テスラは何処へ向かっているのか?
ロボタクシーの課題と進展
2025/09/30
要約
テスラは2025年8月2日、2019年のフロリダ州マイアミでの死亡事故に関する裁判でAutopilot(AP)の部分的過失が認定され、2億4,250万ドルの賠償を命じられた。これは他の訴訟や政府調査に影響し、リコールの可能性もある。テスラは2021年以降、ADAS搭載車死亡事故の86.5%を占め、誤解を招くマーケティングや運転設計領域(ODD)の説明が不適切とされている。また、6月にオースティンで開始したロボタクシー事業は、マスク氏の長年の公約だが、セーフティドライバーや遠隔監視を伴う限定運行で安全性や規制適合性に疑問が出ている。これにより、今後のサービスエリア拡大に赤信号が点っている。
さらに、Peter Bannon(ピーター・バノン)氏率いるDojoスーパーコンピュータチームを解散し、Nvidia・AMD・Samsungとの協業へ方針転換した。テスラは現在、世界的な販売不振に加えて、法的及び財務的な影響、ロボタクシー事業の課題、ブランドロイヤリティと信頼の低下、社内リソースと士気の低下など、様々な問題を抱えている。テスラが今後も世界を代表するイノベーション企業であり続けることが出来るか否かという、大きな分岐点に差し掛かっている。
資料:Toru Nagaiによる [Technology Brief] Where is Tesla heading ? [September 8, 2025] をGo2Marketing合同会社(同社ウェブサイトVSI AV Insight powered)の許可を得て掲載しています。