日本板硝子 (株) 2015年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2015年3月期 2014年3月期 増減率
(%)
要因
全社
売上高 626,713 606,095 3.4 -
営業利益 22,338 734 2943.3
税引前当期利益 4,807 (15,120) -
親会社株主に帰属する当期利益 1,668 (16,605) -
自動車用ガラス事業
売上高 313,956 305,114 2.9 1)
個別開示項目前営業利益 9,372 11,154 (16.0)

事業概況

1) 自動車用ガラス事業
-売上高は円安に伴う為替換算の影響により、前年をわずかに上回った。営業利益は多くの地域において市場が依然として厳しい状況となったため、前年をわずかに下回った。

<欧州>
-事業売上高の46%を占める。
-新車向け (OE) 部門では、現地通貨ベースの売上高は、前年並みとなった。補修用 (AGR) 部門の売上高は、気候要因により需要が減少したため前年を下回った。
-営業利益は、製品構成の改善により前年に比べて増加した。

<日本>
-事業売上高の17%を占める。
-OE部門の販売数量は、前年を上回った。消費税増税にもかかわらず需要は全般的には堅調に推移したが、第4四半期において乗用車販売はわずかに減少した。
-売上高は需要の増加により前年を上回ったが、営業利益は投入コストの上昇の影響を受けた。
-AGR市場は、前年の水準を下回った。

<北米>
-事業売上高の26%を占める。
-OE市場の販売数量は引き続き増加しており、AGR部門でも堅調な需要が業績に寄与したため、売上高及び営業利益は改善した。

<その他の地域>
-売上高および営業利益は前年を下回り、南米の市場は厳しい状況が続いた。

NSGグループの長期戦略ビジョンおよび中期経営計画

<戦略ビジョン>
-今後の進むべき方向として「VA (Value-added) ガラスカンパニー」に変容・変革することを戦略ビジョンとして設定。

-ガラス市場において成長性がある分野は、高度な形状や機能をもつ付加価値製品であり、NSGグループは、高機能ガラス分野のみならず、建築用ガラス、自動車用ガラス分野でも多くの付加価値製品群を有する。

-保有する経営資源を高付加価値 (VA) 製品の開発と、その拡販に注力する。VA ガラスカンパニーに変容した後は、よりスリムな総資産、より景気に左右されにくい構造、収益性の高い企業になることを目指す。

<中期経営計画 (MTP):2014 年4月~2018年3月>
-2014年5月15日付けで公表の通り、2018年3月期までの期間を対象とする新たな中期経営計画 (MTP) を策定している。

-MTPの最上位の目標は、財務サステナビリティ (財務面で安定的な姿になる) を実現すること、及び「VAガラスカンパニー」への変革を開始することである。

-これまで取り組んで来たリストラクチャリング施策により、グループの収益性は回復し、これがMTPの実行を可能とする低コストの組織構造の実現を支えている。また、バランスのとれた地域と事業の構成により、変化・多様化する世界経済の動向に適切に対処する体制を引き続き維持していく。

-MTPは、財務サステナビリティを確保し、VA製品・サービスの提供を通じて長期成長段階への移行を可能なものにする。

目指す2018年3月期の姿

  2018年3月期
(目標)
2015年3月期
(実績)
2014年3月期
(実績)
売上高 6,700億円以上 6,267億円 6,061億円
営業利益 (注) 600億円 252億円 224億円
EBITDA 1,000億円 579億円 544億円
ネット借入 3,000億円 3,741億円 3,791億円
ROE 10%以上 0.9% -

注:ピルキントン社買収に伴う無形資産の償却費及び個別開示項目の控除前営業利益

事業計画

-2013年11月に引き上げたSuper UV cutガラスの国内生産能力をさらに拡大すると発表した。紫外線を約99%カットするこの製品は、自動車のフロントドアを中心に使用され、トヨタの「Noah」や「Voxy」、日産「Dayz Roox」、三菱「eK Space」などに標準搭載されているという。(2014年6月19日付プレスリリースより)

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

研究開発費

(単位:百万円)
  2015年3月期 2014年3月期 2013年3月期
全社 8,200 7,900 7,300
-自動車用ガラス事業 3,100 2,800 2,800

研究開発活動

自動車用ガラス事業
-日本では、紫外線カットの機能を高めたスーパーUVカット・ガラスに関する開発を継続しており、赤外線吸収タイプの製品の販売を開始すると共に、生産能力の更なる拡大を図っている。

-ガラスの軽量化において、新たな開発を通じて自動車メーカーから受注を獲得することに成功した。例えば欧州では、自動車用フロントガラスにおいて基本的な機械的性能を維持したまま1台当たり2.5キロの軽量化を実現しており、また日本では、2.3ミリ厚のガラスが自動車用強化ガラスの量産における軽量化のベンチマークとなった。

-自動車向けの高速データ通信が自動車産業における有望な新技術分野と位置付けられる中、初めて欧州の主要自動車メーカーからガラスアンテナの開発を受注した。

-ヘッドアップ・ディスプレイと先進運転支援システムとの複合化製品を通じて製品が採用される機会が増加している。

設備投資額

(単位:百万円)
  2015年3月期 2014年3月期 2013年3月期
全社 36,600 31,600 26,000
-自動車用ガラス事業 17,500 10,700 13,500


自動車用ガラス事業
-主にポーランドにおける自動車用ガラス加工設備の取得にかかる支出。

設備の新設計画

会社名
事業所名
(所在地)
設備の内容 投資予定
総額
(百万円)
着手 完了
予定
Pilkington Automotive Poland Sp.zo.o
(ポーランド ワルシャワ)
加工ガラス製造設備 3,345 2015年3月期
第2四半期
2016年3月期
第3四半期