Continental Group (China) 2016年12月期の動向

最近の動向

-2016年12月、Continental 長春工場はインテリジェントバッテリーセンサー (IBS) をラインオフした。この製品は現在の市場で最小、最軽量のIBSとなる。スタートストップコントロールとジェネレーターの負荷の調節を結び付け、5%から6%の燃料削減を実現した。(2016年12月16日付けプレスリリースより)

-2016年8月8日、Continental Groupは上海楊浦区 (Yangpu District) の新オフィスの運用を開始した。このオフィスは楊浦区の尚浦中心(Shangpu Center) に置かれたもので、4フロアーから成り、面積は約8,000平方メートル。会議室、研究開発実験室もあり、就業員数は約730名。タイヤ部門はすでに移転済みで、パワートレイン部門傘下のハイブリッド・電気自動車用部品業務部、ボディ・電子事業部門傘下のインテリジェント交通システム業務部は2016年第3四半期と第4四半期にそれぞれ移転する予定。新オフィスがオープンしても、楊浦区大連路の既存オフィスが同社中国本社としてそのまま機能する。(2016年8月9日付け各種リリースより)

新工場

<パワートレイン>
-華域汽車系統股份有限公司と大陸汽車投資(上海)有限公司 [Continental Automotive Holding Co., Ltd.] の折半出資により設立された合弁会社 「華域大陸汽車制動系統(重慶)有限公司 [Huayu Continental Brake Systems (Chongqing) Co., Ltd.]」 は重慶市両江新区 (Chongqing Liang Jiang New Area) で工場建設に着工した。敷地面積は8.4万平方メートル。第1期工事の床面積は約2.5万平方メートルで、2017年2月の完成、生産開始を目指す。第2期工事は2022年完成予定。主に自動車ブレーキシステムの生産、組立、販売を行い、長安フォード、長城汽車などに供給する。第1期、第2期とも完成すれば生産高は20億元に達する見込み。(2016年2月24日付け各種リリースより)


-ContiTechは、中国の山東省青島 (Qingdao) における新工場の建設に関する了解覚書 (MOU) を締結したと発表した。主に自動車用ホースを生産する。第一段階での投資額は20百万ユーロ超 (約200百万元) で、床面積は約15,000平方メートルとなる予定。ContiTechは今後数年間で、既存の加熱・冷却用ホースの生産ラインを数キロメートル離れた新工場へ移転する。新工場の第1フェーズにおけるフル稼働時の年産能力は、低圧パイプ約1,500万ユニットとなる見込み。市場の開拓状況に応じて、5年間でさらなる拡張を行う計画。2020年までに完了する見込み。現在、ContiTechは青島で500名超の従業員を雇用し、自動車用ゴムホースやホースASSYを生産・販売しており、主に中国自動車メーカーの国内拠点やアジア太平洋地域の拠点に納入している。(2016年7月19日付プレスリリースより)

-ContiTech傘下のBenecke-Kalikoは、中国の江蘇省常州 (Changzhou) に新工場を開設したと発表した。自動車シートやアームレスト向けの内装材 「Acella Eco」 および 「Acella Eco green」 を生産する。2015年末に量産を開始した。従業員数は約100名で、今後数カ月でさらに50名を増員する計画。新工場への投資額は40百万ユーロ。Benecke Changshun Eco Trim (Changzhou) が運営する同工場では、表面材料 「Acella Eco」 を年間約1,000平方メートル生産する計画。新工場の開設により、中国における 「Acella」 の生産能力は倍増している。今後、需要が拡大すればさらなる拡張も計画される見込み。(2016年3月10日付プレスリリースより)

受注

-Continental Groupは上海汽車栄威 (Roewe) 「RX5」 向けに7インチカラーディスプレイクラスターを開発した。2016年9月より栄威 (Roewe) 「RX5」 に装備されている。大陸汽車車身電子系統 (蕪湖) 有限公司 [Continental Automotive Body Electronics System (Wuhu) Co., Ltd.] が開発した。Continentalにとって初めて現地で開発された大型ディスプレイインストパネルである。解像度800X480、高コントラストのフルカラー液晶ディスプレイを採用している。また上海汽車とアリババが開発したインテリジェントネットワークを介して、このインストパネルはマルチメディアシステムとつながり、スマホ、センターコンソール、インストパネルの3つのディスプレイを連動させることが可能である。同時にこの7インチカラーインストパネルは一体型のデザインを採用し、フィジカルインジケーターとバーチャルディスプレイの自然な融合を可能にしている。(2017年1月11日付けプレスリリースより)

-Continental Group は宝沃汽車 (Borgward) と提携し、Borgward 「BX7」 向けに4.2インチカラークラスターを開発した。このカラークラスターはサラウンドビューの高コントラストとQVGA高解像度 (480X272) が特徴。オーディオ、エンタテイメントモジュールとのネットワークにより利便性に富んだヒューマン・マシン・インターフェース (HMI) 体験を提供することが可能である。(2016年8月4日付けプレスリリースより)

戦略的提携

-Continental Group と中国汽車技術研究中心 [China Automotive Technology & Research Center (CATARC)] は、戦略的提携の合意書を結んだと発表した。両社は自動車の安全、環境保護、省エネなどの分野における提携関係を強めていくとしている。(2016年1月12日付け各種リリースより)

