NVIDIA Corporation 2020年1月期の動向
業績 |
(単位:百万ドル) |
2020年 1月期 |
2019年 1月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
売上高 | 10,918 | 11,716 | (6.8) | 1) |
営業利益 | 2,846 | 3,804 | (25.2) | - |
部門別売上 | ||||
-自動車部門 | 700 | 641 | 9.2 | 2) |
要因
1) 売上高
-2020年1月期の売上高は、前年比6.8%減の10,918百万ドル。GPUセグメントの売上高は、前年同期比7%減の9,470百万ドル。自動車、ゲームプラットフォーム向けSoC、組み込みエッジAIプラットフォームを含むTegraプロセッサーセグメントの売上高は1,450百万ドルで、前年同期比6%減となった。
2) 自動車
-2020年1月期の自動車部門の売上高は、AIコックピット向けソリューションと開発サービス契約の好調により、前年比9.2%増の700百万ドル。
業務提携
-同社は以下を含むOEM、地図会社及び大学の研究機関等を協力関係を結んでいる。
協力企業 | 内容 |
OEM | |
いすゞ自動車 | 「NVIDIA DRIVE AGX」の活用によって高度運転支援機能及び自動運転技術を備える次世代型トラックの開発 |
ヤマハ発動機 | 自社開発の自律動作マシンに「Jetson AGX Xavier」を採用し、無人農業用車両に参入する |
Daimler | 都市部での自動運転及び無人運転に関して、コントロールユニットのネットワークの一部として同社のAIプラットフォームを採用 |
Mercedes-Benz | Mercedes-Benz「A-Class」用インフォテインメントシステム「Mercedes-Benz User Experience」に同社のAIプラットフォームとGPUを活用。 |
VW | Deep Learningの分野で協力/新型「I.D.BUZZ」やマイクロバスにNVIDIA自動運転用のAI技術を採用 |
トヨタ | 「NVIDIA DRIVE PX」を自動運転システムに搭載 2020年から発売する車両に「NVIDIA DRIVE AGX Xavier」をAIの頭脳として搭載する計画。 |
SUBARU | 2024年めど高速道路でのレベル2以上の自動運転に向け、周囲認識、パスプランニング、多重化、ロバスト、知能化へNVIDIAのAIを導入 |
Audi | 世界発レベル3の自動運転を可能にした「Audi AI Traffic Jam」を開発 |
Volvo |
スウェーデンGothenburgの「DRIVE Me」自動運転車両テストプロジェクトでNVIDIA DRIVEを使用。 |
奇瑞汽車 | NVIDIA DRIVEプラットフォームを搭載したZF ProAIにより、自動運転レベル3に対応。 |
サプライヤー | |
Bosch | 都市部での自動運転及び無人運転に関して、コントロールユニットのネットワークの一部として同社のAIプラットフォームを採用 自動運転システムに「NVIDIA DRIVE PX」を搭載 |
Pioneer | 自動運転用ソフトウェア開発キット「NVIDIA DriveWorks」向けに走行空間センサー「3D LiDAR」を対応させた |
Continental | AI自動運転システムの開発において「NVIDIA Drive」プラットフォームと同社のセンサーを統合させた自動運転車に関する提携 |
Infineon Technologies | 同社のマイクロコントローラー「AURIX TC3xx」がNVIDIAのレベル5自動運転用AI車載コンピューティングプラットフォーム「DRIVE Pegasus AI」に採用の見通し |
ZF | 量産用自動運転車に搭載するAIの開発での連携。「DRIVE PX」を供給しZF・HELLAが共同開発する画像処理技術、運転支援システムの実現をサポート。 乗用車及びトラックの自動運転や自律走行システムを含む輸送産業向け等にAIシステム開発で協力。 |
HELLA | 量産用自動運転車に搭載するAIの開発での連携。「DRIVE PX」を供給しZF・HELLAが共同開発する画像処理技術、運転支援システムの実現をサポート。 |
Start-Ups | |
Uber | 自動運転車のフリートにてNVIDIA技術のAIシステムを採用 |
Uniti | 同社のフルEV「Uniti One」に「NVIDIA DRIVE PX」を初め、自律走行車に必要な装備が搭載される |
百度 | 自動運転車やクラウドデータセンターなどにAIを活用する広範囲な分野における提携。NVIDIA「DRIVE PX Platform」を採用し、中国大手自動車メーカーと協力し自動運転車を開発する。 |
