フタバ産業 (株) 2014年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
2014年
3月期
2013年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 399,378 365,246 9.3 -日本の売上高が前年比0.4%減少したが、その他の北米、欧州、アジアで増収
営業利益 2,784 (360) - -生産効率の向上、原価改善、サプライチェーンの見直し等の収益改善施策が奏功し黒字転換
経常利益 2,365 (1,136) -
当期純利益 3,252 (4,040) -

事業計画

-2014年、第2次中期経営計画 (2015年3月期-2017年3月期) を策定。最終年度の数値目標は売上高395,000百万円、営業利益は8,000百万円。基本方針は以下の通り:
基本方針 詳細
1. 「安全、品質」の深化・向上と安定供給 -
2. 「ものづくり改革」と「コア技術強化」による収益力の向上 車体の軽量化および衝突安全性の両立を実現するため、素材の薄肉化、超高度強度化を達成する「ホットプレス」、「冷間120Kハイテン材の加工」の積極的採用
-2015年度をめどにホットプレス (熱間プレス) 事業に本格参入する。ホットプレスは鋼板を熱してプレス成形する工法で、引っ張り強度1,500メガパスカル級の超高強度の車体骨格部品が生産可能になる。15年までに六ツ美工場 (愛知県岡崎市) に量産ラインを2本設置し、自動車メーカーへの供給を開始する。投資額は約16億円を見込む。衝突安全性能の向上と軽量化を両立する新工法を導入し、車体部品の競争力を高める。また次世代技術として高張力鋼板で1,200メガパスカル級の部品を成形する工法の確立にも取り組み、競合と差別化を図る。(2014年2月6日付日刊自動車新聞より)
3. スピーディーなグローバル展開 -米国、中国、欧州で現地調達を加速し、2017年度までに日本からの構成部品の供給を7割削減する。現在は3地域合計で年111億円強 (12年度実績) を輸出している。これに対し、各地域で仕入先の開拓や育成、自社工場での構成部品の内製などに取り組む。これにより、グローバル規模で為替に左右されない収益体質を構築する。為替相場は1ドル=104円まで円安に振れているが、中長期の備えとして地産地消の基盤づくりを推進する。特に経営課題となる北米地域の競争力向上に集中し、成長に向けた足場を築く。(2013年12月26日付日刊自動車新聞より)
4. コア技術を活かした新しい価値の創出、商品化 -ヒートマネジメント技術を活かした新型排気熱回収器:
排気熱回収器「パワレブ」を系列外取引の拡大に向けた戦略製品として拡販する。主力製品のマフラーは自動車メーカーとともに排気系全体を見た開発作業が必要となる分野だけに他系列への参入障壁が高い。これに対し、排熱回収器は燃費改善に貢献する部品としてコンポーネント単位で提案が可能。今後はトヨタ自動車以外の自動車メーカーに幅広く受注活動を展開し、2020年度までに現状の2倍以上となる年間売上高100億円規模のビジネスに育成する。これを突破口に日米欧のメーカーから排気系システムを一括受注することも目指す。(2013年12月3日付日刊自動車新聞より)
-今後成長が見込まれるDPF等の環境関連製品、家庭用燃料電池関連を収益の柱として、積極的に開発・商品化を推進。
5. 人材育成、組織活性化 -

受注

排熱回収器
-2013年11月、マツダが21日に発売した「Axela Hybrid」向けに新型排気熱回収器「パワレブ (POWEREV)」を供給開始したと発表した。同部品をトヨタ自動車以外に供給するのは初めて。マツダがトヨタから技術供与を受けてハイブリッド車 (HV) を商品化したことに合わせ、次世代品を開発した。従来品に比べ熱交換性能を30%向上する一方、熱交換器のサイズ、重量を半減した。今後はHVなどの熱効率を高める機能製品として、日米欧の自動車メーカーに提案する。排気熱回収器は排気ガスの熱をエンジン冷却水に伝えて暖気を促進する部品。ヒーターの熱源として活用し、暖房効率を高めることも出来る。従来はトヨタ「Prius」などに供給していたが、系列外に初供給することを機に「パワレブ」という名称をつけた。今回の部品は同社が開発し、岡山県に本拠を置く関係会社三恵工業が生産、供給している。(2013年11月29日付日刊自動車新聞より)
>>>製品画像

2015年3月期の見通し

(単位:百万円)
  2015年3月期
(予測)
2014年3月期
(実績)
増減
(%)
全社
売上高 384,700 399,378 (3.7)
営業利益 3,800 2,784 36.5
経常利益 2,400 2,365 1.5
当期純利益 100 3,252 (96.9)

-2015年3月期の見通しについて、北米、欧州、アジアでは増収を見込む。一方で日本において、売上高および営業利益ともに前期 (2014年3月期) 比で二桁マイナスとなり、全社売上高は同3.7%減少になると予測。

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
2014年3月期 2013年3月期 2012年3月期
全社 2,586 2,162 2,214

