Hella GmbH & Co. KGaA 2018年5月期の動向
業績 |
(単位:百万ユーロ) |
2018年 5月期 |
2017年 5月期 |
増減率 (%) | 要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 7,060 | 6,585 | 7.2 | -自動車セグメントの売上高は前年比8.1%増の5,433百万ユーロ。ドライバーアシスタンスシステム、エネルギーマネジメントの分野における、照明システムやエレクトロニクスソリューションへの需要の高まりが増収に寄与。 |
EBITDA | 1,018 | 919 | 11 | - |
部門別売上高 | ||||
照明 | 3,014 | 2,788 | 8.1 | - |
電子機器 | 2,368 | 2,191 | 8.1 | - |
研究開発費 |
(単位:百万ユーロ) |
2018年5月期 | 2017年5月期 | 2016年5月期 | |
全社 | 692 | 636 | 623 |
-自動車部門 | 658 | 605 | 591 |
全社研究開発費の全社売上高に占める割合 | 9.8% | 9.7% | 9.8% |
研究開発要員数 | 7,425 | 6,764 | 6,361 |
直近の動向
<自動運転>
同社は自動運転技術の開発の加速を目標に掲げており、その事業を発展、深化させるには、成長の機会を最大限活用することが必要と考える。同社は、自動運転関連の技術開発に焦点を当てるとともに、自社の照明、エレクトロニクスといったコアコンピタンスこそが自動運転技術の開発において中心的役割を担うと認識している。例えば、カメラソフトウェアやセンサーソリューションは、自動運転車が渋滞した道路を安全に走行できるように誘導する機能を有する。また、インテリアデザインを高める照明コンセプトを提供することにより、車内を生活空間、オフィス空間に変えていく。これ以外にも様々なアプリケーションを拡充することを通じ、同社はマーケットに適した新たな技術や製品を開発する。
-2018年2月、同社は自動運転分野におけるリーダーとして、新たなビジネスモデルを市場に導入すると発表した。同社は、先進安全支援機能付き第4世代24GHzレーダー技術の開発に着手すると同時に、77GHz技術を活用したレーダーセンサーの準備も進めている。さらに、自動駐車に関する技術的知見を構築し、システムプロバイダーとしての地位の確立をも目指す。
-2017年12月、同社は今後3年間にわたって、自動運転/非自動運転車両間のコミュニケーション技術に関する研究を進めると発表した。自動運転、コネクティビティ・デジタル化、効率化・電動化などは今後自動車業界の主流となるとしており、同社は高解像度照明システムの開発によって今後の自動車産業への貢献を図るとともに、協業ネットワークを拡大させていく方針。
-自動運転関連の主な事業提携、協業は以下の通り:
- ルネサスエレクトロニクスと100%子会社HELLA Aglaia Mobile Visionが、先進運転支援システム(ADAS)および自動運転向け車載フロントカメラ向けソリューションで協業。
- NXPとHELLA Aglaiaが、人工知能(AI)機能を用いて、先進運転支援システム(ADAS)カービジョン・プラットフォームを2018年に拡充。モジュラーセットアップに自動運転用AIを追加することが目的。
- NVIDIA、ZFと戦略的パートナーシップを締結し、量産用自動運転車に搭載する人工知能(AI)の開発で連携。
<自動駐車>
レーダーセンサーとフロントソフトウェアのリーディングサプライヤーとして、同社はセンサー・データプロセッシングソリューションを体系的に取り扱い、自動駐車などの複雑な機能も視野に入れている。
-レーダーセンサーの開発はLippstadt本社において一元管理されている。同社のシステムは、駐車スペースの大きさや歩道の高さ、接近する車や自転車の移動速度、距離、方向などを測定することができる。
-同社は第4世代24GHzレーダーを開発済みで、現在77GHzレーダーの開発を推進。新たなセンサーは車の外部環境を360度検知することが可能。周囲をシームレスに検知することは、自動駐車においては中核となる要件。2021年までに量産車に第1世代24GHzレーダーを搭載する計画。
合弁事業
-2017年11月、同社と北京海納川汽車部件股份有限公司はライティングシステムを製造する合弁工場を天津に開設。2020年に量産開始を予定。
-2017年11月、同社とイスラエルのBreezoMeterがクラウドベースのエアクオリティマネジメントシステムの開発で協業。
-2018年1月、同社の統合型ライティングコンセプトがAudi「A8」に搭載されたと発表。レーザーハイビーム付きHDマトリクスLEDヘッドランプが路上の視界を最大限に確保。インテリアとして、カスタマイズ可能なダイナミックライティング機能と、量産車向けにOLED技術を活用したリアコンビネーションランプを開発。
設備投資額 |
(単位:百万ユーロ) |
2018年5月期 | 2017年5月期 | 2016年5月期 | |
合計 | 432 | 517 | 463 |
-2018年5月期の主な設備投資は、建物、工場、機械等設備の維持、拡張。
海外投資
-同社はメキシコにエレクトロニクス製品の工場を新設。インドやリトアニアにも工場を建設中。また、上海のエレクトロニクス製品工場の能力増強に注力しており、新たな合弁工場の立ち上げを目指す。