日鍛バルブ (株) 2014年3月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万円) |
2014年 3月期 |
2013年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 38,972 | 35,493 | 9.8 | -北米、アジアにおける生産拡大、円安効果が寄与 |
営業利益 | 1,161 | 1,008 | 15.2 | -北米における生産拡大対応によるコスト増加があったものの、コスト低減施策および円安効果等が寄与し増収 |
経常利益 | 1,637 | 1,479 | 10.7 | |
当期純利益 | 192 | (1,018) | - | - |
小型エンジンバルブ | ||||
売上高 | 30,008 | 26,070 | 15.1 | 1) |
営業利益 | 740 | 1,046 | (29.3) | - |
可変動弁・歯車 | ||||
売上高 | 4,603 | 4,674 | (1.5) | 2) |
営業利益 | 273 | (211) | - | - |
要因
1) 小型エンジンバルブ 売上高
-日本:四輪車用エンジンバルブの売上高は、当初の予想を上回ったものの、海外向け製品が低調に推移したこと等により減収。
-アジア地域:四輪車用製品の新規立ち上がりや二輪車製品の好調、円安効果が寄与し増収。
-北米地域:円安効果、市場の回復により生産拡大を受け、大幅に増収。
2) 可変動弁・歯車 売上高
-可変動弁:モデル切り替えによる受注減の傾向にあったが、2014年3月期においては中国向け製品の売上が増加したことで増収。
-精密鍛造歯車:アジア地域向け中大型機種製品の減少等により、減収。
海外事業
<米国>-米国での自動車エンジンバルブの生産能力を、2014年初までに現在の年間5千万本から8割増の9千万本へ引き上げる。2013年4月以降、米国では日系メーカーからの需要が急増しており、当初の増産計画を前倒しして実施する。現在は日本、中国、ポーランドの増産分を供給して対応している。早期に現地供給体制を最適化することで輸送コストの削減を図る。さらなる需要増を見込み、年間生産数1億本までの増強も視野に入れている。(2013年5月27日付日刊自動車新聞より)
2015年3月期の見通し |
(単位:百万円) |
2015年3月期 (予測) |
2014年3月期 (実績) |
増減率 (%) | |
売上高 | 40,700 | 38,972 | 4.4 |
営業利益 | 2,400 | 1,161 | 106.7 |
経常利益 | 2,700 | 1,637 | 64.9 |
当期純利益 | 1,000 | 192 | 420.8 |
>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)
開発動向
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2014年3月期 | 2013年3月期 | 2012年3月期 | |
全社 | 616 | 716 | 696 |
-小型エンジンバルブ | 366 | 365 | 174 |
-可変動弁・歯車 | 132 | 244 | 379 |
研究開発活動
小型エンジンバルブ-ダウンサイジングエンジン用バルブ:軽量化と高耐熱化により、燃費改善効果を狙った次世代冷媒封入中空バルブは、顧客メーカーの新開発エンジンへの採用が決定。現在量産化を推進している。
可変動弁・歯車
-可変動弁機構:継続的な燃費改善要求と2020年以降の厳しい排ガス規制を見据えた新型エンジンへの採用を目標とし、可変バルブタイミング装置の開発を継続している。
バルブリフター
-新規顧客に向けたローラーロッカーアームおよび油圧ラッシュアジャスターの試作・評価に取り組んでいる。
技術導入契約等 |
(2014年3月31日現在) |
会社名 (国名) |
契約内容 | 契約期間 |
北京柳成新和汽車部件有限公司 [Beijing Yoosung Shinhwa Automobile Part Co., Ltd.] (中国) |
ラッシュアジャスターに関するライセンス契約 |
2006年12月07日 - 10年間 |
メカニカルタペットに関するライセンス契約 | 2008年01月01日 - 10年間 | |
U.S. Engine Valve (Partnership) (米国) |
エンジンバルブに関するライセンス契約 | 2008年08月04日 - 10年間 |
Nittan Euro Tech sp.z o.o. (ポーランド) |
自動車用エンジンバルブに関するライセンス契約 | ライセンス対象製品の出荷を開始した日から5年間 (2008年8月29日締結) |
PT. Federal Nittan Industries (インドネシア) |
