Cummins, Inc. 2014年12月期の動向

ハイライト

業績

 (単位:百万ドル)
2014年12月期 2013年12月期 増減率 (%) 要因
全社売上高 19,221 17,301 11.1 -
営業利益額 2,365 2,101 12.6 -
部門別売上高
エンジン事業 10,962 10,013 9.5 1)
コンポーネント事業 5,118 4,342 17.9 2)

要因
1)
-エンジン事業部門の2014年12月期の売上高は前年比9.5%増。要因として、
  • 北米の大型トラック市場からの需要増により、エンジン出荷台数が29%増加。
  • 北米中型トラック・バスの市場においては、市場シェアが上昇。
  • 小型車およびRV (レジャー用多目的車) においては、Chrysler向けの出荷が9%増加。
2)
-コンポーネント事業部門の2014年12月期の売上高は前年比17.9%増。要因として、
  • 排ガス製品については、北米の自動車関連市場からの需要増、欧州および中国での新排ガス規制対応商品の需要増。
  • ターボチャージャーについては、北米および欧州の自動車関連市場からの需要増。
  • 燃料システムについては、北米の自動車関連市場からの需要増、北京福田 (Beijing Foton) 製新規ISGエンジンの供給開始。

受注

-米国Detroitにおける北米国際自動車ショーで展示される日産のフルサイズピックアップトラック 「Titan XD」 に、同社の5.0L V型8気筒ターボディーゼルエンジンが採用されたと発表。このエンジンは、米国インディアナ州ColumbusにあるColumbus Engine Plantで生産される予定。 (2015年1月発行プレスリリースより)

-Volvo Trucksの 「VNL Series」 の全モデルに、パワートレイン 「SmartAdvantage」 が採用された。Volvo向け 「SmartAdvantage」 は同社の 「SmartTorque2」 付き 「ISX15」 エンジンを、Eatonの自動トランスミッション 「Fuller Advantage」 シリーズと組み合わせたパワートレイン。

-Chryslerの大型ピックアップトラック 「Ram 2500」、「Ram 3500」 のほか、シャシーキャブモデル 「Ram 3500」、「Ram 4500」、「Ram 5500」に6.7Lターボディーゼルエンジンが採用されている。 (2014年7月7日付プレスリリースより)

受賞

-Chrysler Groupより2013年 「Supplier of the Year」 を受賞したと発表。「Powertrain」 部門および 「Technical Cost Reduction」 部門で受賞しており、2賞を同時に受賞するのは今回が初めて。 (2014年7月7日付プレスリリースより)

サプライヤー表彰

-米国におけるトップサプライヤーを表彰した。今回表彰されたサプライヤーには、Robert Bosch LLC、NGK Automotive Ceramics USA、WABCO Compressor ManufacturingEatonTeksid Hierro De Mexicoが含まれる。 (2014年5月2日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発費

(単位:百万ドル)
  2014年12月期 2013年12月期 2012年12月期
全社 754 713 728
-エンジン事業 438 416 433
-コンポーネント事業 230 218 213

研究開発体制

-全世界に19の技術センターを保有。

-中国武漢 (Wuhan) のテクニカルセンターを現在の4倍に拡張すると発表した。拡張後は、米国以外では同社最大規模で、また開発されるエンジンの種類も最多となるエンジン研究開発拠点になるという。投資額は160百万米ドル。敷地面積は現在の26,000平方メートルから106,000平方メートルに拡張される。将来的には500-1,000名の人員と60の実験室を有し、大型エンジンを含む同社製品全シリーズの研究開発を行う計画としている。 (2014年9月19日付け各種リリースより)

共同開発

-Cummins、Eaton、Peterbilt Motorsの3社は、「SuperTruck」 プロジェクトにおいて、エンジンのアイドリング低減に向けた高効率のクリーンディーゼルエンジン、排熱回収システム、空気力学を考慮したトラクターおよびトレーラーの連結、リチウムイオン電池の補助動力ユニットなどの開発・実証を行っている。 (2014年5月15日付プレスリリースより)

製品開発

「SmartAdvantage」 パワートレイン
-同社の 「SmartTorque2」 付き 「ISX15」 エンジンを、Eatonの自動トランスミッション 「Fuller Advantage」 シリーズと組み合わせたパワートレイン。燃費を3~6%向上させることができる。2013年の発売より顧客からの採用が拡大している。

-製品ラインを拡充し、同パッケージにディーゼルエンジン 「ISX12」 および総重量が最大11万ポンドの車両用の 「ISX15 SmartAdvantage」 を追加したと発表した。2014年秋に発売される予定。

-「SmartAdvantage」 パワートレインとMeritorのギア比2.79あるいはギア比2.85の 「14X」 タンデムドライブアクスルを組み合わせることにより、車両の速度を維持しながらエンジンの回転数を落とす 「ダウンスピーディング」 が作動し、長距離輸送車の燃費向上に寄与するという。

天然ガスエンジン 「ISX12 G」
-Cummins Westport (CumminsとWestport Innovationsの合弁会社) の天然ガスエンジン 「ISX12 G」と、Eaton製の自動トランスミッション 「UltraShift PLUS」のパッケージが北米市場で販売開始された。スパークプラグ点火方式の天然ガスエンジンと自動トランスミッションとを組み合わせたパッケージを、北米市場で販売するのは今回が初めて。 (2014年3月9日付プレスリリースより)

排出ガス基準 「LEV III」 に準拠する6.7Lターボディーゼルエンジン
-同社の6.7Lターボディーゼルエンジンが、カリフォルニア大気資源委員会 (CARB) より排出ガス基準 「LEV III」 に準拠すると認証を受けたと発表。2015年に導入されるこの新基準は、車両総重量評価 (GVWR) が14,000ポンド以下の全ての車両を対象としている。このエンジンは、Chryslerの大型トラック 「Ram」 シリーズに搭載され、GVWRが8,501-14,000ポンドの中型車向けディーゼルエンジンとして初めて 「LEV III」 に対応するという。 (2014年8月15日付プレスリリースより)

CO2排出量を80%低減するエンジンおよびパワートレイン
-既存の中型トラックに比べてCO2排出量を80%低減するエンジンおよびパワートレインを新たに開発したと発表。このプロジェクトには、同社とカリフォルニアエネルギー委員会 (CEC) が共同出資している。この 「ETHOS 2.8L」 エンジンの開発には、2年半で1,000マイル超の走行と1,500時間以上を費やし、CO2排出量を50%削減するという目標を大幅に上回った。E85燃料 (エタノール85%、ガソリン15%) に対応しており、最大250馬力・最大トルク450ポンドフィートを実現。これは、同エンジンの2倍の大きさのガソリン/ディーゼルエンジンと同レベルの性能となる。 (2014年7月14日付プレスリリースより)

設備投資

設備投資額

(単位:百万ドル)
  2014年12月期 2013年12月期 2012年12月期
全社 743 676 690
-エンジン事業 395 372 399
-コンポーネント事業 162 141 134

設備投資

<中国>
-無錫康明斯渦輪增圧技術有限公司 [Wuxi Cummins Turbo Technologies Co., Ltd.] は無錫の第2工場を正式に開業したと発表。第2工場の建設は2期に分けて実施することになっており、第1期はすでに完成し、同社全体の年産能力は2百万台に拡大した。第2期建設は2020年頃に開始する予定で、完成すれば年産能力は3百万台に達するとしている。現在同社の年産量は百万台を超えており、1996年の創立以来すでに累計9百万台のターボチャージャーを生産している。 (2014年11月25日付け各種リリースより)