カヤバ工業 (KYB) (株) 2013年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2013年
3月期
2012年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 305,752 337,158 (9.3) -
営業利益 10,473 21,537 (51.4) -
経常利益 13,561 22,755 (40.4) -
純利益 7,789 13,897 (44.0) -
AC (オートモーティブコンポーネンツ)
売上高 184,802 186,664 (1.0) 1)
営業利益 5,106 6,154 (17.0) -

要因
1) AC (オートモーティブコンポーネンツ)
四輪車用油圧緩衝器
-国内販売は前年並み、欧州の生産出荷は低調。一方で北米やタイでの販売が増加し、市販向けの販売が新興国を中心に順調に推移した結果、売上高は前年度に比べ3.0%の増収。

四輪車用油圧機器
-パワーステアリング製品を主とする売上は、中国需要の落ち込み等により、前年度比9.6%の減収。

CVT油圧ポンプの世界供給体制

-自動車用無段変速機 (CVT) に搭載される油圧ポンプの世界供給体制を整備する。同社のCVTポンプ生産は現在、日本国内と中国で合わせて月産28万基規模で行っているが、2013年秋にタイで同製品の生産を開始するほか、2014年9月にはメキシコの新工場が稼働する。両工場合わせた生産能力は月産15万基で、これによりCVTポンプの世界生産能力は現在の50%超増となる月産43万基となる。日系自動車メーカーやトランスミッションメーカーの増産に対応するもので、供給先の現地生産開始に合わせ世界4極で供給体制を構築、14年以降もそれぞれの生産拠点での能力拡大も検討する。 (2013年3月5日付日刊自動車新聞より)

ヤマハ発動機との共同出資会社設立

-ヤマハ発動機と二輪車の油圧緩衝器事業で提携し、共同出資会社を設立すると発表した。KYBの二輪車用油圧緩衝器部門を分社化した上で、ヤマハ発動機が出資する。二輪車メーカーと専門サプライヤーが協力することで、競争力の高い二輪車用緩衝器を開発、新興市場などグローバルで供給する体制を構築する。KYBはオートモーティブコンポーネンツ事業の二輪車用油圧緩衝器部門を分社化した上で新設する「KYBモーターサイクルサスペンション」に事業を移管する。その上で、2013年7月1日付で新会社にヤマハ発動機が出資する予定。新会社の資本金は4億円で出資比率はKYBが66.6%、ヤマハ発動機が33.4%となる。 (2013年1月30日付日刊自動車新聞より)

受賞

-2013年3月期:トヨタ自動車より、補給部品種類削減特別賞、受賞。

中期的経営戦略 (2012年3月期 - 2014年3月期)

AC (オートモーティブコンポーネンツ)
課題 施策
2013年3月期 2014年3月期
1. 開発体制強化 -米国:評価設備導入
-中国:開発人員増強
-欧州:開発要員強化
-北米:テクニカルセンター新設
-日本:評価体制を集約
2. 海外自動車メーカーへの拡販 -ブラジルで韓国Mando社と協業開始
(KYB-Mando do Brasil Fabricante de Autopecas S.A. 50%出資)
-グローバル営業体制の強化
-狙いの市場に合う製品の最適化
3. ショックアブソーバー市販倍増 -新ライン増設 (米、中、ブラジル)
-世界販売実績 16百万本 / 年
-ロシア販社設立
-新ライン増設 (米、中、ブラジル)
-世界販売見込み 17.5百万本 / 年
4. CVT用ポンプ生産体制整備 -タイ:2013年3月竣工 -タイ:2013年7月量産開始
-メキシコ:2013年12月竣工

-中期計画における財務数値達成目標
2014年3月期
(目標)
売上高 4,000億円
営業利益率 8.0%

2014年3月期の見通し

(単位:百万円)
  2014年3月期
(予測)
2013年3月期
(実績)
増減率 (%)
売上高 336,000 305,752 9.9
営業利益 15,800 10,473 50.9
経常利益 16,600 13,561 22.4
当期純利益 10,000 7,789 28.4

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2013年3月期 2012年3月期 2011年3月期
全社 5,468 4,035 3,218
AC (オートモーティブコンポーネンツ) 3,398 2,401 1,733

研究開発体制

名称 所在地 研究内容
KYB開発実験センター 岐阜県
加茂郡
-自動車・二輪車用サスペンションやステアリング機器の開発・実験。
基盤技術研究所 神奈川県
相模原市
-油圧機器、自動車機器などに関する基礎研究と新製品・新技術の開発。
電子技術センター 神奈川県
相模原市
-電子機器の設計や評価、製造技術の集約。
生産技術研究所 岐阜県
可児市
-性能向上、低コスト化等の商品力向上のための開発。
工機センター 岐阜県
可児市
-生産技術研究所および各工場で培われた生産設備設計のノウハウの集約。
-設備の内製化の強化および推進。

電子技術センターを設立
-神奈川県相模原市に技術本部「電子技術センター」を新たに設立した。電子技術力の強化が目的で、電子機器の設計や評価、製造技術の集約を行い、電子製品の開発力向上を狙う。新施設は、同社の相模工場基盤技術研究所内に2012年4月設立した。人員は約40人。電子製品に関する設計・開発分野での技術や人材の集約、ノウハウの蓄積が目的で、電子機器の製品開発から試作、量産に至る一貫体制を構築し、早期量産立ち上げにつなげる。 (2012年4月13日付日刊自動車新聞より)

研究開発活動

AC (オートモーティブコンポーネンツ)
中・大型車両向けCVT用ベーンポンプ
-ジヤトコ向け:既存部品、ラインを共用化し、海外生産が可能で、かつ、制御流量を維持しながら基本吐出量を低減し、高回転運転を可能にした、中・大型車両向けCVT用ベーンポンプ。

周波数感応ショックアブソーバー
-トヨタ、日産向け:振動の周波数に応じて減衰力を変化させるショックアブソーバー。Lexus 「LS460」、日産 「Cima」に採用。

電動パワーステアリング (EPS)
-スバル向け:新規トルクセンサー、高トルクブラシレスモーターおよび異音抑制機構を取り入れた電動パワーステアリング。「Legacy」に採用。

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2013年3月期 2012年3月期 2011年3月期
全社 39,215 27,172 8,915
AC (オートモーティブコンポーネンツ) 18,086 9,378 3,988


2013年3月期の主要投資実績
AC (オートモーティブコンポーネンツ)
-CVT用ポンプ (タイ)

設備の新設

2014年3月期の投資予定額:29,100百万円
AC (オートモーティブコンポーネンツ):17,400百万円
-CVT用ポンプ (タイ)
-工場拡張費用 (チェコ)
-スプリング工場 (チェコ)