フジオーゼックス (株) 2015年3月期の動向

業績

(単位:百万円)
2015年
3月期
2014年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 16,903 16,299 3.7 -
営業利益 1,013 1,362 (25.6) -
経常利益 1,577 1,908 (17.3) -
当期純利益 939 1,388 (32.3) -
自動車部品製造
売上高 16,448 15,563 5.7 -中空バルブの需要が増加した。
営業利益 904 1,256 (28.0) -

事業方針

中空バルブの生産量拡大
-中空エンジンバルブの生産量を2014年3月期の年間500万本に対して、2015年3月期は同1千万本、2017年3月期には同2千万本まで増やす。同社静岡工場 (静岡県菊川市)が生産を担当。低燃費エンジンの普及に伴う高付加価値バルブの需要増をにらみ、2015年3月期から2017年3月期にかけて生産規模を急速に引き上げる。日系自動車メーカーの小型車や軽自動車向けに受注活動を展開し、採用車種を拡大していく。数年後には排気バルブの過半数が中空型に代わる可能性もあると見て、早期に増産の準備を整える。(2014年4月25日付日刊自動車新聞より)

中空バルブと軽量リテーナーの一括販売
-日系自動車メーカーに対して中空エンジンバルブと軽量リテーナーを一括で売り込む。両部品の軽量化技術を最適に組み合わせることで、さらなる軽量化が可能であることを訴求する。一括設計により、従来のバルブ、リテーナーに比べて最大15%の重量を削減できるとしている。2013年度に続き、2014、2015年度にも中空バルブ関連の研究・開発に年10億円規模の投資を行う予定で、最新の技術力を柱に自動車メーカーへの提案を強化する。 (2014年5月13日付日刊自動車新聞より)

TRW Automotiveとの業務提携契約の解消

-2015年6月、TRWグループとの業務提携を解消すると発表。まず、TRW Automotive U.S. LLC、TRW Automotive GmbH、TRW Automotive J.V. LLC (TRW JV)、TRW Asia Pacific Co., Ltd.との間で業務提携を解消する。合弁事業に関しては、フジオーゼックスが保有するTRW Fuji Valve Inc.とTRW Fuji Serina Co., Ltd.の全株式をTRW JVに譲渡し、TRW APが保有する富士气門 (広東) 有限公司 [Fuji Valve (Guangdong) Corporation] の全株式をフジオーゼックスが譲り受け、完全子会社化する計画。ただし、新韓バルブ工業 [Shin Han Valve Ind. Co., Ltd.] および新韓 (北京) 汽車配件系統 [Shinhan Beijing Automobile Parts System Co.] については、合弁解消に向け交渉中。現状では合意に至っていないため、当面は合弁事業を継続する。また、業務提携の解消に伴い、TRW JVが2014年4月にフジオーゼックスに対して提起した損害賠償請求訴訟に係る訴えを取り下げることに関しても合意する予定。両社は1960年に業務提携契約を締結した。 (2015年6月30日付プレスリリースより)

*なお、TRW Fuji Valve Inc.とTRW Fuji Serina Co., Ltd.については、エンジンバルブ事業のTRWからFederal-Mogulへの売却により、Federal-Mogulの拠点となった。

米国に販売拠点設立

-2015年7月、米国テキサス州ヒューストンに販売子会社FUJI OOZX AMERICA Inc.を設立すると発表。営業開始は2015年8月を予定。

2016年3月期の見通し

(単位:百万円)
2016年3月期
(予測)
2015年3月期
(実績)
増減
(%)
全社
売上高 17,000 16,903 0.6
営業利益 1,000 1,013 (1.2)
経常利益 1,200 1,577 (23.9)
当期純利益 1,000 939 6.4