-同社の研究開発の大半は、自動車等車両部品事業が占める。

研究開発活動

-以下研究開発活動を推進している:
  • 主力製品の排気系・ボディ系・シャシー系・燃料系の各部品:低燃費化への貢献を目指し、軽量かつ低コスト化に関する開発
  • ハイブリッド車などの燃費向上のための排熱回収装置:高性能・小型・軽量化に関する開発
  • エネルギー効率を最大限に引き上げるためのヒートマネジメントシステムの開発
  • 車体軽量化および衝突安全性向上への対応:ホットスタンプや1,180MPa級の高張力鋼板の新成形工法開発に取り組み、薄板かつ高強度なボディ骨格部品の開発
  • 排出ガス対策:ディーゼル車のPM (粒子状物質) / NOx (窒素酸化物) 処理装置の開発
  • 環境機器分野:熱交換器の開発

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
2014年3月期 2013年3月期 2012年3月期
日本 8,998 11,379 9,558
北米 2,681 3,056 1,238
欧州 1,245 699 296
アジア 8,548 1,531 2,289
合計 21,474 16,667 13,382

-2014年3月期、自動車等車両部品事業を中心に生産性向上のための合理化・省力化投資並びに製品切替に伴う生産設備投資 (主に組立溶接ライン、金型および治具) を実施。

-2015年3月期の設備投資額は、23,000百万円を計画。

設備の新設計画 (自動車部品関連)

(2014年3月31日現在)
事業所名
(所在地)
設備内容 投資
予定総額
(百万円)
着手 完了予定
フタバ産業(株)
本社・岡崎工場
(愛知県岡崎市)
生産設備 1,700 2013年5月 2015年3月
緑工場
(愛知県豊田市)
生産設備 300 2013年10月 2015年3月
知立工場
(愛知県知立市)
生産設備 200 2013年11月 2015年3月
幸田工場
(愛知県額田郡)
生産設備 700 2012年10月 2015年3月
研究設備 600 2014年3月 2015年3月
六ッ美工場
(愛知県岡崎市)
生産設備 500 2013年5月 2015年3月
田原工場
(愛知県田原市)
生産設備 850 2013年4月 2015年3月
高橋工場
(愛知県岡崎市)
生産設備 350 2012年10月 2015年3月
金型治具等 4,900 2012年10月 2015年3月
連結子会社
(株) フタバ九州 伊万里工場
(佐賀県伊万里市)
生産設備 100 2014年3月 2015年3月
(株) フタバ九州 直方工場
(福岡県直方市)
生産設備 850 2014年3月 2015年3月
(株) フタバ平泉
(岩手県西磐井郡)
生産設備 200 2014年4月 2015年3月
(株) アピックス
(愛知県額田郡)
生産設備 200 2014年3月 2015年3月
FIC America Corp.
(米国イリノイ州)
生産設備 300 2014年3月 2015年3月
Futaba Indiana of America Corp.
(米国インディアナ州)
生産設備 1,100 2014年3月 2015年3月
Futaba Industrial Texas Corp.
(米国テキサス州)
生産設備 70 2014年3月 2015年3月
FIO Automotive Canada Corp.
(カナダ オンタリオ州)
生産設備 2,800 2014年3月 2015年3月
Futaba-Tenneco U.K. Ltd.
(英国ランカシャー州)
生産設備 80 2013年12月 2015年3月
Futaba Industrial U.K. Ltd.
(英国ダービシャー州)
生産設備 50 2014年1月 2015年3月
Futaba Czech s.r.o.
(チェコ ハブリチコフブラッド)
生産設備 2,900 2013年12月 2015年3月
双叶金属制品 (深圳) 有限公司
[Shenzhen Futaba Metal Products Co., Ltd.]
(中国広東省)
生産設備 200 2013年12月 2014年12月
天津双協機械工業有限公司
[Tianjin Shuang Shye Mechanical Industrial Co.,Ltd.]
(中国天津市)
生産設備 600 2013年12月 2014年12月
天津双叶協展機械有限公司
[Tianjin Futaba Shye Chan Mechanical Industrial Co.,Ltd.]
(中国天津市)
生産設備 1,000 2013年12月 2014年12月
広州双叶汽車部件有限公司
[Guangzhou Futaba Auto Parts Co., Ltd.]
(中国広東省)
生産設備 350 2013年12月 2014年12月
東莞双叶金属制品有限公司
[Dongguan Futaba Metal Products Co., Ltd]
(中国広東省)
生産設備 200 2014年1月 2014年12月
長沙双叶汽車有限公司
[Chngsha Futaba Auto Parts Co., Ltd.]
(中国湖南省)
生産設備 200 2014年1月 2014年12月
重慶福達巴汽車部件有限公司
[Chongqing Futaba Automotive Parts Co., Ltd.]
(中国重慶市)
生産設備 700 2013年12月 2014年12月
FMI Automotive Components Ltd.
(インド ハリアナ州)
生産設備 500 2014年3月 2015年3月
PT. Futaba Industrial Indonesia
(インドネシア ブカシ県)
生産設備 500 2014年3月 2015年3月