事業概況（Advanced wire products 部門）
2006年度、厳しい競合環境にも拘わらず、中国でのマーケットポジションを強化し、主にトラックタイヤ補強用スチールコード製品の売上を前年比で54％増加。
約100百万ユーロを投じ、山東省のWeihai工場拡張や江蘇省Jiangyinに2工場を新設し、中国での生産能力を増強。中国市場は、依然強い成長を見せているため、2007年度も同レベルの投資を行う計画。

欧州では、スチールコード製品の需要は低迷。
北米では、2006年第4四半期に発生したGoodyearのストライキが、同社のスチールコード工場の稼働レベルに大きな影響を与えた。今後も北米市場の減速傾向は続くとの予測から、テネシー州Dyersburg工場の閉鎖を決定。

自動車用のその他ワイヤー製品の需要は、成熟市場では低下。
同社は、西欧の特殊加工ワイヤメーカーCold Drawn Products Limitedの買収により、海外向けワイヤーでのポジションを強化した。

企業買収
2006年1月、Delta Wire Corporationを10百万米ドル(8.3百万ユーロ)で買収したと発表。Delta Wire Corporationはミシシッピー州Clarksdaleにある企業で、タイヤ補強用ビードワイヤーや幅広い特殊ワイヤー製品を北米市場向けに供給す る大手企業。Delta Wireは現状の生産能力での操業を継続することにしており、今回の買収によって顧客に対する供給に影響が出ることはない。

2006年秋、スチールコード製造のShougang Concord Century Holdings Ltd. (香港証券取引所に上場)の少数株式を取得。
この出資の枠組みは、サービスや原材料の供給にあり、これにより中国でのマーケットポジション強化や、両社共同による製品投入の加速化を図る。

設備投資費用

海外投資
2005年11月、中国での先進的ワイヤー製品生産を拡大することを目指していると発表。同社は2003年5月の決定に伴い、中国におけるタイヤ補強用ス チールコードの年産能力を12万トンに増強した。この投資計画により、2004年から2005年にかけての年間設備投資額は合計で約160百万ユーロに増 加した。対象には、威海(山東省)の新工場建設、江陰(江蘇省)と瀋陽(遼寧省)での工場拡張が含まれる。また、顧客やサプライヤーとの関係強化を図るた め最近、新たにトレーニング・ミーティングセンターを江陰技術センターの近くに開設した。さらに、ゴム補強材業界の試験手順の標準化や原料の比較で重要な 役割を果たす中国ゴム産業協会の北京原料調査試験センターに、先進的な研究機器を寄贈した。