(株) ファルテック 2013年3月期の動向

ハイライト

近年の動向

東証第二部に再上場

-2013年3月、同社は、東京証券取引所第二部に再上場した。終値は公開価格3940円を585円上回る4525円となった。ファルテックの株式公開は2007年11月の上場廃止以来、5年4カ月ぶり。上場を機に収益力とグローバル競争力の強化をさらに加速させる。 (2013年3月21日付日刊自動車新聞より)

TPRによる同社買収

-2012年4月、TPRは6日、同社の発行済み株式170万株を5日付で取得、子会社化したと発表した。これにより、同社の総株主などの議決権に対する割合は65.0%となった。同時に、ファルテックの英国と中国の完全子会社も特定子会社化した。(2012年4月7日付日刊自動車新聞より)

-2012年3月、TPRはファルテックの発行済み株式の57.39%を取得し子会社化すると発表した。ファルテックに72.8%を出資する投資ファンドから81億円で買い取る。子会社化によるファルテックの経営体制の変更などは予定していない。エンジン部品を専門に手掛けているTPRは、新興国での需要の拡大により、当面、エンジン部品の需要も増えるものの、長期的には、ハイブリッド化によるエンジン気筒数の減少や電気自動車(EV)化により、エンジン部品の需要は減少していくと見ている。長期的な経営の安全度を増すため、これまでも企業買収を行っており、今回、投資ファンド側からの株式譲渡の提案を受けた。株の引き渡し日は4月上旬を予定している。(2012年3月1日付日刊自動車新聞より)

事業概況

-2012年、同社は2012年3月期の連結営業利益が前期比77%増の32億円と過去最高になる見通しを明らかにした。売上高も同4.9%増の737億円と増収を確保する見込みだ。東日本大震災やタイの洪水の影響があったものの、構造改革の効果や主要顧客への販売増で利益が大幅に改善する。上期(4~9月)は売上高が前年並みの347億円だった一方、営業利益は前年同期比45%増の13億円と上期として過去最高だった。下期(10~3月)は、自動車メーカーの挽回生産が本格化し、売上高が前年同期を上回る見込み。主要顧客の日産自動車やホンダ向けが増加する見通しだ。(2012年1月18日付日刊自動車新聞より)

事業提携

-2011年、米国のSRGグローバル社 (ミシガン州) と業務提携すると発表した。自動車外装部品事業で相互の生産拠点を活用し、グローバルに生産補完する。新興国進出に伴うリスクを回避しながら双方の取引先メーカーの現地調達ニーズに対応する。提携によりファルテックが主にアジア圏で、SRGが北米、南米、東欧で自動車外装樹脂部品やモールを生産する。ファルテックの主要取引先である国内メーカーは、グローバルプラットホームを使い、新興国での生産を拡大していく計画。北米や南米地域に生産拠点を持つSRGと提携することで、投資を抑えながら取引先メーカーの新興国での生産拡大に対応していく。(2011年11月19日付日刊自動車新聞より)

海外事業

<タイ>
-2012年9月、同社とGuardian Industries傘下のSRGグローバルは、タイのチャチェンサオ県にあるGateway City工業団地において、新工場の建設を開始したと発表。同工場では、ラジエーターグリル、ボディーサイドモールディング、リアガーニッシュ、ルーフレールなどの生産に向けて、射出成形・クロムめっき・塗装・組立を行う。納入先は、日産、Ford、ホンダ、いすゞ、GMなど。新工場は2013年第3四半期に完成する計画。なお、SRG Globalとファルテックは2011年に提携を開始した。(2012年9月18日付プレスリリースより)

-2010年、同社はタイ生産車用に日本から輸出している外装部品の供給を2011年から現地化すると発表。現地の部品メーカーに生産を委託し現地からの供給に切り替える。タイで部品の供給体制を敷くのは初めてとなる。主要取引先の日産自動車が現地調達を推進していることに対応する。タイの部品メーカー、TKT (バンコク)に生産を委託し、樹脂製の外装部品の供給を現地化する。まずバンパーフィニッシャー、リアスポイラーフィニッシャーといった小型製品から委託生産を開始し、12年度までにはフロントグリルなどの大物部品に品目を広げる。9月末に設立した現地販売会社、ファルテックタイランド (バンコク)を通じ、日産のタイ生産拠点に11年1月から納入する。(2010年11月10日付日刊自動車新聞より)

国内事業

-2007年11月、エム・エイチ・インベストメント株式会社による公開買付けが行われた結果、東京証券取引所の株券上場廃止基準に該当し、同社は東京証券取引所第二部における普通株式の上場を廃止。

-2007年10月、グループ会社を再編。同社は、株式会社アルティア橋本の自動車部品事業・用品事業を継承し、これまでの純粋持株会社から事業持株会社として新たにスタート。また、株式会社アルティア橋本は製造子会社であるオリオンテクノ株式会社を吸収合併し、株式会社アルティアと商号を変更、自動車関連機器の製造子会社として再編された。

合弁会社

-2007年12月、石川金属工業株式会社、株式会社いしかわ山口、およびイー・ティー・エス株式会社との間で、合弁事業に関する契約を締結したと発表した。福岡県北九州市に自動車用外装部品の樹脂めっき事業をおこなう合弁会社を設立することで、自動車生産台数の拡大が予定されている九州地区でのコスト競争力を強化し、自動車部品事業の売上拡大を図る。2008年4月に合弁会社である株式会社いしかわファルテックを設立、自動車関連の樹脂メッキ部品などを生産する。新会社の資本金は4,975万円で、同社が49%を出資する。(2007年12月12日付プレスリリースより)