日本プラスト (株) 2011年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2011年
3月期
2010年
3月期
増減率
(%)
要因
売上高 85,466 70,015 22.0 -東日本大震災による主要顧客の生産休止に伴う影響、円高による為替換算差影響等もあったが、国内及び北米地域の得意先生産が回復し、また、中国市場は堅調に推移したため
営業利益 3,893 1,280 204.1 -
経常利益 3,786 1,209 213.1 -
当期純利益 2,912 (757) - -

- 自動車部品事業の売上高は85,407百万円、うち安全部品部門のハンドルは14,234百万円、エアバッグは36,735百万円、また樹脂部品部門は34,438百万円。
要因としては以下の通り。
エアバッグ:日本・中国でJUKEの新規受注、北米でCR-Vのカーテン増産
樹脂部品:日本でCR-Zの増産、北米でアコード・オデッセイの増産
ハンドル:日本でJUKEの新規受注

海外動向

-同社は部材の内部調達に対する取り組みを一段と推進する。メキシコでエアバッグモジュールの新工場を立ち上げることに伴い、同国の生産拠点で「アウトレット」と呼ばれるエアコンの吹き出し口部品を新たに内製に切り替える。同社はすでにエアバッグの縫製を内製に切り替えてインドネシアの拠点で生産に乗り出している。今後も製品を構成する部材の中で内製化が可能なものは順次切り替えていきたい考えだ。 (2010年12月1日付日刊自動車新聞より)

-同社は、部材の内製化に関する取り組みを一段と強化する。特に海外拠点を活用した内製化の取り組みに力を入れていき、現状4割程度となっている内製化比率を一段と高めていくことを目指す。このほど、インドネシアでエアバッグの縫製に関する事業をスタート、内製化に移行した。同社は、北米生産において米国からメキシコに移管する取り組みを推進するなど、労務コストで競争力の高い地域へのシフトに力を入れている。これらとあわせて、外部調達していた部材を自己調達するようにして、製品の価格競争力を高めていくことで利益率のさらなる向上を狙う。(2010年6月15日付日刊自動車新聞より)

資本提携の解消

-同社とMollerTech International GmbH(ドイツ)は、資本提携を解消することで合意した。MollerTechが保有する同社の全株式(9.3%)を売却するもの。同社は2000年7 月、MollerTechの親会社であるMollerGroup GmbH & Co. KG(ドイツ)との間で、内外装樹脂部品事業の業務提携契約を締結している。この業務提携関係は今後も継続していく考え。 (2010年5月11日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2011年3月期 2010年3月期 2009年3月期
安全部品部門 899
731 867
樹脂部門 683
603 862
合計 1,582
1,334 1,729

研究開発体制

-開発活動は日本では当社の研究開発部、安全開発部、内外装開発部、生産技術部、北米ではニートン・オート・プロダクツの開発センター等により推進。

研究開発拠点

テクニカルセンター 静岡県富士宮市
第2テクニカルセンター 静岡県富士宮市
第3テクニカルセンター 静岡県富士市

研究開発活動

安全部品部門
<ハンドル製品>
-マグネシウム芯金や低比重ウレタンによる軽量化や、ヒーター付ハンドルなどによる高性能化開発に加え、金属調別体エンブレム付エアバッグカバー、高触感ハンドル、高品位木目加飾ハンドル等の高品質化開発を推進。
-インフレーターガスのクリーン化や、生産に使用するウレタン、塗料、革などからの有機溶剤低減等、環境への影響を極力減らす開発を実施。

<助手席エアバッグモジュール製品>
-切削テア加工によるハードタイプエアバッグを開発しシームレス化への展開を行い、表面加飾要求に対してはウレタンRIM工法を基にした独自NPSS(Nihon Plast Soft Surface)、NPFS(Nihon Plast Foamed Surface)工法を開発、更にソフト感を増す工法検討にも取り組み、 成長分野のエアバッグ一体パネルの品揃えを拡充。
-加害性低減を狙った独自のバッグ構造、折り構造を開発。

