American Axle & Manufacturing Holdings, Inc. 2017年12月期の動向

業績

(単位:百万ドル)
2017年
12月期
2016
12月期
増減率
(%)
要因
売上高 6,266.0 3,948.0 58.7 1)
営業利益 543.0 380.7 42.6 2)
部門別売上
ドライブライン 4,039.7 3,730.7 8.3 3)
メタルフォーミング 830.0 217.3 282.0 4)
パワートレイン 806.6 - - 5)
鋳造 589.7 - - 5)

要因
1) 売上高
-2017年12月期の売上高は、前年比58.7%増の6,266.0百万ドル。増収の主な要因はMPGの買収による。MPGの買収を除き、同社の小型トラック用やSUVプログラム用での生産増や客先の新規プログラムの立上げやメタル市場価格の客先への転嫁等による売上増。これらの増収は特定プログラム向け年間生産価格の減少により一部相殺された。

2) 営業利益
-2017年12月期の営業利益は、前年比42.6%増の543.0百万ドル。営業利益増は主にMPGの買収や小型トラックやSUVなど高い利益率の車両の生産増による。

3) ドライブライン
-2017年12月期の売上は、前年比8.3%増の4,039.7百万ドル。増収の理由は、新規ビジネスのプログラム立上げ、メタル市場価格の客先への価格転嫁や小型トラックやSUVの生産量増による。

4) メタルフォーミング
-2017年12月期の売上は、前年比282.0%増の830.0百万ドル。MPGの買収が貢献。

5) パワートレインおよび鋳物
-2017年12月期の売上は、それぞれ806.6百万ドルと589.7百万ドル。これらの部門は完全にMPGの買収によるもので、2017年4月の買収前はなかった。



Metaldyne Performance Groupの買収

-同社とMetaldyne Performance Group (MPG)は、AAMのMPG買収について最終的な合意に達したと発表した。買収額は16億ドルで、負債17億ドルも引き受ける。買収によりAAMは、パワートレイン、ドライブトレイン、ドライブラインの各製品分野を補完し、グローバルに事業を展開するティア1サプライヤーとなる。両社合わせて年間売上高は70億ドル、EBITDAが12億ドル、フリーキャッシュフローは4億ドルになる見込み。統合の相乗効果により、年間100~120百万ドルのコスト削減が見込まれるという。統合後の出資比率はAAMの株主が約7割、MPGの株主が約3割となる。また、MPGの筆頭株主であるAmerican Securities LLCが議決権の約23%を取得する。取引は2017年上半期に完了する予定。AAMのDavid C. Dauch会長兼CEOが留任し、本社も現在と同じデトロイトに置く。AAMの取締役会は、MPGのGeorge Thanopoulos氏を含む3名のAmerican Securities LLCのメンバーを加え、合計11名に増員される。(2016年11月3日付プレスリリースより)

-Metaldyne Performance Group (MPG) の買収手続きを完了したと発表した。これにより、MPGはAAMの完全子会社となる。AAMの会長兼CEOは引き続きDavid C. Dauchが務める。AAMの取締役会には、MPGの元CEO George Thanopoulos氏、MPG元取締役Kevin Penn氏および Loren Easton氏の3名のAmerican Securities LLCメンバーが加えられる。(2017年4月6日付プレスリリースより)



受賞

-2017年, 同社の個々の工場が自動車メーカーから下記を受注した。

  • GM Supplier Quality Excellenceを米国ミシガン州Auburn Hills, インデアナ州Bulffton, イリノイ州 Chicago, オハイオ州Colfor ; 中国常熟市;韓国平沢市の各工場が受賞。
  • Ford Q1 CertificationをタイRayong製造工場が受賞。
  • GM'S Built in Quality Supply Base 監査でオハイオ州Twinsburg製造工場 が最高得点を獲得。
  • FCA Outstanding Quality AwardをメキシコRamos製造工場が受賞。
  • Jaguar Land Rover Q AwardをポーランドSwidnica製造工場が受賞。
  • 日野Quality Achievement Awardをミシガン州Oxford製造工場が受賞。

-GMから「2016 Supplier of the Year」を受賞したと発表した。この賞は卓越した価値の創造や新たな技術革新をもたらしたことなどにより、GMから評価された世界15カ国118のサプライヤーに贈られた。(2017年4月3日付プレスリリースより)



2018年12月期の見通し

-2018年12月期の売上高は約70億ドルと予想している。



研究開発費

(単位:百万ドル)
2017年12月期 2016年12月期 2015年12月期
合計 161.5 139.8 113.9



研究開発拠点

-2017年12月31日現在、15のエンジニアリング開発センターを保有。

-米ミシガン州Detroitに軽量金属と先進複合材のためのR&Dセンターが設立され、その開設を政府当局者らと祝ったと発表した。同センターには、米国の産学官連携の研究開発拠点である「Institute for Advanced Composites Manufacturing Innovation(IACMI)」と「Lightweight Innovations for Tomorrow (LIFT)」が、約5,000万ドルを出資。総面積は10万平方フィートで、提携企業は施設の設備を使って軽量金属や先進複合材に関する研究開発プロジェクトを実行できる。AAMはLIFTのメンバーとして、軽量金属の開発にこの施設を使用する予定。(2017年10月11日付プレスリリースより)



研究開発活動

-主な研究開発投資は以下の通り:

  • 既存製品/将来製品の性能向上に向けた電子化
  • ハイブリッド車 (HV) /電気自動車 (EV) 用システム
  • 燃費向上、排ガス削減、NVH/パワー密度/トラクションコントロールの改善



製品開発

第2世代ディスコネクティングAWDシステム「EcoTrac」
-同社は、ディスコネクティングAWDシステム「EcoTrac」をさらに効率化、小型化した第2世代モデルを開発したと発表した。Jeep「Cherokee」2014年モデルに搭載された初代EcoTracは、AWD不要時に前輪駆動に切り替え、AWD車の燃費効率を向上させるシステム。同社ではこれまで600,000ユニットを超えるEcoTracを供給している。2018年に市場投入予定の新型EcoTrac発売後は、2019年までに世界で700百万ドル以上の売上を見込む。(2017年3月30日付プレスリリースより)



設備投資額

(単位:百万ドル)
2017年12月 2016年12月期 2015年12月期
全社 477.7 223.0 193.5

-2017年12月期は新規ビジネスやビジネス増加のバックログのグローバルプログラムの立上げサポートの投資。

-2018年12月期の設備投資額は、売上高の約8%となる見通し。