(株) 東海理化電機製作所 2015年3月期の動向

ハイライト

業績

 (単位:百万円)
2015年
3月期
2014年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 452,195 437,807 3.3 -
営業利益 31,192 30,115 3.6 -
経常利益 32,242 32,323 (0.3) -
当期純利益 19,730 17,258 14.3 -
部門別売上
-日本 229,260 239,890 (4.4) 1)
-北米 106,906 86,792 23.2 2)
-アジア 88,476 85,342 3.7 3)
-その他 27,552 25,780 6.9 4)


要因
1) <日本>
-消費税に伴う駆け込み需要の反動減による客先生産台数の減少などにより、売上高は前年比4.4減。
-営業利益は、合理化努力や円安効果があったものの、売上高の減少などにより、前年比14.3%減。

2) <北米>
-客先生産台数の増加などにより売上高は前年比23.2%増。
-営業利益は、売上高の増加などにより前年比135.1%増。

3) <アジア>
-中国、タイでの主要客先向け売上高の減少はあったものの、円安による為替換算上の影響などにより、売上高は前年比3.7%増。
-営業利益は、中国、タイでの操業度減の影響などにより、前年比横ばい。

4) <その他>
-欧州および南米の現地法人を含むその他の地域の売上高は前年比6.9%増。
-営業利益は前年比48.7%増。

子会社化

-2014年5月、エレクトロニクス事業の強化に向けて、同社グループ関連会社のTRMACエンジニアリングを完全子会社化したと発表。TRMACは、車載用電子機器の設計・評価を行っている。2014年11月、株式会社 東海理化アドバンストに社名変更。

受注

-センターコンソール部に設置してカーナビなどを直感的にコントロールできる国内初のタッチパッド式遠隔操作システムが、トヨタ自動車が7月29日に発売したLexus 「NX」 に初採用。本社工場 (愛知県大口町) で生産を開始し、トヨタ自動車九州・宮田工場 (福岡県宮若市) に供給している。第2弾として2014年発売のスポーツクーペ Lexus 「RC」 向けも受注している。 (2014年8月6日付日刊自動車新聞より)
>>>2013年東京モーターショー、展示情報

-ステアリングホイール新加飾技術が、トヨタ自動車の「Alphard」、「Vellfire」に採用。(2015年3月期)


2016年3月期の見通し

 (単位:百万円)
  2016年3月期
(予想)
2015年3月期
(実績)
増減率
(%)
売上高 471,000 452,195 4.2
営業利益 33,000 31,192 5.8
経常利益 34,000 32,242 5.5
当期純利益 22,500 19,730 14.0

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

研究開発費

 (単位:百万円)
  2015年3月期 2014年3月期 2013年3月期
日本 21,849 19,768 17,379
北米 678 493 568
全社 22,527 20,262 17,948



研究開発活動

-日本では先行開発や要素技術開発を行い、北米・欧州・中国の各拠点では地域ニーズの把握、地域最適を目指した企画提案や製品開発を行う。

スイッチ関連

-意匠性と操作性の向上を目指した入力システムや、表示と連携した多機能操作を可能にするスイッチの開発に取り組む。
-スマートフォンのような直感的な操作を実現したタッチパッド式遠隔操作デバイスを量産化。

セキュリティシステム関連
-グローバル展開を目指した低コストスマートキーシステムを開発、量産化。
-HV・EV車両に代表されるバイワイヤタイプのシフトレバーのバリエーションを拡充している。

セーフティシステム関連
-軽量化ニーズに応えた次期標準リトラクタを搭載したシートベルトを開発、車種展開。
-低コストのドアミラーを開発、車種展開。
-独自の高精度加飾技術「3Dドライ転写技術」を応用し、複数の内装部品に連続性・統一感のある装飾を施す加飾パネルを量産化。

研究開発体制

-自動車メーカーが推進するモジュール戦略に対応するための開発体制の構築に着手。主要納入先であるトヨタ自動車は部品共通化戦略「トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー (TNGA)」を推進している。2013年に運転席周辺の表示、操作系部品をコクピットモジュール単位で共通化する方針を固め、部品メーカーにも意向を伝えた。このため、東海理化もTNGAに対応した開発体制を構築する。昨夏に設置したプロジェクトチームの構成メンバーは開発、デザイン部門を主体とした。今後は調達、製造、生産技術なども加えながら、競争力のある提案をまとめる。同時に有機EL (エレクトロルミネッセンス) やタッチパネルなどの技術研究も強化し、操作系システムの進化に備える。 (2014年1月17日付日刊自動車新聞より)

