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5. NTN (株) 2015年3月期の動向

営業利益率目標

-2018年3月期に自動車事業の営業利益率を2014年3月期の2.8%から5.0%以上に高める。原価低減活動に加えて、ハブベアリングや等速ジョイント、トランスミッション部品といった部品単体での販売から、複数部品を組み合わせたモジュール品の販売へ切り替えていく。付加価値の高い製品の提案を強化していくことで新規受注の拡大につなげるとともに、課題であった自動車事業の収益改善に結びつける。 (2014年8月28日付日刊自動車新聞より)

新中期経営計画「NTN100」 (2016年3月期 -2018年3月期)

-NTN100とは 「次の100年に向けたNTNの変革」。

*2016年3月期については、親会社株主に帰属する当期純利益。

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

研究開発体制

-日本では最先端技術の研究開発を行い、グローバル市場に向けた研究開発活動をリードする。
-欧州では現地生産品に関する研究開発を独自に行っている。
-日本、米州、欧州、アジア他の各地域で市場拡販に即した技術サービスを提供。
-中国ではNTN China Technical Centerが大学との産学官連結活動を強化するとともに、現地の顧客ニーズや自然環境に合わせて現地で試験を実施。

研究開発拠点

製品開発

グリース潤滑高速深溝玉軸受
-電気自動車 (EV) やハイブリッド車 (HV) に搭載されるモーター用に、従来品比2倍となる業界最高の高速回転に対応する「グリース潤滑高速深溝玉軸受」を開発したと発表。新たに採用した樹脂製保持器の材料や形状を最適化し、高速回転時の遠心力による変形量を最小化したほか、軌道面への円滑なグリース供給により保持器と鋼球の摺動 (しゅうどう) 性向上を図った。封入するグリースも、高速回転の遠心力に耐えられる硬さと高速でも転走面に潤滑成分を供給できる粘度を組み合わせ、最適化を図ることで高速回転時の潤滑不足を解消している。EV・HVの小型・軽量化に貢献できる商品としてグローバル展開し、2016年度で売上高2億円を目指す。 (2015年3月5日付日刊自動車新聞より)

低断面高強度プレスプーリー
-新たに四輪車エンジンの補機ベルト用「低断面高強度プレスプーリー」を開発したと発表した。最適形状設計とプレス成形技術の改良により、従来比1.5倍の厚板鋼板の適用を可能にし、プーリー部の耐荷重性を2倍以上に向上した。断面積も従来比7割にすることで、外径の大きい軸受けと組み合わせることが可能。軸受けの寿命を4倍に延ばし、耐荷重性能の向上につなげた。自動車メーカー向けに、2015年度に2億円の売り上げを目指す。 (2014年6月14日付日刊自動車新聞より)

EBW (Electron Beam Welding) ドライブシャフト
-等速ジョイント用インボード外輪における製造方法に、電子ビーム溶接を採用した｢EBW (Electron Beam Welding) ドライブシャフト｣を開発した。従来、インボード外輪は車種ごとに専用設計/製造していた。この｢EBWドライブシャフト｣は、サイズごとに共通化して標準品としたカップ部と、車種に合わせて個別設計したステム (軸) 部を電子ビーム溶接で接合して製造することで、信頼性の高いドライブシャフトを短い開発リードタイムで提供する。 (2014年5月22日付プレスリリースより)

低トルクシールリング
-側面にV字状潤滑溝を形成した世界初の自動車変速機用「低トルクシールリング」を開発したと発表。軸の回転トルクを60%低減するなど自動変速機 (AT) や無段変速機 (CVT) の高効率化と小型化に貢献する。農業機械や建設機械用の変速機向けにも提案し、2016年度に売上高1億円を目指す。新製品は特殊充填剤を配合したPEEK (ポリエーテルエーテルケトン) 樹脂を用い、射出成形を行う際、シールリングの側面にV字状の潤滑溝を形成した。従来品に比べ、回転トルクを60%低減し、摩耗量は最大10分の1に改善。材料組成の見直しによりシーリング幅の30%低減に成功した。V字状潤滑溝の形成は同社独自の技術で、世界初の試み。 (2014年3月19日付日刊自動車新聞より)

-2016年3月期の設備投資額は、50,000百万円を予定。 

2015年3月期の主な設備投資

国内投資

-等速ジョイントを生産する全額出資子会社のNTN袋井製作所 (静岡県袋井市) に新工場を建設すると発表。今年5月に生産を開始する予定。新工場は同製作所内の既存工場隣に建設し、延床面積は約1万平方メートル。建屋は既存工場と合わせて約2万7100平方メートルに拡張する。従業員は約70人の予定。投資額は明らかにしていないが20億円程度と見られる。同製作所の年間売上高は現状の100億円から、2015年度には約2倍に増える見通し。 (2014年2月5日付日刊自動車新聞より)

海外投資

<メキシコ>
-メキシコの子会社でハブベアリングと等速ジョイント (CVJ) を2016年3月期から量産すると発表。成長市場のメキシコで現地生産体制を構築し、今後の需要拡大に対応する。当面はメキシコ国内向けだが、将来的には北米全体への供給拠点としての役割も持たせる。売上高は2019年3月期に約200億円を目指す。2013年にアグアスカリエンテス州に設立した「NTN Manufacturing de Mexico, S.A. de C.V.」に工場を建設する。敷地面積は約5万6千平方メートルで、延べ床面積は約1万1200平方メートル。軽量でコンパクトな第3世代ハブベアリングとCVJを2016年3月期から量産する。従業員は当初は約100人で、2018年3月期に約300人に増員する予定。設備投資額は約120億円とみられる。NTNは米州地区ではアメリカとカナダ、ブラジルに製造拠点を持ち、ハブベアリングとCVJを生産している。 (2014年5月16日付日刊自動車新聞より)

<中国>
-中国・湖北省に等速ジョイント (CVJ) の新会社を合弁で設立すると発表。中国のCVJ製造拠点は3番目。2015年4月に量産を開始し、中国で生産する自動車メーカーに供給する。2018年3月期に売上高で約140億円を目指す。新会社「襄陽恩梯恩裕隆傳動系統有限公司」 (襄陽NTN) は湖北省襄陽市の経済技術開発区に立地。資本金は3400万米ドルで、NTNが60%、台湾の裕隆グループの江申工業股份有限公司が40%を出資する。敷地面積は約13万3千平方メートルで、延床面積は約2万4千平方メートル。従業員は当初300人程度だが順次増員し、2018年3月期には約500人の予定。 (2014年2月6日付日刊自動車新聞より)