ボッシュ、デンソー、ルネサスの先進運転支援システム(ADAS)

国際カーエレクトロニクス展2015での講演と展示取材

2015/02/09

要 約

車両後方用中距離レーダーセンサ
ボッシュの車両後方用中距離レーダーセンサが、後方の車両を検知して車線変更をサポートする (写真提供:Bosch)
車両後方用中距離レーダーセンサ
駐車スペースからの後退出庫は、ドライバーの視界が遮られるためしばしば危険を伴うが、同上のセンサがサポートする(写真提供:Bosch)

 本レポートは、2015年1月14~16日に開催された第7回国際カーエレクトロニクス技術展での、ボッシュ、デンソー、ルネサス エレクトロニクス3社の先進運転支援システム (ADAS:Advanced Driver Assistance System) に関する講演および展示の内容を報告する。

 3社とも、将来の自動運転を見据えながら、安全技術、運転支援技術を高め、新技術を段階的に実用化していく計画。

 ボッシュは、自動運転は高速度域での運転と駐車支援からスタートするとして、この2つの分野で進む方向を示した。それを通して、自動運転に必要な要素技術「Surround Sensing」「Safety and Security」「法整備の必要性」を示し、同時にそれを支える「マップデータ」と「System Architecture (電動化を含む) 」を紹介した。

 デンソーは、走行環境認識 (周辺センサ) を中心に講演した。今後、認識精度を高める信号処理技術MUSIC (Multiple Signal Classification) 、走査型LIDAR (Light Detection and Ranging)などをより活用していく。また、準天頂衛星により、自車位置確認の精度を10cmレベルに高めていく計画などを紹介した。

 半導体専業メーカーであるルネサス エレクトロニクスは、安全運転・その他の運転支援の内容が高度化し、認識の対象が広がり、認識・判断処理が増え、消費電力も増加、また機能安全に対する要求も厳しくなっていることを紹介。ルネサスは、ADASに対応するSoC (System on a Chip:システムLSI) であるR-Carや、運転支援システムのニーズをオールインワンで提供する32ビットマイコンRH850を開発し、こうした状況への低消費電力の対応策を提供する。また「つながるクルマ」への要求に応える新しい通信技術WAVEソリューションを提供すると訴求している。


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