワートレイン部品、視覚システム、サーマルシステム、運転支援システムなどの分野においても技術協力を拡大する計画。Valeoは、2005年より長城汽車への供給を開始しており、ワイパーシステムは「Wingle」に、ジェネレーターおよびスターターは「GW491QE」エンジンに採用されている。(2011年7月19日付けプレスリリースより)

新工場

-Valeoは、中国に新拠点を2ヶ所開設した。広東省深圳(Shenzhen)市にエレクトロニクス開発センター(Electronics Expertise Center)、浙江省温嶺(Wenling)市にワイパーシステム工場を建設したもの。この開発センターは同社の深圳工場内に位置し、電気自動車向けのエレクトロニクス部品を開発する。また、温嶺のワイパーシステム新工場は面積15,600平方メートル。従業員数は約800名。同工場建設により、温嶺の旧工場は廃止となる。(2011年7月19日付けプレスリリースより)

-Valeoの受注が増えると伴い、ビューシステム事業も平穏に上昇している。それに対応するため、Valeoは中国の北部に工場を建設する。中部の武漢、東部の蕪湖、南部の佛山の事業を支持・拡大することを目指す。重要な中国自動車生産地域をカバーすることを通じ、中国自動車市場へ更に良質なサービスを提供する。(2011年度同社の年鑑より)

開発動向

研究活動

-Valeoは深センの全球電子技術センター(Electronics Expertise Center)に100人以上のエンジニアを有しており、さらに、2015年までに200人を新しく雇用する計画。Valeo groupは営業収益の5%を製品研究・開発に投入する。

-Valeoは新興市場に大きな成功を遂げているという。例えば、新興市場の標準に対応し重量を40%減少した次世代超軽量化ステアリングロックを開発した。中国自動車メーカーからの受注が増えているとともに、同社製ドアロック「Optimum latch」がさらに多くの中国製自動車に採用されることになったとしている。(2011年度同社の年鑑より)


新製品

-Valeoは中国・北京で開催されている「オートチャイナ2012(北京モーターショー)」で、燃費効率を高めつつ運転をより楽しいものにする5つのイノベーションを展示している。ドライバーのステアリング操作なしで縦列駐車とバック駐車をサポートする第2世代の駐車支援システム「パーク4U」をはじめ、エアインテークモジュールや小型LEDヘッドランプのほか、パワートレーン向け電子化ソリューション「ハイブリッド4オール」、従来のATに比べ10%近い燃費改善に貢献する「ダブルドライクラッチトランスミッション」など最新技術と製品を披露している。また、Citroenのコンセプトカー「Numero 9」に、同社の「FullLED」ヘッドランプの新製品が搭載されたと発表。(2012年4月23日付プレスリリースより)

 

研究開発施設

名称 製品
部門
所在地 業容
上海テクニカルセンター 法雷奥汽車空調系統中国技術中心 (Valeo Climate Control Systems China Technical Center) クライメート コントロール 上海 -OEM供給する中国メーカーへの技術支援。

-アジア及び新興市場における技術支援。
法雷奥汽車冷却系統中国技術中心
(Valeo Engine Cooling Systems China Technical Center)
エンジンクーリング
法雷奥雨刮系統亜洲技術中心
(Valeo Wipers Systems Asia Technical Center)
ワイパーシステム
法雷奥集団照明系統中国技術中心
(Valeo Lighting Systems China Technical Center)
ライティングシステム 湖北省
武漢
-中国及び全世界向けにライティングシステム製品を開発。
法雷奥深圳電子件専業中心(Valeo Shenzhen Electrical Technical Centre) インテリアコントロール 広東省深圳市 -インテリアコントロール製品の研究開発

設備投資

中国事業へ投資

-Valeoは1.12億元を投資し武漢開発区に位置している武漢工場を3度目の拡大工事を行う計画。完成後、年産ヘッドライトおよびテールライトはそれぞれ50万個増加し、年間総生産能力はライト500万個、営業収益は17億元となる。(2012320日付けプレスリリースより)

-Valeo SAは、2015年まで、中国市場だけに約4、5億ユーロを投資する計画を発表。2013年まで、同地域での売上を2009年の4.6億ユーロから9.2億ユーロまで倍増させる。(2010年度同社の年鑑より)