<側突対応エアバッグモジュール製品>
-縫製部のシール技術による車両横転時の長時間圧力保護タイプのカーテンエアバッグの開発や、膝を守るニーエアバッグの開発も推進。
-製造方法において、カーテンバッグ自動折り機を完成させ、車両に搭載されるすべてのエアバッグの性能向上開発とともに、製造工程の合理化開発も推進。

樹脂部品部門
<外装樹脂製品>
-超簿肉の射出成形によるフェンダープロテクターを開発し大型射出成形への展開を図り、カバーカウルトップでは、リップ一体型の構造を開発し、ガラスとの勘合構造のシンプル化による品質の安定化を図っている。又、新規開発部品として騒音低減に寄与するブロー工法によるレゾネーターの商品化を実現。

<内装樹脂製品>
-空調部品類であるベンチレーターの超薄型化やルーバー完全シャット機構などによる品揃えを拡充。
-樹脂パネル類に対しては、接着工程無しで布貼りピラーが生産できる布インモールド工法及び蒸着FILMによる金属加飾工法等、多彩な加飾技術を開発し低コスト高品質化要望に応え、多部品の組合せによる高機能化設計が要求されるグローボックス、コンソール等を開発。

技術供与

(2011年3月31日現在)

名称 国名 契約内容 契約期間
Neaton Auto Products Mfg., Inc. 米国 自動車用部品の設計、実験、製造、検査技術の供与 2011年1月 - 2011年12月
中山富拉司特工業有限公司
(Zhongshan Plast Co., Ltd.)
中国 自動車用部品の設計、実験、製造、検査技術の供与 2011年1月 - 2011年12月

業務提携

(2011年3月31日現在)

名称 国名 契約内容 契約期間
MollerGroup GmbH & Co.KG ドイツ 自動車の内外装樹脂部品の開発、設計、生産に関する業務の提携 2011年1月 - 2011年12月
カルソニックカンセイ 日本 自動車の内外装樹脂部品の開発、設計、生産に関する業務の提携 2010年9月 - 2011年9月

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2011年3月期 2010年3月期 2009年3月期
日本 1,262 - -
北米 864 -
-
中国 274 -
-
その他 409 -
-
合計 2,811 2,458 6,374

2010年度の設備投資
-モデルチェンジに対応した設備を中心に実施。

海外投資

-2010年11月にNeaton Auto Mexicana, S.A de C.V.を設立すると発表。新会社はメキシコのQueretaroに本拠を置き、2012年5月よりエアバッグモジュールを生産する。北米およびメキシコにおける受注拡大への対応、顧客への安定供給の確保を目的とする。資本金は8百万米ドル(約6.5億円)で、同社子会社が100%出資する。内訳はNihon Plast Mexicana S.A. de C.V.が62.5%、Neaton Auto Products Mfg., Inc.が37.5%。なお、新会社は同社にとってメキシコで3つ目の生産拠点。2011年に28百万米ドル、2012年に88百万米ドルの売上を計画している。 (2010年10月29日付プレスリリースより)

重要な設備の新設

(2011年3月31日現在)

事業所名 所在地 設備内容 投資予定額
(百万円)
着手
年月
完了予定
年月
富士工場 静岡県
富士宮市
ハンドル・エアバッグの生産設備 292 2011年4月 2012年3月
伊勢崎工場 群馬県
伊勢崎市
エアバッグ・樹脂部品の生産設備 2,103 2011年4月 2012年3月
九州工場 福岡県
築上郡
ハンドル・エアバッグおよび樹脂部品の生産設備 372 2011年4月 2012年3月
テクニカルセンター 静岡県
富士宮市
ハンドル・エアバッグおよび樹脂部品の試験研究用設備 160 2011年4月 2012年3月
武漢富拉司特汽車零部件有限公司
[Wuhan Plast Auto Parts Co., Ltd.]
中国
湖北省
ハンドル・エアバッグの生産設備 1,340 2011年1月 2011年12月
Neaton Auto Products Mfg., Inc. 米国
オハイオ州
ハンドル・エアバッグおよび樹脂部品の生産設備 1,048 2011年1月 2011年12月