研究開発費

(単位:百万円)
2015年3月期 2014年3月期 2013年3月期
全社 (自動車部品製造) 191 175 150

研究開発拠点

-静岡工場内のOOZXテクニカルセンターにおいて研究開発を実施。

研究開発活動

-研究体制の強化とともに、軽量かつ高い耐熱性を有するエンジンバルブの設計開発や、製造技術の確立および高耐摩擦材料の研究開発を推進している。

技術相互援助契約

(2015年3月31日現在)
提携先
(国名)
契約品目 契約内容 契約期間
TRW Automotive U.S. LLC
(米国)
エンジンバルブ 製造、販売、使用の非独占的実施権の許諾 1996年1月1日 -
自動延長制
TRW Automotive GmbH
(ドイツ)
エンジンバルブ 製造、販売、使用の非独占的実施権の許諾 1996年1月1日 -
自動延長制

技術供与契約

(2015年3月31日現在)
提携先
(国名)
契約品目 契約内容 契約期間
新韓バルブ工業株式会社
[Shin Han Valve Ind. Co., Ltd.]
(韓国)
エンジンバルブ 製造、販売の独占的実施権の許諾 2014年9月29日 -
2015年9月28日
TRW Fuji Serina Co., Ltd.
(タイ)
エンジンバルブ 製造、販売、使用の非独占的実施権の許諾 2011年1月1日 -
2015年12月31日
TRW Fuji Valve Inc.
(米国)
エンジンバルブ、バルブアジャスター、コッター、バルブシート 製造、販売、使用の非独占的実施権の許諾 1988年9月15日 -
JV解消まで
Shriram Pistons & Rings Limited
(インド)
エンジンバルブ 製造、販売、使用の非独占的実施権の許諾 2012年12月5日 -
2019年12月4日
富士气門 (広東) 有限公司
[Fuji Valve (Guangdong) Corporation]
(中国)
エンジンバルブ、コッター、リテーナー 製造、販売、使用の非独占的実施権の許諾 2014年9月30日 -
2017年9月29日
PT. FUJI OOZX INDONESIA
(インドネシア)
エンジンバルブ、コッター、リテーナーその他 製造、販売、使用の非独占的実施権の許諾 2013年9月26日 -
2016年9月25日

設備投資額

(単位:百万円)
2015年3月期 2014年3月期 2013年3月期
全社 2,812 2,696 949
-自動車部品製造 2,808 2,694 942


-2015年3月期、自動車部品製造事業では主にエンジンバルブ生産設備に投資。

海外投資

<インドネシア>
-インドネシアの新工場で2014年秋までにエンジンバルブの量産を始める。2014年度は年間600万本ペースで生産を立ち上げ、2017年度には年間1500万本まで生産規模を拡大する計画だ。2015~2017年度に実施する増産体制の構築を第1段階と位置づけ、2018年度以降はさらに第2、第3段階へと生産能力を引き上げていく。同社は、2013年8月にインドネシア初の現地法人「フジオーゼックス・インドネシア」を設立し、エンジンバルブ工場の建設を進めてきた。同国で生産を拡大する日系自動車メーカーから現地向けの新規受注を見込んだもので、耐久性に優れた日本メーカー製バルブの需要に対応する。 (2014年4月21日付日刊自動車新聞より)

<メキシコ>
-メキシコに設立予定のエンジンバルブの製造・販売子会社「Fuji Oozx Mexico, S.A. de C.V.」の所在地を、アグアスカリエンテス州からグアナファト州に変更すると発表した。新会社の資本金は25.5百万ペソ (約200.5百万円) で、フジオーゼックスが95%、大同興業が5%を出資する予定。2014年8月に設立され、2016年7月に生産を開始する予定。 (2014年7月24日付プレスリリースより)

設備の新設計画

(2015年3月31日現在)
事業所名
(所在地)
設備内容 投資予定
総額
(百万円)
着手 完成
予定
静岡工場
(静岡県菊川市)
エンジンバルブ製造設備 414 2015年3月 2016年3月
維持更新設備 192 2015年3月 2016年3月

各種データ

  2015年3月末 2014年3月末 2013年3月末
自動車部品製造 547 463 439
流通 50 84 96
全社 (共通) 89 56 37
合計 686 603 572

