Benteler AG 2010年12月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万ユーロ) |
2010年 12月期 |
2009年 12月期 |
増減率 (%) |
要因 |
|
グループ全体 | ||||
売上高 | 6,104 | 4,558 | 33.9 | - |
自動車部品部門 | ||||
売上高 | 4,793 | 3,605 | 33.0 | 1) |
要因
1)
-2010年の自動車部品部門売上高は4,793百万ユーロを達成し、2007年の記録を21百万ユーロ上回った。前年比33%、1,194百万ユーロ増を記録した。
シャシーシステム製品グループ
-シャシーシステム製品グループは、同社最大の部門。売上高は前年比23%増。コンポーネント事業は同23%、モジュール事業は同21%増となった。ロシアのKaluga工場、中国のFuzhou工場が売上を伸ばし、対してドイツおよびスペインの拠点が売上を減らしている。
構造製品グループ
-構造製品グループの売上は、33%増。
-為替差益は同社顧客に好影響を与えた。
-新たに買収したメキシコPueblaのプレス工場が売上に寄与。
エンジン・排気システム製品グループ
-エンジン・排気システム製品に売り上げは65%増加となり全社でもっとも高い伸び率を記録。
-増加の多くは北米および欧州市場の回復によるもの。
アルミニウムシステムス
-2009年12月に買収したNorsk Hydro ASAの事業を統合。同事業部は自動車用アルミコンポーネントを製造。同事業部に対し258百万ユーロの売上増となった。
合弁事業
-欧州のカーボンファイバーメーカーであるSGL Groupと合弁会社を設立。独Paderbornを本拠とする新合弁会社Benteler SGL GmbH & Co. KGに、自動車部品生産及び開発またカーボンファイバーや製品原材料の生産における両社のノウハウをプールする。企業買収
-Norsk Hydroの自動車構造部品事業買収を完了。同事業は主力のノルウェーRaufoss工場をはじめ、中国、チェコ、デ ンマーク、フランス、ドイツ、韓国、スウェーデン、米国にも生産拠点を保有している。従業員数は1,200人。 (2010年1月4日付プレスリリースより)受賞
-Fordはキーサプライヤー13社を新たに選定したと発表。今回認定されたのはBentelerの他、曙ブレーキ、Automotive Lighting、Brembo、Federal Mogul、Gentex、GKN、Hayes Lemmerz、Key Safety Systems、Michelin、Ronal、Samvardhana Motherson Reflectec、タカタ。Fordは主要サプライヤーとの協力体制強化のため、2005年に「アラインド・ビジネス・フレームワーク(ABF)」を設 立。ABF認定サプライヤーは今回発表された13社を含め90社となった。(2010年4月23日付プレスリリースより)開発動向
研究開発費 |
(単位:百万ユーロ) |
2010年12月期 | 2009年12月期 | 2008年12月期 | |
全社 | 109.5 |
97.7 | 123.3 |
-同社のR&D要因はおよそ1,000名。12カ国25カ所にR&D拠点を有している。2010年のR&D費用は前年比12%増の109.5百万ユーロ。
製品開発
排熱利用技術-排熱の利用は燃費の向上やCO2の低減で重要な技術。独公的機関のGerman FederalMinistry of Education and Researchは同社の2つのプロジェクトをサポートし、6.7百万ユーロを投じている。その他にBMW、Fraunhofer Gesellschaft、Paderborn大学がプロジェクトに加わっている。並行して、同社は排熱利用技術を採用した製品を拡充。セミアクティブシャシーシステムに応用できるブレークスルーを達成しており、現在試作品の開発を進めている。
エンジン・ダウンサイジング技術
-2010年は同社と顧客の先端技術開発プロジェクトが進み、製品への適用が始まった。同社のコア技術であるシートスチール・マニフォールド、マニフォールド・ターボモジュールが開発され量産に適用された。「マニターボ」は既存のキャストメタル技術に対して大きな優位性を発揮するとみられている。2010年に発売されたFord 2.0L Ecoboostエンジンに同技術が搭載された。
排気ガス循環技術
-2014年に始まるEuro 6基準に適合するため、排気ガス循環システムの開発が進んでいる。プレート冷却器の新世代製品が開発され、これにより製品ラインナップが拡大している。この新世代プレート冷却器により、冷却効率が上がり、ダートに対応した堅固なシステムが構築できる。
設備投資
設備投資額 |
(単位:百万ユーロ) |
2010年12月期 | 2009年12月期 | 2008年12月期 | |
グループ全社 | 247 |
171 | 208 |
自動車部品部門 | 209 |
128 | 133 |
-自動車部品部門には、全社投資額の83%を占める209百万ユーロが生産拠点の設備・装置に投じられた。個々のプロジェクトで重要なものとしては、ドイツにおいてBMW用のアクスル生産、米国におけるFord用の投資、カナダにおけるChrysler用の投資が挙げられている。新規工場の設立では、南アフリカ、ロシア、インドへの投資が行われた。