(株) エクセディ 2018年3月期の動向

業績

(単位:百万円)
2018年
3月期
2017年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 283,319 268,188 5.6

-中国及び国内を主としたAT製品の堅調な受注増加により増収。

営業利益 23,808 22,980 3.6 -MT製品における価格競争の激化や鋼材市況の変動影響はあるものの、増収とコスト低減活動により増益。
税引前利益 22,499 21,744 3.5 -
親会社株主に帰属する当期純利益 15,791 14,237 10.9 -


セグメント動向

MT事業は海外の受注増加により前年同期比6.2%増の増収となったものの、セグメント利益では価格競争の激化等により8.9%の減益となった。

ーAT事業においては、中国及び国内での堅調な受注増加により、前年同期比4.6%増、セグメント利益も9.1%の増益となった。

 

事業拡大

同社グループが電気自動車 (EV) ベンチャーのFOMMに出資したと発表した。FOMMが第三者割当増資の方法により新株式を発行し、エクセディグループのダイナックスがこれを引き受けた。今回の出資により、EV事業におけるFOMMやその提携先企業とのコラボレーションを推進し、事業領域の拡大や業績向上を目指すとしている。(2018213日付プレスリリースより)


>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

研究開発費

(単位:百万円)
2018年3月期 2017年3月期 2016年3月期
MT事業 1,212 1,235 1,255
AT事業 1,880 1,789 1,754
その他 1,045 1,011 998
新商品開発費 1,631 1,727 1,366
合計 5,768 5,763 5,374



研究開発体制

-2018年3月31日現在、研究開発スタッフはグループ全体で471名。総従業員の約3%に相当。
-研究開発は同社を中心に以下拠点で実施:

名称 所在地
国内
(株) ダイナックス 北海道
海外
愛思帝 (重慶) 駆動系統有限公司
[EXEDY Chongqing Co., Ltd.]
中国 重慶市
エクセディダイナックス上海
[EXEDY DYNAX Shanghai Co., Ltd.]
中国 上海市
EXEDY Friction Material Co., Ltd. タイ チョンブリ
EXEDY ENGINEERING ASIA Co., Ltd. タイ チョンブリ
EXEDY India Ltd. インド マハラシュトラ州



研究開発活動

MT事業
-乗用車系部品では、環境問題・低燃費に対応した希薄燃焼型エンジンや直噴ディーゼルエンジンから生じる振動を効率的に吸収する、高性能ダンパー付きクラッチや2マスフライホイールの開発を推進している。

-商用車系部品では、マニュアルクラッチをはじめ、MTの発進・変速操作を自動化したAMT用として、コントロールユニットの指令に従ってクラッチを操作するアクチュエーターユニットおよびモータードライバーなどの製品を開発している。

AT事業
-トルクコンバーター、ロックアップクラッチ、湿式クラッチなどを開発。
湿式クラッチに関して、内部の油の流れ、面圧を解明し、スリップ性能改善につなげる研究を最新のコンピューターシステムを駆使して継続的に進めている。

-低燃費を実現するために低速度域までロックアップ領域を拡大し、低速のクラッチ締結時の振動を減衰するトルクコンバーターの開発に成功し、新規受注を獲得。

-連結子会社のダイナックスでは、ロックアップクラッチ用摩擦材をはじめ、自動変速機の部品を開発しており、不織布を用いた湿式摩擦材などの技術を培っている。商用車系では、DCTへの適用部品開発を進めており、ダイナックスは商用車初の湿式デュアルクラッチを量産。

その他
-ダウンサイジング過給エンジンや気筒休止エンジン用の高性能ダンパーの開発。

-ハイブリッド車用に、モーター内周部に収容でき、エンジン/モーター間を断接する乾式多板クラッチや、エンジン/モーター切替え時、およびエンジン走行時に発生する振動を吸収するダンパー装置、エンジンへの過大負荷入力を防止するトルクリミッター付きダンパーなどの新製品分野の開発も行っている。

設備投資額

(単位:百万円)
2018年3月期 2017年3月期 2016年3月期
MT事業 2,742 3,884 4,859
AT事業 17,275 17,709 19,795
その他 1,244 1,012 2,187
合計 21,260 22,607 26,842

 
ー子会社のExedy-Dynax MexicoによるAguascalientes工場の拡張が完了したと発表。投資額は87.8百万ドル。Aguascalientes工場3度目の投資により、生産スペースは136,000平方メートル拡張した。Exedy-Dynax Mexico2011年からAguascalientes工場での操業を開始している。同社はジヤトコ、日産、いすゞ、スズキ、FordGM、トヨタ、三菱、現代、ホンダなどにクラッチおよびトルクコンバーターを供給している。(2017514日付 Mexico-Nowより)

ー2019~20年頃に中国でのトルクコンバーターの生産能力を現状の2倍に引き上げる。中国の乗用車市場でオートマチックトランスミッション(AT)化が進んでいるのに加え、世界最大の自動車市場である中国では今後も市場が拡大する見通し。このため、AT向けトルクコンバーターの需要増加に備えて中国事業の拡大を図る。中国でトルクコンバーターを生産している子会社のエクセディダイナックス上海の工場に新たな生産設備を導入して生産能力を増強する。(2017年12月8日付日刊自動車新聞より)

 

設備投資計画

-2018年3月期、同社グループは30,000百万円の設備投資を計画。このうち、MT事業に3,000百万円、AT事業に21,900百万円を投資する計画。