J. Eberspaecher GmbH & Co. KG 2013年12月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ユーロ)
  2013年
12月期
2012年
12月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 2,916.4 2,826.5 3.2 1)
EBITDA 117.2 140.4 (16.5) -
エキゾーストテクノロジー部門
売上高 2,449.4 2,396.2 2.2 2)
クライメートコントロールシステム部門
売上高 427.0 399.9 6.8 3)
自動車制御部門
売上高 39.9 30.4 31.3 4)

要因
1) 全社
-2013年の全社売上高は、前年比3.2%増。主に、エキゾーストテクノロジー部門およびクライメートコントロール部門が寄与。

2) エキゾーストテクノロジー部門
-2013年の売上高は、前年比2.2%増。Wilsdruff拠点の量産開始効果により、商用車向け製品の売上が伸長。また、モノリス担体の販売が堅調であったことも売上高を押し上げた。

3) クライメートコントロールシステム部門
-2013年の売上高は、前年比6.8%増。バス用エアコンシステムが伸び悩んだものの、電動・燃料ヒーターの売上増加が寄与。

4) 自動車制御部門
-2013年の売上高は、前年比31.3%増。複数のドイツメーカーの高級車に、車載電力供給安定システムが採用されたことが寄与。

企業買収

-ロシア市場における自動車用ヒーターおよびクライメートコントロールシステム事業の拡大に向け、モスクワを本拠とする合弁会社OTEM ZAOを完全子会社化したと発表。これにより、同社の持分を50%から100%に引き上げるとともに、OTEM ZAOの社名を「CJSC Eberspaecher Climate Control Systems」に変更した。なお、Eberspaecherは、OTEM-SiberiaおよびOTEM-St. Petersburgの持分も保持している。(2013年2月18日付プレスリリースより)

合弁事業

-陝西汽車集団傘下の陝汽万方汽車零部件と、商用車用後処理システムの製造メーカーを中国に設立することで合意。新会社の名称は埃貝赫排気技術 (西安) 有限公司 [Eberspaecher Exhaust Technology Xi'an Co., Ltd.] で、出資比率は陝汽万方汽車零部件が51%、Eberspaecherが49%となる。2014年に生産を開始する計画。初期の年産能力は、2015年にディーゼルおよび圧縮天然ガス (CNG) エンジン用のエキゾーストシステム約10万個を見込んでいる。(2013年12月17日付プレスリリースより)

-クライメートコントロールシステム部門に属する同社子会社とミクニは、車両用ヒーターの合弁会社を日本に設立すると発表。新会社「Eberspaecher Mikuni Climate Control Systems」は2014年4月に折半出資 (資本金は100百万円) でミクニの小田原事業所内に設立される。2013年3月上旬に合弁契約を締結する。

再編

ドイツ Neunkirchen拠点
-2013年からの今後2年間にわたり、ドイツのNeunkirchen拠点において大規模な再編計画を行うと発表。現在、従業員約1,950名が勤務する同拠点はグループ最大の拠点。国際基準と比較して、費用構造や現地での生産活動が競争力を維持できなくなったことが今回の再編につながった。計画には、約300名の人員削減が含まれる。(2013年6月6日付プレスリリースより)

受賞

-2013年、「Volkswagen Group Award」をGlobal Champion部門で受賞。

開発動向

研究開発費

(単位:百万ユーロ)
  2013年12月期 2012年12月期 2011年12月期
合計 138.0 134.0 120.1
売上高に占める割合 (%) 4.7 4.7 4.6

研究開発体制

-約700名が研究開発に従事。

研究開発拠点

-研究開発活動は、以下11拠点で実施されている:
  • Esslingen (ドイツ)
  • Unna (ドイツ)
  • Neunkirchen (ドイツ)
  • Schwaebisch Gmuend (ドイツ)
  • Herxheim (ドイツ)
  • Renningen (ドイツ)
  • Goppingen (ドイツ)
  • Landau (ドイツ、2013年末時点で未稼働)
  • Paris (フランス)
  • Novi (米国)
  • Shanghai (中国)

研究開発活動

-2013年、以下製品および開発プロジェクトに注力:
排気システム

  • 乗用車用エキゾーストシステム
  • Euro 6に対応する商用車向け製品の開発
  • ノイズを低減し、カスタムサウンドを生成するアクティブマフラーシステム (Active muffler system)
  • 排気システム部分から熱を回収し、電気的および機械的エネルギーに変換する排熱回収システム (Heat recovery system)
  • カスタムデザインの材料やデザインの変更による軽量化
クライメートコントロールシステム
  • 燃料ヒーターシステムおよび補機
  • 予熱ヒーター用制御ユニット
  • ディーゼル燃料による固体酸化物形燃料電池の改良 (Solid oxide fuel cell)
  • 電気自動車用電動ヒーター
  • バス用エアコンシステムの改良 (コスト適正化、性能効率化、軽量化)
自動車制御
  • 車載電力供給安定システム
  • 急速電力貯蔵システム

製品開発

新型ウォーターヒーター
-新型ウォーターヒーター「Hydronic 2 Comfort」を開発。この製品は予熱時間を大幅に短縮するため、最大30%の燃費向上を実現する。従来製品と異なり、加熱開始時にエンジンを含めた冷却水の経路全体を温めるのではなく、ヒーターと熱交換器をつなぐ比較的小さな経路のみを加熱する。これにより、車両の窓についた氷をわずか数分で溶かすとともに、車室内も快適な温度にすることができる。加熱時間の短縮だけでなく、燃料消費およびCO2排出量も30%以上削減する。(2013年7月16日付プレスリリースより)

PTCクーラントヒーター
-第2世代のPTCクーラントヒーターを開発。重量2.4kg・加熱能力7kWの新製品は、設置容積は約1リットルでヒーターへの容易な統合が可能。(2013年7月16日付プレスリリースより)

SCCモジュール
-新型のSCC (Starter Current Control) モジュールを開発。アイドリングストップシステムを使用する際、スターターバッテリーを保護するもの。半導体パワーエレクトロニクスをベースとしたこの小型SCC製品は、ポールクランプに直接取り付けられ電流変動を制限することができる。

3kWコンバーター
-プラグインハイブリッド車向け3kWコンバーターも開発。12Vおよび48Vの電圧や複数のバッテリーを搭載したもの。電動ターボやブレーキブースター、ステアリングシステムなど48Vの大きな電力負荷がかかる製品に必要な電力を供給する。

設備投資

設備投資額

(単位:百万ユーロ)
  2013年12月期 2012年12月期 2011年12月期
合計 134.9 114.1 109.5

国内投資

-2013年4月、Landauで新工場の建設に着手。2013年末にKandel拠点の生産、また、2014年第1四半期までに全ての会社機能がLandau拠点に移管される。

海外投資

<中国>
-アジア地域本社および中国初となるエキゾーストシステムの生産工場を上海市嘉定 (Jiading) 区に建設したと発表。同拠点の面積は8,000平方メートル。まず、欧州およびアジアの乗用車メーカー向けに、触媒コンバーター、マニホールド触媒モジュール、マフラーを生産する。また、中国の商用車用エンジンメーカー向けにはエキゾーストシステム一式を供給する計画。製品ラインの拡充に伴い、2014年までに約90名の従業員を雇用し、長期的には約400名まで増員する見込み。さらに、中期的な開発能力の強化に向けて、新工場に面積4,400平方メートルの技術センターを併設する予定。(2013年6月14日付プレスリリースより)