Zenuity (Volvo・Autolivの合弁企業) |
2021年までにレベル4の自動運転車を開発するため、NVIDIAのAI車載コンピューティングプラットフォームを使用。 |
滴滴(DiDi) | GPU機械学習アルゴリズムを使用するとともに、NVIDIA DRIVEを採用し、レベル4自動運転車に推論能力を提供する計画。 |
地図 | |
ゼンリン | 自律走行車両用の高精細マップソリューションについての共同研究。計測車両において「NVIDIA DRIVE PX2 AI」「NVIDIA DRIVE Works」,データセンターにおいては「NVIDIA GPU」「NVIDIA MapWorks」を使用しデータ処理を行う。 |
TomTom | クラウドでリアルタイムHDマップの更新ができる「クラウド・トゥ・カー」にて「NVIDIA DRIVE PX2」とAIを組み合わせて使用。 |
HERE | 同社のAIプラットフォームを使用してHERE HD Live Mapを共同開発。 |
受注
-NVIDIAは2019年11月22日、メルセデス・マイバッハブランドのSUV「GLS」のMBUXインフォテインメントシステムに同社の技術が採用されたと発表。メルセデス・AMGブランドの「GLS AMG 63」と「GLE AMG 63 S」にも採用される予定。MBUXはナビゲーションシステムの直観的な操作や安全性向上のため、自然言語処理(natural language processing: NLP)、3Dグラフィックス、AR (拡張現実)を組み合わせ、同社の技術を活用している。ドライバーは2つの10.25インチディスプレイからスムーズで理解しやすいインターフェイスで情報を得ることができる。また、AIを活用した自然言語処理により、ボイスコマンドを理解しスムーズなインタラクションが可能となっている。(2019年11月22日付ブログより)
研究開発費 |
(単位:百万ドル) |
2020年1月期 | 2019年1月期 | 2018年1月期 | |
全社 | 2,829 | 2,376 | 1,797 |
-2020年1月期の研究開発費は前年比19.1%増。主に従業員数の増加およびインフラ費、補償費用などその他関連費用の増加によるもの。
製品開発
クラウドベース自動運転シミュレーションプラットフォーム「NVIDIA DRIVE Constellation」
-ルーティン走行から、まれにしか発生しない状況や危険な状況まで幅広いシナリオに渡り、現実世界での走行よりも高い効率と費用対効果、および安全性をもって、仮想世界における何百万マイルもの運転を可能にする。NVIDIAは、Toyota Research Institute-Advanced Development, Inc.( TRI-AD)が 「DRIVE Constellation」 の初のユーザーとなることを発表した。DRIVE Constellation は、エコシステムパートナーが自分たちの環境モデル、車両モデル、センサーモデル及びトラフィックシナリオを統合できる オープンプラットフォームのため、より広範なシミュレーションのエコシステムからデータセットを組み込むことにより、プラットフォームは包括的で多様、かつ複雑なテスト環境を生成することができるという。(2019年3月18日付プレスリリースより)
レベル2+自動運転システム「NVIDIA DRIVE AutoPilot」
-世界初の商用利用可能なレベル2+自動運転システム「NVIDIA DRIVE AutoPilot」を発表した。「DRIVE AutoPilot」 には、複数の画期的な AI テクノロジが実装されており、これによって、2020年までに監視付き自律走行車両の生産が可能となるという。CES 2019 では、ContinentalとZF が、NVIDIA DRIVE をベースとしたレベル2+ の自動運転ソリューションを発表、2020 年に生産を開始する予定。「DRIVE AutoPilot」 では、高性能のシステムオンチップ(SoC)プロセッサ「NVIDIA Xavier」と最新の NVIDIA DRIVE ソフトウェアが初めて統合されており、状況認識のために車両の外側とキャビンの内側を捉える、包括的なサラウンド カメラ センサー データが多くのディープ ニューラル ネットワーク(DNN)で処理される。「DRIVE AutoPilot」は、オープンで柔軟性に富んだ NVIDIA DRIVE プラットフォームに組み込まれており、レベル 2+ のこの新システムは、ロボットタクシー対応であるレベル 5 の機能を実現する、「NVIDIA DRIVE AGX Pegasus」 システムを補完するものとなるとしている。(2019年1月7日付プレスリリースより)