Zhongshan Broad-Ocean Motor Co., Ltd.[中山大洋電機股份有限公司] 2022年12月期の動向
業績 |
(単位:百万元) |
2022年12月期 | 2021年12月期 | 増減率(%) | 要因 | |
売上高 | 10,930.14 | 10,017.29 | 9.11 | -建築および家庭用電器機器事業および新エネルギー車用駆動システム関連製品の売上増が影響。 |
営業利益 | 591.48 | 330.26 | 79.10 | |
経常利益 | 567.71 | 363.60 | 56.14 | |
純利益 | 424.84 | 269.00 | 57.93 |
事業動向
車両事業グループ(EVBG):
- 新エネルギー車向けパワートレインシステム:2022年、同社の新エネルギー車向けパワートレインシステムの売上高は192,621.38万元、前年比で41.96%増となった。2022年6月には同社初の「220扁線モーター」の製造を開始した。また、子会社上海電動駆動は48V BSG扁線モーターの量産を開始する予定。
-
車両回転電器事業:2022年、車両回転電器事業の売上高は31,780.99万元で、前年比7.28%減少。
水素燃料電池事業:
- 主な強みは、電力電子およびソフトウェアの統合技術と高速モーター技術。特に、水素燃料電池のBOP(Balance Of Plant)の研究開発に重点を置き、燃料電池のマルチ機能コントローラー、高速遠心圧縮機、DCDCコンバーター、高圧電子ポンプ、水素循環システムなどの技術に注力している。
- 水素エネルギー産業の供給チェーンの上流事業にも注力。加水素ステーション事業拡大のため、嘉氫實業への投資に加えて、金属支持固体酸化物燃料電池(SOFC)と分散型エネルギーおよび電素生解水成技術分野での事業展開を行う。中国国内で関連技術分野で先進的な技術を保有する研究機関との緊密な協力を行い、SOFCプロジェクトの産業化を進めている。
子会社動向
上海電駆動
-完全子会社である上海電駆動股份有限公司[Shanghai Edrive Co., Ltd.]を分離し上場させると発表した。上海電駆動は主に新エネルギー車(NEV)のパワートレインシステム、自動車用及び建設機械用スターター/ジェネレーターの研究開発、製造、販売を手掛けている。(2023年5月12日付プレスリリースより)
佩特来(Prestolite)
-康明斯(Cummins)の一次サプライヤーとなった。また、48Vの高出力BSG ASSY、800Vの高圧ファンシステムなど、新しい製品プラットフォームにおいて、複数の欧米系駆動システムメーカーから注文を獲得した。
杰諾瑞
‐同社は新エネルギー車向け駆動モーター製品の製造を行う。138扁平線の量産開始を開始した。2022年、東安動力よりモーターを受注。
見通し
-2023年も安定した成長を維持し、売上高は前年比5.21%増の1.15億元を計画。当期純利益は、前年同期比19.32%増の5.07億元と予想。(2022年アニュアルレポートより)
研究開発費 |
(単位:百万元) |
2022年12月期 | 2021年12月期 | 2020年12月期 | |
研究開発費 | 526.42 | 512.69 | 428.66 |
売上高に占める割合(%) | 4.82 | 5.12 | 5.51 |
-2022年末現在、研究開発人員は1,996名で、全体の17.06%を占める。
研究開発活動
製品 | 開発目標 |
第3世代70kW 3-in-1電動ドライブシステムプラットフォーム | 2023年に量産予定、A0クラス向けでの業界地位獲得を目指す |
SiC技術による800Vモーターコントローラプラットフォーム | 2023年量産開始予定、800Vプラットフォーム向けの製品ラインナップを構築 |
ハイブリッド車用統合モータコントローラー | 2023年に量産開始予定、ハイブリッド車向け統合モーターコントローラープラットフォームを構築 |
高出力燃料電池システム及びBOP | バス、小型トラック、大型トラック用途をカバーする燃料電池システム製品ミックスの改善を行う |
燃料電池オールインワンコントローラー | 昇圧DCDCコンバーター、エアコンプレッサーコントローラー、水素リターンポンプ用コントローラーなどの製品群における競争力を強化する |
半密閉モーターの高速永久磁石化 | 2023年に量産化、世界水準の半密閉型モーター技術実現を目指す |
新エネルギー商用車の高効率大出力電動システムの研究開発 | 2026年に量産化を予定し、電動車の産業化の普及と規模の拡大を推進。 |
高精度ワイヤリングモーターASSYシステムの研究開発プロジェクト | 新世代のライトトラックモーターシステムを開発し、2026年に量産化を予定。 |
燃料電池モジュールとその主要部品の設計統合技術プロジェクト | 燃料電池空圧コンプレッサーの製品化を目指す。 |
800V高電圧駆動プラットフォームプロジェクト | 2025年にピーク出力150〜250kWの800V高電圧コントローラーの量産化を予定。 |
研究開発施設
-中国国内中山、北京、上海、深圳、武漢、蕪湖のほか、デトロイトなどに研究開発センターを保有。
-国家級実験室3拠点、省級企業テクニカルセンター3拠点、省級工場テクニカルセンター2拠点を保有。また、ポスドクワークステーション及び研究者・専門家ワークショップを設立。
特許
-2022年末現在、累計3,785件の特許を申請し、2,880件の特許を取得。2,178件の有効特許を保有。そのうち発明特許は573件。