2015年度サプライヤー売上高トップ30社ランキング

上位5社は、ボッシュ、デンソー、マグナ、現代モービス、コンチネンタル

2016/06/29

要約

 マークラインズ株式会社は2015年度サプライヤー売上高ランキング(各社の自動車事業の売上高を米ドル換算で比較、一部推定値を含む)をとりまとめました。

 上位5社は、ボッシュ、デンソー、マグナ、現代モービス、コンチネンタルで、前年度と同じメガサプライヤーが並びました。6位には、TRW (前年11位) を買収したZF (前年9位) が浮上。ZFはTRWの売上貢献分 (2015年度は5月15日から計上) が通年で計上される2016年度は売上高が大幅に伸びると予想しており、上位5社にランクインする可能性が高いと思われます。

 電動化や自動運転に向けた取り組みはますます強化される傾向にあります。ボッシュは、電動化、自動運転、コネクティビティ分野におけるリードポジション維持を掲げており、2015年度には次世代リチウムイオン電池の開発を行う米Seeoの買収、車載ネットワーク分野で中国の騰訊 (Tencent) との提携などを発表しました。デンソーは2016年1月に「ADAS推進部」を立ち上げ、2月にはNTTドコモと先進運転支援システム (ADAS) や自動運転技術の研究開発で協力することに合意。5月には画像認識技術を開発する新会社をドイツに設立すると発表しています。マグナは電動化製品のラインナップを拡充しており、2016年下期には電動スーパーチャージャーの生産を開始する予定。コンチネンタルは電動パーキングブレーキを2017年下期から量産、電動ターボチャージャーを2019年までに市場投入する計画です。

 車載向けの電機・電子、通信、ソフトウェア分野への関心が高まる中、最近の展示会では、カメラ、レーダー、センサー、半導体といった構成部品・システムの新技術が多く見られます。パナソニックや日立オートモティブシステムズはセンシング技術と画像処理技術を融合した安全システムを展示。車車間・路車間通信 (V2X)、次世代コックピット、ヘッドアップディスプレイ (HUD) などの技術展示が増えており、サイドミラーをカメラとモニターに置き換える電子ミラーも注目されます。

 各社とも中核事業に注力するため、既存事業を再編する動きも進んでいます。ボッシュはスターターモーターおよびジェネレーター部門のスピンオフを決定し、提携・売却先を探しています。マグナは2016年1月にトランスミッション大手ゲトラグの買収を完了、2015年にはMagna Steyrの電池パック事業をサムスンSDIに売却しました。ジョンソンコントロールズは自動車事業をスピンオフして新会社「Adient」を設立。マーレはデルファイのサーマルシステム事業ならびに国産電機を買収しました。アイシングループはマニュアルトランスミッション、制御ブレーキ、車体部品の3事業において再編を進めています。

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