部門別売上構成

(単位:百万円)
  2015年3月期 2014年3月期 2013年3月期
売上高 営業利益 売上高 営業利益 売上高 営業利益
自動車部品製造 16,448 904 15,563 1,256 15,112 1,118
流通 455 15 736 (15) 829 (4)
調整額 - 94 - 121 - 116
合計 16,903 1,013 16,299 1,362 15,940 1,229

地域別売上高

(単位:百万円)
  2015年3月期 2014年3月期 2013年3月期
日本 13,935 13,665 13,872
アジア 1,936 1,708 1,206
北米 956 844 804
欧州 76 76 56
その他 0.1 6 1
合計 16,903 16,299 15,939

(注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国または地域に分類。

連結

決算年月 2011年3月 2012年3月 2013年3月 2014年3月 2015年3月
売上高 (千円) 16,062,678 16,199,832 15,939,679 16,299,304 16,903,200
経常利益 (千円) 1,764,741 1,594,379 1,418,053 1,907,865 1,576,901
当期純利益 (千円) 936,929 780,620 839,559 1,387,881 939,425
包括利益 (千円) 949,447 675,140 1,079,571 1,894,419 1,467,789
純資産額 (千円) 19,465,012 19,934,532 20,714,215 22,746,219 24,029,004
総資産額 (千円) 22,741,701 22,973,194 23,962,985 25,841,910 27,480,330
1株当たり純資産額 (円) 934.72 959.75 1,000.26 1,072.67 1,127.81
1株当たり当期純利益又は純損失 (円) 45.60 37.99 40.86 67.55 45.72
潜在株式調整後1株当たり当期純利益 (円) - - - - -
自己資本比率 (%) 84.5 85.8 85.8 85.3 84.3
自己資本利益率(%) 5.0 4.0 4.2 6.5 4.2
株価収益率 (倍) 7.2 9.7 9.1 6.6 11.3
営業活動によるキャッシュ・フロー (千円) 2,342,291 497,828 2,392,864 1,163,166 2,314,943
投資活動によるキャッシュ・フロー (千円) (606,886) (692,185) (983,874) (1,799,690) (2,925,406)
財務活動によるキャッシュ・フロー (千円) 61,545 (205,620) (246,663) 223,156 (204,579)
現金および現金同等物の期末残高 (千円) 8,548,295 8,149,390 9,308,525 8,779,957 8,042,927
従業員数 (名) 598 584 572 603 686

 

単独

決算年月 2011年3月 2012年3月 2013年3月 2014年3月 2015年3月
売上高 (千円) 15,354,019 15,598,404 15,008,140 14,854,924 15,263,261
経常利益 (千円) 1,797,573 1,647,247 1,542,423 1,337,227 1,112,340
当期純利益 (千円) 962,886 810,798 964,544 1,061,813 750,197
資本金 (千円) 3,018,648 3,018,648 3,018,648 3,018,648 3,018,648
発行済み株式総数 (株) 20,559,500 20,559,500 20,559,500 20,559,500 20,559,500
純資産額 (千円) 18,555,073 19,160,252 19,878,132 20,734,004 21,288,273
総資産額 (千円) 21,687,942 21,960,737 22,901,507 23,571,164 24,231,813
1株当たり純資産額 (円) 902.99 932.46 967.41 1,009.12 1,036.11
1株当たり配当額 (円) 10.00 12.00 10.00 10.00 10.00
1株当たり当期純利益 (円) 46.86 39.46 46.94 51.68 36.51
潜在株式調整後1株当たり純利益 (円) - - - - -
自己資本比率 (%) 85.6 87.2 86.8 88.0 87.9
自己資本利益率 (%) 5.3 4.3 4.9 5.2 3.6
株価収益率 (倍) 7.0 9.3 7.9 8.6 14.2
配当性向 (%) 21.3 30.4 21.3 19.4 27.4
従業員数 (名) 434 416 407 403 411



主要納入先別売上高比率

(%)
  2015年3月期 2014年3月期 2013年3月期
日産 15.8 18.2 18.1