ユニプレス (株) 2017年3月期の動向
業績 |
(単位:百万円) |
2017年 3月期 |
2016年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
売上高 | 321,168 | 325,423 | (1.3) | -円高に伴う為替影響等により |
営業利益 | 23,025 | 22,033 | 4.5 | -UPS (ユニプレス生産システム) 活動を柱とした合理化効果 |
経常利益 | 23,034 | 18,186 | 26.7 | -為替差損等により |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 14,379 | 9,750 | 47.5 | - |
合弁会社
-同社は、連結子会社のユニプレス(中国)会社が東風(武漢)実業有限公司と合弁会社を設立することで合意したと発表した。中国で車体用ホットスタンプ部品の製造・販売を行う。新会社の名称は「東風ユニプレスホットスタンプ会社」で、資本金は100百万人民元 (約1,527百万円)。出資比率は両社50%ずつとなる。2017年2月設立予定、操業開始は2019年4月を予定している。(2016年11月7日付プレスリリースより)
受注
-ルノー・日産コモンモジュールファミリーC/Dセグメント (日産 「X-Trail」 「Qashqai」 「Rogue」、Renault 「Kadjar」「Koleos」) 向け部品を、日本、中国、米国、英国で生産。新たに2017年3月から北米向け 「Rogue Sport」 の部品を九州で生産開始。
-SUBARU向けにCVTのプランジャー3部品を受注。
研究開発活動
1.2GPaハイテンを使用したフロントピラー
-同社は、1.2ギガパスカル級の超高張力鋼板(超ハイテン材)を活用したフロントピラーの開発に成功した。衝突時などの安全性を高める高強度部品として、主要顧客の日産自動車や国内外の自動車メーカーに提案して、受注獲得を目指す。フロントピラーの超ハイテン化は、新日鉄住金と共同開発した。1ギガパスカルを超える高強度のハイテン材は深絞りなどの複雑成形の際、プレスによって必要箇所以外の部材が延びて「しわ」が出ることが課題だった。今回、特殊なパッドで部材を抑えながら成形することで、しわの発生を抑制できる加工技術を開発した。従来、センターピラーやルーフパネルなどの一定の成形条件に限られていた1.2ギガパスカル級の超ハイテン材を、難加工部品のフロントピラーにも適応することが可能になった。(2016年6月7日付日刊自動車新聞より)
ホットスタンプで深絞り加工
-同社は、熱間プレス(ホットスタンプ)で深絞り部品を加工できる新技術を開発した。熱解析や金型の表面処理工法の見直しにより、これまで課題だったプレス成形時の亀裂・シワを抑制するとともに、金型のメンテナンス頻度を大幅に減らせる。同技術を活用したホットスタンプ7部品を英国で受注し、ホンダの北米向け「シビック」に供給を開始した。軽量化材料としてグローバルでのホットスタンプ採用拡大を見据え、今後、軽量化部品の開発にも新技術を生かしていく。(2016年11月25日付日刊自動車新聞より)
2017年3月期の主な研究開発課題
- 1180MPa以上の超ハイテン部品及びその最適成形技術の開発
- ホットスタンプの超深絞り部品成形技術の開発
- 超ハイテン、ホットスタンプ及びアルミ接合技術開発
- 成形シミュレーションなどの高精度解析技術
- 次世代トランスミッション用機能部品開発
- 樹脂高機能カバー部品開発
研究開発体制
-2017年3月31日現在、研究開発に携わる人数は329名。
-2017年3月31日現在、産業財産権を78件保有。
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2017年3月期 | 2016年3月期 | 2015年3月期 | |
全社 | 3,800 | 3,600 | 3,400 |
海外投資
-同社は、中国とメキシコの工場でプレス部品の生産能力を大幅に増強する。中国のユニプレス鄭州(河南省)では、既存のプレス工場に隣接する組立工場の建屋を7200平方メートルから1万3700平方メートルに拡張して、プレス部品の製造設備を導入する。今年11月末に工事が完了する予定で、年間の生産能力を22万台から41万台にほぼ倍増する。4400万元(約7億4千万円)を投じて、日産の中国合弁会社の東風日産からの新規受注や既受注車種の生産拡大に対応する。ユニプレスメキシコ(アグアスカリエンテス州)でも日産からの受注増加を見込んで工場を拡張、生産能力を増強する。既存工場の横に1万6800平方メートルの建屋を新設し、組立エリア全体を5万4500平方メートルに広げる。投資額は2400万ドル(約26億7千万円)で、生産能力を年間82万台から135万台に増やす。増強分は、世界80カ国以上で日産が市場投入する予定の新型車「Kicks」向けのプレス部品などを生産する。(2016年6月3日付日刊自動車新聞より)
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2017年3月期 | 2016年3月期 | 2015年3月期 | |
全社 | 20,000 | 18,400 | 27,300 |
-2017年3月期の得意先のモデルチェンジに対応するための自動車用部品の生産用設備の更新を主な目的として支出。地域別投資額は以下のとおり。
