HUTCHINSON S.A. 2014年12月期の動向

近年の動向

業績

(単位:百万ユーロ)
2014年
12月期
2013年
12月期
増減率
(%)
要因
売上高 3,462 3,280 5.5 1)


要因
1) 売上高
-2014年12月期の売上高は、前年比で5.5%の増加。ドイツおよびアジアのOEMを始めとした、世界の自動車市場が堅調に推移したことを受け増収を達成。

事業再編

-2013年7月、同社は自動車用ホース製造子会社「Palamos Hutchinson, S.A.」 (スペイン) のブレーキホース事業を分社化する形で日本の自動車用ホースメーカーのニチリンと合弁会社「Hutchinson Nichirin Brake Hoses, S.L.」を設立。資本金は約800万~1千万ユーロの予定で、同社が70%、ニチリンが30%を出資する。ブレーキホースの製造・販売を手がけ、2014年3月期の売上高を1800万ユーロと計画。従業員は約170人。

受賞

-2013年11月、ContinentalSchaefflerより優秀サプライヤーに選出された。

工場閉鎖

-2012年下旬、同社はスペインのOyartzun工場を閉鎖。

研究開発費

(単位:百万ユーロ)
2014年12月期 2013年12月期 2012年12月期
全社 171 N/A 162


-毎年、売上高の約5%を研究開発費に投資。

研究開発体制

-中核研究開発拠点をフランスのMontargisに保有。同拠点では175名が研究開発に従事。その他に27拠点のテクニカルセンターを保有。

-2014年、Montargisに隣接するChalette-sur-Loingに複合材に関する研究拠点「CTeC (Composite Technical Center)」を設立。同拠点は複合材製の製品、素材、生産工程に特化した研究開発を行なう。従業員数は2014年末までに約50名を計画。

製品開発

トランスミッション用精密シールシステム
-ZFの8速ATに油圧ブレーキおよびクラッチ用二重成形ピストンを始めとしたシールシステムを供給。
-構成部品の点数・重量の削減、および6速ATに採用された製品比で約9%の燃費改善を実現。

ウィンドシールドシール
-ダッシュボードとフロントガラスの間に使用されるシール。エンジンからのノイズを低減する。
-ダッシュボード組み立て時の簡便化が考慮されており、組み立て時間および製造時の事故リスクを低減。
-TPEシールは軽量で、リサイクルが可能であり、経年劣化にも強い。
-Peugeot 「407」、「207」に搭載。

フレームシール
-ルーフと開放ルーフパネルの間に使用されるシール。走行時の風切音を低減する。
-「TEKSKIN」コーティングにより歪み・きしみ音を削減。
-Renault 「Megane」、「Clio」、「Laguna」に搭載。

ダッシュボードカウルベントグリルシール
-カウルベントグリルとフロントガラスの間のシール。
-組み立て時には、リップを動かさずカウルベントグリルを差し込むことが可能。これにより、組み立て工程が削減できる。
-トヨタ 「Yaris phase II」に搭載。

設備投資額

(単位:百万ユーロ)
2014年12月期 2013年12月期 2012年12月期
全社 109 N/A 89

海外投資

<ルーマニア>
-2011年、ルーマニアBrasovの工場を拡張。2011年12月に既存の6,000平方メートルの敷地に4,000平方メートル拡張。同設備ではシールシステムの製品が製造される。

<チュニジア>
-2010年10月、チュニジアのSousseに新工場を竣工。敷地面積は12,700平方メートル。航空機器向け製品の製造に使用されるが、一部自動車部品向けも製造していく計画。