Weichai Power Co., Ltd.[濰柴動力股份有限公司] 2020年12月期の動向

業績

(単位:百万元)
  2021年12月期 2020年12月期 増減率 (%)
売上高 203,547.70 197,491.09 3.17
営業利益 13,888.99 12,460.73 11.46
税引前利益 14,054.79 12,681.68 10.83
純利益 11,561.89 11,274.84 2.55

-2021年のエンジン販売基数は前年比3.1%増の102万ユニット。そのうち大型トラック用は42.9万台で市場シェア30.7%(前年比2.8ポイント増)。トランスミッションは101万ユニットで市場シェア72.4%(5.3ポイント増)。アクスルは93.8万ユニットで、うち中大型トラック向けは69.7万ユニット。大口径エンジン売上高は14.1億元(49.3%増)、高性能油圧システムの中国国内売上高は5.6億元(11.8%増)。西重型汽有限公司の大型トラック販売累計台数は15万台。

 

新製品

-エンジン本体の熱効率が51.09%に達するディーゼルエンジンを開発したと発表。このディーゼルエンジンはドイツの第三者認証機関であるTUV SUDの認証証書を取得している。同製品の発表会においては、さらに産業団地や港湾地区、高速道路などでの燃料電池車の活用成果を展示した。(2022年1月8日付プレスリリースより)

 

買収

-2021年7月31日に重油高科技電動燃料噴射系統(重慶)有限公司の持分60%を取得する契約を締結、8月31日に取引を完了した。(2021年年報より抜粋)

 

受注

-2022年12月期、中国重型汽車集団(中国重汽)に対して大型トラック用エンジンを約99,000台、小型トラック用エンジンを約130,000台供給する。 (2022年3月4日付中国国家重工集団公司の香港証券取引所発表資料より)

 

戦略的提携

-スイスのFISCHER Spindle Group Ltd.と戦略的提携に合意したと発表。濰柴動力はFISCHERの燃料電池コンプレッサー事業に出資、中国に合弁会社を設立する。今回の提携を通じて、濰柴動力は燃料電池サプライチェーンの構築と駆動システムの競争力強化を図る。両社は山東での設備投資も計画しており、燃料電池コンプレッサーソリューションをグローバルに提供するとしている。(2021年3月25日付プレスリリースより)

   

研究開発費

(単位:百万元)
  2021年12月期 2020年12月期 2019年12月期
研究開発費用 8,568.71 8,294,09 7,347.01
研究開発費用の売上高に占める割合(%) 4.21 4.20 4.21

-2021年12月31日時点で、同社の研究開発人員は10,421名(全体の12.62%)。
   

進行中の研究開発プロジェクト

プロジェクト名 内容 状況
WP2.5N国6対応ディーゼルエンジン開発 青色ナンバープレート(重量4.5トン以下のトラック)市場向け 最終テスト段階
WP7H国6対応ディーゼルエンジン開発 重量18トン・25トンの大型トラック市場向け 最終テスト段階
WP10.5H国6対応ディーゼルエンジン開発 小口・中距離輸送用国6対応トラック向け 完了
WP12.490国6対応ディーゼルエンジンの開発 国6対応高効率WP12ディーゼルエンジン 完了
WP13国6対応ディーゼルエンジンの開発 国6対応中長距離輸送用トラック向け 完了
WP13H高効率SCRディーゼルエンジン開発 大型トラック向け 最終テスト段階
WP13H 51%熱効率エンジン技術プロジェクト エンジン本体の熱効率51%を目標 完了
水素燃料エンジンおよび燃料電池トラックの技術開発・応用 バス、トラック、大型トレーラー含め多方面に展開可能な水素燃料エンジンシステムの開発 研究開発中
次世代AMTトランスミッション 大型トラック用新世代12速2,800NmのAMTを開発 研究開発中

 

研究開発拠点

-中国とオーストリア、日本に研究開発センターを保有。 

-「未来科技試験検測中心」(将来技術試験センター) の建設を開始したと発表した。この試験センターの総投資額は20億元。150余りの試験室を設置し、先端基礎研究、先進部品、新エネルギー、新プロセス、新材料、スマートマニュファクチュアリング、油圧パワートレイン、CVTパワートレインなどの試験、検査能力を備える計画。2021年末に本工事が完了し、測定試験設備が順次導入される予定。2022年末にはすべて完成し、運用を開始する予定であるという。(2021年5月25日付プレスリリースより)

 

認証

-同社の新エネルギー試験センターがCNAS(China National Accreditation Service for Conformity Assessment)より認可を取得し、水素燃料電池や固体酸化物形燃料電池(SOFC)製品の全技術チェーンの開発と試験能力を備えると発表した。濰柴動力新エネルギー試験センターは2019年に稼働開始。海抜環境シミュレーション機能を備えるシステム試験台や環境シミュレーション機能を備える高出力スタック試験台等、専用機器試験設備は100セットを超え、多用途、複数段階の出力、全シリーズの水素燃料エンジン、スタック及び主要部品の研究開発や試験に対応可能。(2022年3月9日付プレスリリースによる)