(株) ティラド 2015年3月期の動向
業績 |
(単位:百万円) |
2015年 3月期 |
2014年 3月期 |
増減率 (%) | 要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 103,442 | 95,248 | 8.6 | - |
営業利益 | 3,300 | 4,145 | (20.4) | - |
経常利益 | 3,656 | 4,999 | (26.9) | - |
当期純利益 | 484 | 2,046 | (76.3) | - |
自動車用熱交換器 | ||||
売上高 | 66,370 | 58,390 | 13.7 | 1) |
要因
1) 自動車用熱交換器売上高
<日本>
-自動車用売上高は、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動による落ち込みがあったが、主要客先の受注が回復したことにより、前年比増。
<米国>
-自動車用売上高は、四輪市場の回復による主要客先からの受注が増加したことにより、前年比増。
<欧州>
-自動車用売上高は、ロシアにおいて経済情勢悪化により、既存機種が得意先販売不振の影響を受けたが、新規受注機種の量産開始等が寄与し、前年比増。
<アジア>
-自動車用売上高は、インドネシアにて前期および今期に新規受注した四輪用機種の量産開始により増加したが、タイにおいて景気落ち込みの影響が継続し、前年比減。
<中国>
-自動車用売上高は、新規受注した機種の量産開始により、前年比増。
事業方針
環境対応製品の売上高構成比を40%に高める
-2017年度までに環境対応製品の売上高構成比を2013年度の27%から40%に高める。自動車の低燃費化などを通じて環境負荷を低減できる製品を事業の柱として育てる方針だ。日本自動車部品工業会の「製品環境指標ガイドライン」に基づき、2021年度には生産活動に伴う二酸化炭素 (CO2) の排出量を環境製品による削減量で相殺する。将来的には、削減量が排出量を上回るCO2のマイナス化を目指していく。環境対応製品には、従来品からの代替を行うことでCO2の排出量を削減できる機器や装置が該当する。具体的には、アルミ製の高性能ラジエーターやEGR (排出ガス再循環装置) クーラー、ケーシングレスオイルクーラーなど。 (2014年9月11日付日刊自動車新聞より)
アルミ製ラジエーターの受注拡大
-ロシアでの経営環境の回復を待ち、同国子会社で生産するアルミ製ラジエーターの受注拡大を目指す。同社では2015年以降に周辺環境が改善することを前提とし、2017年度までに生産規模を2013年度比で4、5倍に拡大したいとしている。同社は2007年にラジエーター事業でのロシア進出を表明し、2008年度から子会社の「TRM LLC」で生産を開始している。しかし、操業直前のリーマンショックや最近の地域情勢の悪化により、当初に想定していた年産30万台に対して2013年度の生産台数は10万台弱にとどまっている。 (2014年9月4日付日刊自動車新聞より)
EGRクーラーの生産能力引き上げ
-ディーゼル車排出ガスのクリーン化やガソリン車の燃費向上に貢献するEGR (排出ガス再循環) クーラーの生産能力を引き上げ、2018年度までに2013年度比で3倍強となる400万台超えの供給を目指す。日本や欧米に加え、環境問題が浮き彫りになっている中国や東南アジア諸国連合 (ASEAN) でも環境規制の強化やエコカーの普及が進んでいることから、拡大が予測される需要に合わせて生産設備を構築する。 (2014年1月6日付日刊自動車新聞より)
中期経営計画 「T.RAD-10」 (達成期限:2018年3月期末) |
(単位:百万円) |
2015年3月期 (実績) |
2016年3月期 (予測) |
2017年3月期 (目標) |
2018年3月期 (目標) |
|
連結売上高 | 103,400 | 106,400 | 112,000 | 120,000 |
経常利益率 (%) | 3.5 | 2.5 | 5.5 | 6.5 |
長期ビジョン
-2021年度までに売上高を2013年度比2.1倍の2千億円に拡大する。加速的に需要が伸びているEGR (排出ガス再循環装置) クーラーとオイルクーラーの販売を大幅に増やすほか、アジア、北米などで日系以外の自動車メーカーや建機メーカーからの新規受注を獲得する考えだ。2014~2017年度で取り組む中期経営計画 「ティラド10」の経営目標である年間売上高1200億円を通過点とし、更に高いハードルを目指す。(2014年8月25日付日刊自動車新聞より)
受賞
-2014年2月、DaimlerよりSupplier Award 2013 (トラック・バス部門) を受賞した。今回の表彰は、Daimler Groupへの長年の世界的な熱交換器の安定供給と優れた技術に対して贈られたもの。 (2014年3月10日付プレスリリースより)
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2015年3月期 | 2014年3月期 | 2013年3月期 | |
日本 | 2,621 | 2,648 | 2,271 |
米国 | 33 | 22 | 23 |
欧州 | 25 | 11 | 17 |
アジア | 31 | 77 | 28 |
中国 | - | 34 | 67 |
合計 | 2,711 | 2,794 | 2,409 |
研究開発拠点
拠点名 | 所在地 |
技術本部 | -愛知県名古屋市 -神奈川県秦野市 |