- 日本 6,600百万円
- 北米 7,100百万円
- 欧州 2,200百万円
- アジア 3,900百万円
-2018年3月期の設備投資計画は20,000百万円。
設備の新設計画 |
(2017年3月31日現在) |
会社名・事業所名 (所在地) |
設備内容 | 投資予定金額 (百万円) |
着手 | 完了予定 |
同社 本社および事業所 (神奈川県横浜市、静岡県富士市、神奈川県大和市) |
職場環境整備および危機管理強化他 | 2,500 | 2017年4月 | 2018年3月 |
同社 栃木工場 (栃木県真岡市・小山市、神奈川県横須賀市) |
モデルチェンジによる生産設備更新及び生産体制強化他 | 1,000 | 2017年4月 | 2018年3月 |
同社 富士工場 (静岡県富士市・富士宮市) |
モデルチェンジによる生産設備更新及び生産体制強化他 | 1,600 | 2017年4月 | 2018年3月 |
ユニプレス九州 (株) (福岡県京都郡) |
モデルチェンジによる生産設備更新及び生産体制強化他 | 1,300 | 2017年4月 | 2018年3月 |
Unipres U.S.A., Inc. (米国) |
モデルチェンジによる生産設備更新及び生産体制強化他 | 3,800 | 2017年4月 | 2018年3月 |
Unipres Southeast U.S.A., Inc. (米国) |
モデルチェンジによる生産設備更新及び生産体制強化他 | 1,700 | 2017年4月 | 2018年3月 |
Unpres Alabama, Inc. (米国) |
モデルチェンジによる生産設備更新及び生産体制強化他 | 400 | 2017年4月 | 2018年3月 |
Unipres Mexicana, S.A. de C.V. (メキシコ) |
モデルチェンジによる生産設備更新及び生産体制強化他 | 2,700 | 2017年1月 | 2017年12月 |
Unipres (UK) Limited (英国) |
モデルチェンジによる生産設備更新及び生産体制強化他 | 1,200 | 2017年1月 | 2017年12月 |
ユニプレス広州 [Unipres Guangzhou Corporation] (中国) |
モデルチェンジによる生産設備更新及び生産体制強化他 | 1,100 | 2017年1月 | 2017年12月 |
ユニプレス鄭州 [Unipres Zhengzhou Corporation] (中国) |
モデルチェンジによる生産設備更新及び生産体制強化他 | 900 | 2017年1月 | 2017年12月 |
ユニプレス精密広州 [Unipres Precision Guangzhou Corporation] (中国) |
モデルチェンジによる生産設備更新及び生産体制強化他 | 2,100 | 2017年1月 | 2017年12月 |
2018年3月期の見通し |
(単位:百万円) |
2018年3月期 (予想) |
2017年3月期 (実績) |
増減 (%) |
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売上高 | 300,000 | 321,168 | (6.6) |
営業利益 | 23,000 | 23,025 | (0.1) |
経常利益 | 22,500 | 23,034 | (2.3) |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 14,000 | 14,379 | (2.6) |
中期経営計画
-2016年6月、2018年度に売上高3,300億円、営業利益250億円を目標とする3カ年の中期経営計画を発表した。15年度の実績比では売上高が1.4%増、営業利益が13.6%増となる。16年度は主要顧客の日産が米州などでの車両生産を増やす見通しだが、15年度よりも為替水準が円高傾向に進んでいることや、同社が受注しているモデルの生産が減る見通しなため、前年同期比4.7%の減収、同9.1%の営業減益を見込む。ただ、17年度以降、メキシコやインドでプレス部品の受注増加を見込むほか、中国でアイシン・エィ・ダブリュやジヤトコ向けの受注増を予想する。国内でも、日産が2016年4月、九州工場で生産を開始した北米向け 「Rogue」 の部品が収益増に貢献する。15年度に初めて自社開発したトルクコンバーター事業も強化する。現在、ジヤトコを通じて日産の中国向け 「Lannia」 の無段変速機 (CVT) 用に超扁平型トルコンを供給しているが、性能面での競争力を高めることで採用車種の拡大を目指す。既に騒音・振動性能や燃費などを評価する試験設備の増強を進めており、軽自動車から大型車までの幅広い車種向けに新しいトルコンを開発していく。(2016年6月15日付日刊自動車新聞より)
2016年3月期 (実績) |
2017年3月期 (実績) |
2018年3月期 (予想) |
2019年3月期 (計画) |
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売上高 | 325,423 | 321,168 | 300,000 | 330,000 |
営業利益 | 22,033 | 23,025 | 23,000 | 25,000 |