開発体制

-2017年6月現在、中国に17の研究開発センターを保有。

研究開発拠点

研究開発センター 所在地 業務内容
大陸集団投資(上海)有限公司
[Continental Automotive Holding Co., Ltd.]
上海 2006年設立。
コンチネンタルの中国本部と研究開発センターの機能を持つ。
大陸汽車嘉定研発中心
[Jiading R&D Center of Continental Automotive Group]
上海 2007年設立。
電子制御ブレーキシステム、油圧ブレーキシステム、エンジンシステムの研究開発。
大陸泰密克汽車系統(上海)有限公司
[Continental Automotive Systems (Shanghai) Co., Ltd.]
上海 2001年設立。
電子制御ブレーキシステム、ボディ・安全の研究開発。
南京軟件研発中心
[Nanjing Software R&D Center]
江蘇省
南京市
2011年設立。
自動車IDインストルメント、ミドル・ハイエンド車インストルメント部品の嵌め込み式ソフトウェアの開発。
大陸集団黒河冬季試験中心
[Continental Heihe Winter Test Center]
黒竜江省
黒河市
2012年設立。
電子制御ブレーキシステムの冬季試験。
康迪泰克常熟研発中心
[ContiTech Changshu R&D Center]
江蘇省
常熟市
2013年設立。
振動コントロール部品の開発。
大陸輪胎(中国)有限公司合肥研発中心
[Hefei R&D center of Continental Tire (China)]
安徽省
合肥市
2015年設立。
タイヤの開発、試験。
大陸塩城試験センター
[Continental Yancheng Test Center Yancheng]
江蘇省
塩城市
2016年設立。電子ブレーキシステム、油圧ブレーキシステム、先進運転支援システム (ADAS)、タイヤなど、安全製品およびシステムの試験・評価。
大陸重慶研発中心
[ContiTech Changshu R&D Center]
重慶市 2017年6月、第1期工程の鍬入れ式が行われた。自動車エレクトロニクス製品の応用、新エネルギー車及び工業分野の製品とソリューションの開発に注力するものとして、2018年末に運用を開始する予定。


-Continentalは、中国の江蘇省塩城 (Yancheng) 市に建設した試験センターが稼働を開始したと発表した。中国汽車技術研究中心 (CATARC) と共同で設立した同センターは主に、電子ブレーキシステム、油圧ブレーキシステム、先進運転支援システム (ADAS)、タイヤなど、安全製品およびシステムの試験・評価をサポートする。第1フェーズでの面積は2,500平方メートルとなっている。(2016年7月11日付プレスリリースより)

-Continental Groupは、重慶に研究開発センターを新設し、2018年年初から運用を開始すると発表した。主に車載電子部品、新エネルギー車、工業の分野における製品開発、ソリューション開発を行う。2020年までに400名の研究要員を雇用する計画。(2016年6月30日付け各種リリースより)

新製品

-Continental Groupは中国市場に汚染物質排出の低減と国Ⅵ排ガス規制適合を叶える2種類の製品を提供する。1つは燃料蒸発ガスの漏れを検出するための真空漏れ検査システム。同社が発売する自然真空漏れ検査センサーは0.5mm及びそれ以上の漏れを検出することが可能である。もう1つの製品はアクティブパージポンプで、カーボンキャニスターが給油時に収集した揮発性有機化合物を洗い流すもの。このポンプは完全にエンジン真空状態の制限を受けずに脱離を行うので、エンジンがどんなコンディションでも脱離能力を保つことが可能である。(2016年10月11日付けプレスリリースより)



売上高

(単位:百万ユーロ)
2015年12月期 2014年12月期 2013年12月期
売上高 N.A 約3,700 約3,300

 

子会社別売上高

(単位:百万元)
会社名 主要製品 2015年 2014年 2013年
大陸汽車系統(常熟)有限公司
[Continental Automotive Systems (Changshu) Co., Ltd.]
ブレーキ、ドラムブレーキ、ブレーキキャリパー、ブレーキブースター、パーキングブレーキ、油圧ブレーキシステム、電動パーキングブレーキ N.A N.A 2,256.07
大陸汽車電子(連雲港)有限公司
[Continental Automotive Corporation (Lianyungang) Co., Ltd.]
ホイールスピードセンサー、センサー、マグネットコイルセンサー、ブレーキコイル N.A 1,969.65 1,740.24
上海康迪泰克管件有限公司
[ContiTech Fluid Shanghai Co., Ltd.]
フューエルチューブ、フューエルホース、ステアリングホース、ゴム圧縮部品 93.61 109.48 153.17
大陸汽車系統(天津)有限公司
[Continental Automotive Systems (Tianjin) Co., Ltd.]
ATコントロールユニット、オーディオ部品、カーナビシステム、情報システム、センサー、電子制御ユニット、汎用ハンズフリーインターフェース、複合電源モジュール、マルチメディア音声ナビシステム、ドライブコントローラー、車載ブルートゥースモジュール、シート着座センサー N.A N.A 4,470.27

出典:中国汽車工業年鑑 (China Automotive Industry Yearbook) (毎年10月発行)

製品別生産量

(万個)
製品名 会社名 2015年 2014年 2013年
ブレーキキャリパーブースター 大陸汽車系統(常熟)有限公司
[Continental Automotive Systems (Changshu) Co., Ltd.]
N.A N.A 1,039.0
センサー 大陸汽車電子(連雲港)有限公司
[Continental Automotive Corporation (Lianyungang) Co., Ltd.]
N.A 3,367.3 3,718.0
エアバッグコントローラー N.A 708.7 362.7
ブレーキホース 上海汽車制動系統有限公司
[Shanghai Automotive Brake Systems Co., Ltd.]
N.A 1,396.0 1,277.8
(主要供給先:VW)
ブレーキキャリパー 910.0 906.0 857.7
バキュームブースター 910.0 87.0 481.0
ABS システム N.A N.A N.A

出典:中国汽車工業年鑑 (China Automotive Industry Yearbook) (毎年10月発行)