研究開発活動

-2014年6月に新たなプロジェクトチームとして「スイッチ事業再構築プロジェクト」を設置し、技術検討を集中的に実施。現在、運転席周辺はスイッチなどが増加して操作負荷が高まる傾向にある。負荷低減の手段としてヘッドアップディスプレー (HUD) や音声認識などが有望視されているが、コクピット全体で機能のバランスや有用性を確保するための具体像は定まっていない。東海理化は負荷を 「見える化」 する新測定技術を導入しつつ、製品の進化の方向性を見極めようとしている。コクピット周りのスイッチはクルマの多機能化によって増加。高級車では100以上に膨らむケースがあり、その操作がドライバーを疲れさせたり、不注意を引き起こすリスクにもなっている。東海理化が推進する取り組みはこうしたネックを解消し、快適で利便性の高い運転環境を実現することを目的としている。 (2014年9月12日付日刊自動車新聞より)

製品開発

トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー (TNGA)」に対応した第3世代のATシフトレバー
-トヨタ自動車が推進する設計改革「トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー (TNGA)」に対応した第3世代のATシフトレバーを開発。車台や運転位置を軸に部品共通化を図るTNGAのコンセプトに対応し、設計を共通化。さらに部品開発、工程構想の同期一括企画を推進。これにより、2009年にトヨタが3割の原価低減を掲げて打ち出した「RR-CI」の目標を完全に達成。レバー周辺のデザインにコストをかける余地をつくり、コストダウンと商品力の向上を一挙に実現した。2015年以降、国内外で同製品の供給を開始する。 (2015年3月16日付日刊自動車新聞より)

タッチパッド式遠隔操作システム
-センターコンソール部に設置してカーナビなどを直感的にコントロールできる国内初のタッチパッド式遠隔操作システムを開発したと発表。カーナビとともに オーディオ、エアコンなどの操作系を集約しており、ドライバーは姿勢を変えずにリモートコントロールできる。トヨタ自動車が7月29日に発売した Lexus 「NX」 に初採用された。本社工場 (愛知県大口町) で生産を開始し、トヨタ自動車九州・宮田工場 (福岡県宮若市) に供給している。第2弾として2014年発売のスポーツクーペ Lexus 「RC」 向けも受注している。 (2014年8月6日付日刊自動車新聞より)

主な技術導入契約

 (2015年3月31日)
契約会社名 相手方の名称 国名 契約内容 契約期間
(株) 東海理化 Autoliv Development AB スウェーデン 自動車用シートベルトに関する特許実施権の許諾 2007.12.01 -
該当特許権の終了日
TRW Vehicle Safety Systems Inc. 米国 自動車用シートベルトに関する特許実施権の許諾 2008.01.01 -
該当特許権の終了日



主な技術援助契約

(2015年3月31日現在)
契約会社名 相手方の名称 国名 契約内容 契約期間
(株) 東海理化 芦森工業 (株) 日本 自動車用シートベルトに関する特許実施権の許諾 2007.02.02 -
該当特許権の終了日
自動車用シートベルトに関する海外特許実施権の許諾 2007.02.02 -
該当特許権の終了日



設備投資額 

(単位:百万円)
  2015年3月期 2014年3月期 2013年3月期
全社 24,186 25,220 13,764


-2015年3月期、新製品切換えに対応した生産設備等に加え、グローバルでの生産体制強化のための中国・インド・フィリピン等での工場拡張などを実施。

海外投資

<メキシコ>
-2015年4月、メキシコに新工場を建設すると発表。同社のメキシコ進出は初めて。5月に新会社を設立し、2016年秋の操業開始を目指す。新工場ではスイッチやセキュリティー製品などを手がける。投資額は2018年度までで約3400万ドル(約40億円)。売上高は2018年度に5200万ドル(約62億円)を見込んでおり、2020年度には1億2600万ドル(約151億円)に引き上げる計画。 (2015年4月28日付日刊自動車新聞より)

<フィリピン>
-フィリピンにスイッチ類を手掛ける新工場を建設し、世界各地に製品を供給する輸出基地として活用を始めた。現地生産子会社の第2工場として設置したもので、2014年12月に稼働したばかり。投資額は2017年までに30億円程度を見込む。生産能力は従来に比べて約5割拡大する。レバーコントロールスイッチなどを集中生産し、北米、欧州、東南アジアなどに供給する。東海理化の海外拠点では唯一、スイッチの輸出基地として機能する格好。豊富な労働資源を活用してコスト競争力を高める一方、世界各地の供給能力を補完する役割を持たせる。 (2015年1月19日付日刊自動車新聞より)

設備の新設

 (2015年3月31日現在)

-2016年3月期の設備投資計画は、自動車用部品事業を中心に約23,000百万円。主な内容は次の通り。

事業所名 所在地 設備の内容 投資予定
総額
(百万円)
着手 完了
予定
本社・本社工場 愛知県
大口町
スイッチ、エレクトロニクス製品等の部品製造、組付、検査設備等 4,271 2015年
3月
2016年
3月
豊田工場 愛知県
豊田市
シートベルト、装飾品の部品製造、組付、検査設備等 2,295 2014年
8月
2016年
3月
音羽工場・萩工場 愛知県
豊田市
キーロック、ステアリングホイール等の部品製造、組付、検査設備等 2,826 2014年
12月
2016年
3月