小型エンジンバルブに関するライセンス契約 | 2010年06月01日 - 5年間 |
新和精密 (株) [Shinhwa Precision Co., Ltd.] (韓国) |
油圧式バルブリフターに関するライセンス契約 | 2010年08月01日 - 5年間 |
メカニカルタペットに関するライセンス契約 | 2012年12月05日 - 5年間 | |
広州日鍛汽門有限公司 [Guangzhou Nittan Valve Co., Ltd.] (中国) |
エンジンバルブに関するライセンス契約 | 2011年04月01日 - 10年間 |
Nittan (Thailand) Co., Ltd. (タイ) |
小型エンジンバルブに関するライセンス契約 | 2012年02月01日 - 5年間 |
Nittan Vietnam Co., Ltd. (ベトナム) |
小型エンジンバルブに関するライセンス契約 | 2013年01月01日 - 10年間 |
設備投資
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2014年3月期 | 2013年3月期 | 2012年3月期 | |
全社 | 7,023 | 4,660 | 4,158 |
-小型エンジンバルブ | 6,763 | 4,049 | 3,292 |
-可変動弁・歯車 | 124 | 403 | 506 |
-2014年3月期 小型エンジンバルブ事業の主な設備投資は以下の通り: |
生産拠点 | 投資額 (単位:百万円) |
投資内容 |
小型エンジンバルブ | ||
同社 | 1,211 | エンジンバルブ製造設備の増設および更新・合理化 |
U.S. Engine Valve (Partnership) (米国) |
2,288 | |
Nittan Vietnam Co., Ltd. (ベトナム) |
1,119 | |
広州日鍛汽門有限公司 [Guangzhou Nittan Valve Co., Ltd.] (中国) |
784 | |
PT. Federal Nittan Industries (インドネシア) |
660 | |
Nittan Euro Tech sp.z o.o. (ポーランド) |
522 | |
Nittan (Thailand) Co., Ltd. (タイ) |
124 |
海外投資
<米国>-2014年2月、Eaton Corporationとの合弁会社U.S. Engine Valve (Partnership) (USEV) がサウスカロライナ州とネブラスカ州の拠点に、今後5年間で40百万ドルを投じると発表。2016年までに新たに最大150名を雇用する予定:
- サウスカロライナ州のWestminster工場:2013年から2017年の間に約34百万ドルを投資する。同拠点を38,000平方フィート拡張し、バルブ加工装置や鍛造プレス機を新たに設置する計画。同工場の拡張工事はすでに開始されており、2014年3月に完成する見込み。
- ネブラスカ州KearneyにあるEatonの工場:6百万ドルを投じて、バルブの生産を拡大する。
設備の新設計画 (自動車部品事業) |
(2014年3月31日現在) |
事業所 | 設備の内容 | 投資額 (百万円) |
着手 | 完了 予定 |
完成後の 増加能力 |
本社工場 (神奈川県秦野市) |
エンジンバルブ生産設備 | 530 | 2014.04 | 2015.03 | 合理化、更新が主目的 |
精密鍛造歯車他生産設備 | 110 | 2014.04 | 2015.03 | 合理化、更新が主目的 | |
山陽工場 (山口県山陽小野田市) |
エンジンバルブ生産設備 | 1,420 | 2014.04 | 2015.03 | 合理化、更新が主目的 |
PT. Federal Nittan Industries (インドネシア) |
エンジンバルブ生産設備 | 530 | 2014.01 | 2014.12 | 合理化、更新および生産能力16%増 |
U.S. Engine Valve (Partnership) (米国) |
エンジンバルブ生産設備 | 1,020 | 2014.01 | 2014.12 | 合理化、更新および生産能力14%増 |
Nittan (Thailand) Co., Ltd. (タイ) |
エンジンバルブ生産設備 | 770 | 2014.01 | 2014.12 | 合理化、更新が主目的 |
広州日鍛汽門有限公司 [Guangzhou Nittan Valve Co., Ltd.] (中国) |
エンジンバルブ生産設備 | 540 | 2014.01 | 2014.12 | 合理化、更新および生産能力50%増。 |
Nittan Vietnam Co., Ltd. (ベトナム) |
エンジンバルブ生産設備 | 390 | 2014.01 | 2014.12 | 合理化、更新および生産能力30%増。 |