Shaanxi Fast Auto Drive Group Co., Ltd.[陝西法士特汽車伝動集団有限責任公司] 2020年12月期の動向

受注

-2020年2月、同社は海外向けバス用トランスミッションと油圧式リターダー1,500セットを受注したと発表。(2020年3月9日付プレスリリースより)

-2019年12月、同社は900万台目となるトランスミッションを陝西省宝鶏工場でラインオフしたと発表した。今回ラインオフした900万台目のトランスミッションはバス用トランスミッション6DSX180T。シングルボックス・ダブルカウンターシャフト構造、オールアルミ合金ケース、オールヘリカルギア、オールシンクロナイザー設計を採用し、FH400B油圧式リターダーを組み合わせたもので、コンパクトな構造と簡便な操作が特徴であるという。(2019年12月16日付けリリースより)
 

新会社

-法士特伊頓(宝鶏)軽型変速器有限責任公司[Fast Eaton (Baoji) Light Transmission Co., Ltd.]は9月19日、陝西省宝鶏で生産を開始した。同社は2018年設立。軽型商用車用トランスミッション及びその関連部品の研究開発、生産、販売、サービスを手掛ける。(2019年9月23日付けリリースより)
  

研究開発動向

-9月9日、同社は、西安で法士特シェル共同実験室の開所式を行った。この実験室の開設により、両社はミッションオイルの技術革新と製品開発を加速させ、商用車用ミッションオイルの高効率化及び環境対応を進める。2009年、法士特とシェルは初めて技術提携を結び、独シェルの実験室でベンチテストを実施し、「殻法(シェル法士特)」ギヤオイルブランドを共同で開発した。2013年には初めて法士特認証に適合した「殻法(シェル法士特)」ミッションオイルを共同で売り出し、2015年、両社は国内現行基準を上回る「殻法(シェル法士特)」シリーズ長寿命強化型トランスミッション専用潤滑油を共同で売り出している。(2019年9月16日付けリリースより)

 

新製品

-同社の一体型AMT+並列流体式リターダを搭載したハイエンドトレーラーがOEM工場でラインオフされた。法士特一体型AMTは新たに開発したハイエンドトランスミッションプラットフォーム。同心クラッチアクチュエーターと統合型ギアセレクトアクチュエーターを採用し、欧米最新技術を基準としている。法士特一体型AMTはシステム内部のTCUがADAS地図データを受信し、トランスミッション制御効率の最適化、およびクルーズコントロールの省コスト化を実現し、燃費を5%以上改善する。その安全システムは自動車機能安全標準ISO26262のASIL-C等級に準じて設計されている。(2020年6月15日付けリリースより)

  

特許

-法士特伊頓 (西安) 動力伝動系統有限責任公司が開発した「クラッチディスクアセンブリ・ドラッグトルク測定装置」が国家知識財産権局の審査に合格し、実用新案を取得した。この測定装置は生産ラインのベンチマークとサンプルの開発に用いるもので、すでに運用が始まっている。(2020年6月15日付けリリースより)

 

研究開発施設

-2020年末現在、「国家クラス企業技術センター」、「学士院専門家ワークステーション」、「国家クラスポスドクワークステーション」などの研究開発体系を構築。コア技術特許515件を保有。ATリターダオートマチックトランスミッション、AMTオートマチックトランスミッション、Sトランスミッション、バス用トランスミッション、軽トラックトランスミッション、油圧式リターダ、クラッチ、減速機の8大製品系列を展開。開発人員は580名余で、40歳以下は73%を占める。大卒以上が89%を占める。修士は180名で全従業員数の32%を占める。博士は3名。

-西安ハイテク開発区に陝西省法士特汽車伝動工程技術研究中心 [Shaanxi Fast Auto Drive Engineering Technology Research Center] を保有。研究センターは事務オフィス、設計研究所、生産プロセス研究所、実験センター、材料成型理化センター、試作センターから成る。

 

新工場

-7月1日、総投資額25億元の年産20万台のSトランスミッションスマートファクトリーの着工式を西安で挙行。延床面積は約12万平方メートル。研究開発、試作、試験、生産、販売を一手に手掛けるこの拠点は法士特第14次5か年計画に沿った重点プロジェクトの一つである。完成後は、Sシリーズトランスミッション20万台、AMTオートマチックトランスミッション、クラッチ、新エネルギー及びハイブリッドシステムなどの製品を生産するスマートファクトリーとなる。年間売上高は50億元、利益は5億元に達する見込み。(2020年7月6日付けリリースより)

 

海外投資

-7月2日、同社とミンスク・オートモービル・プラント(MAZ)の合弁会社法士特馬茲有限責任公司[Fast MAZ Co., Ltd.]は、中国-ベラルーシ工業パーク「グレートストーン」で合弁契約調印式と工場鍬入れ式を行った。法士特にとってタイ工場に続く2番目の海外工場である。新合弁会社は2021年からMAZのトランスミッション主要サプライヤーになる。MAZはベラルーシ最大の商用車メーカー。主に重型カーゴトラック、バス、トレーラー、ダンプカー、オフロード車、各種特殊車両用シャシーなどを生産しており、ベラルーシ市場で90%以上のシェアを持つ。中国-ベラルーシ工業パークは中央アジアから欧州へ続くシルクロード経済ベルトの重要なハブであるミンスクに位置する、中国最大の海外総合産業パークである。(2019年7月9日付けリリースより)