生産技術センター | -滋賀県東近江市 -愛知県名古屋市 |
TACO/T.RAD R&D Centre | -インド プネ市 |
T.RAD North America R&D Center | - |
研究開発活動
1. 新製品開発と現有製品の改良開発
<新規事業分野>
-環境対応自動車分野において、ハイブリッド車、電気自動車、燃料電池車用冷却システムの開発を進めている。
<現事業分野>
-現有製品群の更なる高性能・小型軽量化および低コスト製品の開発を進めている。また、冷却系のモジュール化・システム化に取り組むとともに、リサイクル性に配慮した製品やエンジン排気ガス・燃費の改善に貢献する熱交換器の開発にも取り組んでいる。
2. 基礎研究
-材料および新加工の基礎研究、特に熱交換器用ステンレス材料、ニッケルろう材、表面処理、接合技術の研究を推進している。
製品開発
新型・超コンパクトEGRクーラー
- ガソリン、LPLディーゼル用として大幅な小型・軽量化を実現
-同社従来品比、性能同等で体積32%減、重量37%減。 - 日本・ASEAN・欧州・北米の各拠点でのグローバル展開が可能
高性能アルミ水冷オイルクーラー
- トランスミッション用/HVモーター用/エンジンオイル用など多様な用途に対応
- 高性能フィンの採用により、他社比で圧倒的な小型・軽量化を達成
- 丸、角、長方形のラインナップ
- 日本・中国・北米の3拠点でグローバル展開が可能
グローバル顧客のニーズに応える新世代ラジエーター "SMART" (SliM & Advanced Radiator Technology)
- フィン・チューブを改良し、高性能かつ30%軽量化 (世界最軽量) を実現
- グローバル展開が可能な高強度材を開発
- コンパクトで低消費電力な生産ラインを確立
技術援助契約 |
(2015年3月31日現在) |
相手方の名称 (国名) |
契約内容 | 契約期間 |
PT. Batarasura Mulia (インドネシア) |
ラジエーター製造に関する技術 | 2014年12月 - 2019年12月 |
Tata Toyo Radiator Ltd. (インド) |
ラジエーター製造に関する技術 | 2013年01月 - 2019年12月 |
TORC Co., Ltd. (タイ) |
ラジエーター製造に関する技術 | 2015年01月 - 2015年12月 |
青島東洋熱交換器有限公司 [Qingdao Toyo Heat Exchanger Co., Ltd.] (中国) |
アルミ熱交換器製造に関する技術 | 2013年04月 - 2018年03月 |
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2015年3月期 | 2014年3月期 | 2013年3月期 | |
日本 (同社単独) | 3,793 | 2,943 | 1,972 |
米国 | 2,609 | 1,056 | 1,146 |
欧州 | 533 | 63 | 168 |
アジア | 1,378 | 1,365 | 837 |
中国 | 511 | 1,135 | 733 |
その他 | 55 | 123 | 38 |
全社 | 8,880 | 6,688 | 4,897 |
海外投資
<米国>
-T.RAD North America Inc.に新工場を増築中。2015年6月末に完成予定。増築面積は15,000平方メートル。既存工場 (16,000平方メートル) と合わせて約2倍の工場面積となる。新機種受注拡大に伴う生産場所の確保、および外製部品の内製化による利益拡大と在庫量低減の狙いがある。2015年3月期の売上174百万ドルを、2018年3月期には270百万ドルにまで押し上げる計画。
設備の新設計画
-2016年3月期の設備新設などの投資予定額は9,889百万円。
事業所名 (所在地) |
設備の内容 | 投資予定 金額 (百万円) |
着手 | 完了 予定 |
秦野製作所 (神奈川県秦野市) |
ラジエーター等生産設備 | 995 | 2014年 9月 |
2016年 3月 |
名古屋製作所 (愛知県知多郡) |
ラジエーター等生産設備 | 1,186 | 2014年 3月 |
2016年 3月 |
滋賀製作所 (滋賀県東近江市) |
ラジエーター等生産設備 | 926 | 2014年 1月 |
2016年 3月 |
T.RAD North America, Inc. (米国ケンタッキー州) |
ラジエーター等生産設備 | 2,693 | 2013年 2月 |
2015年 12月 |
T.RAD (Thailand) Co., Ltd. (タイ チャチェンサオ県) |
ラジエーター等生産設備 | 888 | 2014年 12月 |
2015年 12月 |
東洋熱交換器 (中山) 有限公司 [T.RAD (Zhongshan) Co., Ltd.] (中国広東省中山市) |
ラジエーター等生産設備 | 757 | 2014年 11月 |
2015年 12月 |
PT. T.RAD Indonesia (インドネシア ブカシ市) |
ラジエーター等生産設備 | 631 | 2014年 7月 |
2015年 12月 |
T.RAD (Vietnam) Co., Ltd. (ベトナム ハノイ市) |
ラジエーター等生産設備 | 489 | 2014年 12月 |
2015年 12月 |
T.RAD Czech s.r.o. (チェコ ウンホスト市) |
ラジエーター等生産設備 | 385 | 2014年 2月 |
2015年 12月 |