Teksid S.p.A 2006年度の動向

ハイライト

業績

百万ドル 2006
年度
2005
年度
増減率 要因
売上 979 1,036 -5.5% 以下に記載
営業利益 56 45 +24.4%

全体
2006年, 鋳鉄部門で中核だったフランスの子会社(SBFM)を売却。売却による影響を除けば、推定売上高は前年度比3.5%増。


鋳鉄事業部門
鋳鉄事業部門は売上げで5.6%、販売量で6.5%減少。これはSBFMの売却に因るもの。売却がなかったとしたら、販売量の増加と為替差益(特にブラジル通貨レアル高)効果により、7.2%の増収となったはず。ブラジルは売上高では最高の成長市場であった。
持ち分法により共同管理する中国のHua Dong Teksid Automotive Foundry Co. Ltdを通じて中国の業績も好調に推移。2005年に比べて20.2%の増収。

マグネシウム事業部門
Meridian Technologies社(Teksidが51%、ノルウェーのNorsk Hydroグループが49%所有する合弁企業)が運営するマグネシウム事業は、関連市場、とりわけ2006年の売上げの8割を占める北米市場の不振により、売上げで5.2%、販売量で6.2%のマイナス成長。中核事業に焦点を絞るTeksid社の事業戦略にもとづき、2006年12月、同社とNorsk Hydro社は保有するMeridian Technologies社の株式の売却に関する合意文書に調印。売却先は、スイスの持ち株会社Estatia AGが中心となったコンソーシアム。関係当局の許可(2007年に認可された)および金融機関による購入者への融資の終了をまって売却手続きは終了。

営業利益

2006年度の営業利益は5,600万ユーロ。前年の実績4,500万ユーロに比べて改善した理由は、事業運営の効率化。

開発動向

研究開発費用

百万ユーロ 2006 2005 2004 2003
研究開発費用 5 5 4 7

製品開発
転圧黒鉛鋼(CGI: Compacted Graphite Iron)
-製品化されてから長期間たっているが、自動車分野での重要度が増したのはここ数年。
-金属基質内にランダムに拡散したグラファイト形状がこの素材の特徴。
-両端が丸みを帯びた長だ円形で、これら微粒子全体で三次元の均質な、相互に繋がった網状の模様を構成する。この構造が、CGIを特徴付ける性質を生み出す。
-通常のねずみ鋳鉄に比べて、グラファイトと基質の境界沿いに鋭角的な突起が無いため、素材内でのひび割れが起こりにくい。この特性により、静的及び動的な機械的性質を大幅に増加。
-さらに、ダクタイル鋼とは異なり、網状構造が熱伝導性及び衝撃吸収性を高いレベルで維持する。これら特性により、CGIは内燃機関のシリンダーブロック及びヘッド生産に適した素材であるとしている。

R&Dの中期計画
-NDCシステムを生産サイクルに統合
-低周波疲労エンジンコンポーネント開発のための材料データベース化
-エンジンコンポーネントの新たなコンセプトづくり
-黒鉛鋳鉄工程のコンパクト化と製品開発
-試作品立ち上げのリードタイム短縮

設備投資

設備投資費用
有形資産と無形資産への投資
(単位:100万ユーロ)

2006 2005
32 45

2000年以降の主な設備投資

2000年7月 イタリアRovigoのTeksid For SpAの株式をスペインBarcelonaのInfun SA Groupに一部売却
2001年4月 米国アラバマ州でアルミニウム鋳造の新工場設立(フル稼働2004年予定)
Teksid Aluminum Components Inc.
北米向けシリンダーブロック&シリンダーヘッドの供給
第1工場はlost-foam鋳造、製造延床面積220,000平方フィート
当初はGM Saturn部門向けにヘッド&ブロックを年産300,000セットを予定
第2工場は高圧ダイキャストによるV-6シリンダーブロック供給
年産300,000ユニット以上を予定、製造延床面積70,000平方フィート
2001年4月 中国の新工場Hua Dong Teksid Automotive Foundryオープン
現地メーカーの調達ニーズに対応し、乗用車&小型商用車向けエンジンブロックの生産
年産100万基(50万トン)